FC本部から契約終了方針を通知されました。競業避止条項について相談したいです

■状況
個人事業主で、シェアキッチンの1区画を借りてデリバリー専門の飲食業を
営んでいます。賃貸人とFC本部が同一の会社で、同じ相手と賃貸借契約と
FC契約の2つを締結しています。

2026年9月11日、賃貸借契約について「期間満了により終了し再契約はしない」
との通知を受けました。理由の説明はありません。

翌12日、当方が「いずれの契約も終了を前提としていない」旨を伝えたところ、
本部より「フランチャイズ契約についても、賃貸借契約の終了方針を踏まえ、
今後の契約終了に向けて整理を進めております」との返信がありました。
正式な解約通知はまだ届いていません。

FC契約には、双方が1か月以上の予告期間をおいた書面通知で、理由を要さず
解約できる条項があります。

競業避止条項は「本契約存続期間中及び本契約終了後2年間は、本契約と同種
または類似のフランチャイズ事業に参加してはならない」と定められています。
当初あった「ただし甲の承諾があった場合はこの限りではない」という例外は、
2025年10月の変更契約で削除されました。
地域や業務範囲の限定はなく、代償措置もありません。

デリバリープラットフォームは1つの営業許可証あたりのアカウント数に
上限があり、個人名義では3ブランドまでです。現在は本部のアカウントで
6ブランドを運営しているため、FC契約を失うと事業規模が半減します。
他社FCへ移籍できるかが事業の存続を左右します。

■質問
本部が一方的に契約を終了させた場合でも、この競業避止条項は有効に
適用されるのでしょうか。

結論として、本部から一方的にFC契約を終了された場合でも、競業避止条項が当然に適用されなくなるわけではありません。ただし、本件では、条項の全部または一部が無効と判断される余地はあると思われます。

契約終了後の競業避止義務は、加盟店の営業の自由を制約するため、契約書に記載されていれば常に有効というものではありません。裁判例では、本部側が保護すべきノウハウ・顧客・商圏等の利益と、加盟店側が受ける不利益を比較し、禁止される期間、地域、事業の範囲、契約終了の原因などを総合的に考慮して判断されています。過度な制約であれば、民法90条(公序良俗)により無効となる可能性があります。

本件では、①終了後2年間と比較的長期間であること、②地域的な限定がないこと、③「同種または類似のフランチャイズ事業」と対象が広く定められていること、④代償措置がないことに加え、⑤加盟店側の契約違反等ではなく、本部側の判断で契約終了が進められている点が重要です。特に、他社FCへの移籍まで一律に禁止すると事業継続に重大な影響が生じる事情は、制約の程度を判断する上で考慮され得ます。

また、公正取引委員会も、商圏やノウハウの保護に必要な範囲を超えた競業禁止については、独占禁止法上問題となり得るとの考え方を示しています。

したがって、現時点で「競業避止義務は当然に有効」と考えて他社FCへの移籍を諦める必要はないと思われます。ただし、FC契約の解約条項や競業避止条項だけでなく、契約全体、変更契約の経緯、本部からの通知内容等を確認する必要があります。