離婚調停において離婚を回避し、夫婦円満調停に至った事例
佐藤 良
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
別居中の夫から離婚調停を申し立てられた女性の事例です。
女性は同居中から夫のモラハラや親族との不和に悩んでいましたが、夫が妻の言動に立腹したことを契機に、夫が自宅を出る形で数ヶ月前に別居に至っていました。
もっとも、離婚の話し合いは全くしていなかったため、突然の離婚調停の申立てに驚き、相談に来られました。
【相談後】
相談者さまとしては、夫に不満はあるものの、子どもにとってはいい父親であり、子どものことを考えると離婚はしたくないとのことでした。
そのため、当方は夫婦円満での解決を望みましたが、当初は夫側の離婚の意向は強く、その後、子の引渡し調停まで申し立てるなど、離婚は不可避にも思えました。
ところが、話し合いが重ねられるにつれ、本件では離婚しても夫が親権を獲得できる見込みは乏しいこと、相応の財産分与や養育費の支払が必要となることなどがわかると、徐々に夫側の要求はトーンダウンとなりました。
そこからは離婚を一旦棚上げにし、お互いの改善点を双方が事細かに明らかにし、改善が可能か検討することで、夫婦円満解決の方向性を探りました。
最終的には、お互いの今後の行動指針をできる限り詳細な調停条項に落とし込むことで夫婦円満調停が成立しました。
【先生のコメント】
調停においては、当面別居を継続しながら、子との面会交流を通じつつ夫婦関係の再修復を図ることとされましたが、これらの交流の結果、その後再度同居に至ることができたようです。
離婚調停を申し立てられた場合、通常は申立人の離婚の意向が強固であるため、円満方向での解決は難しいと考えられるかもしれません。
しかしながら、夫婦のあり方や考え方は夫婦の数だけあり、また、離婚事件や男女問題は他の事件に比べて気持ちの問題が解決に大きく影響を及ぼすため、話し合いの流れや方向性が途中で大きく転換することを経験することがあります。
このようなことから、特に離婚事件においては、ありがちな結論に執着することなく、柔軟に解決への道筋を考えることを心がけています。