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しまだ なおき
島田 直樹弁護士
佐野総合法律事務所
県庁前駅
千葉県千葉市中央区中央4-17-3 袖ヶ浦ビル6階
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インタビュー | 島田 直樹弁護士 佐野総合法律事務所

10億円近い不良債権を回収した執念。国賠訴訟で勝訴的和解も。離婚や相続にも強い民事調停委員

20人を超える弁護士を抱え、千葉県最大級の規模と実績を誇る佐野総合法律事務所。
そこで20年超のキャリアを積み、共同代表を務めるのが島田 直樹(しまだ なおき)弁護士です。
かつてバブル崩壊後の不良債権処理に奔走するなど、金融機関をはじめ多くの中小企業を支えています。
約10年かけて10億円近い債権を回収したことや、国を相手にした訴訟で勝訴的和解を手にしたことも。
どんな事態も打開する、その並々ならぬ執念に迫ります。

01 これまでのキャリア

千葉県最大規模の事務所に20年超。組織改革を主導した共同代表
ーー弁護士登録されたのは2000年です。長いキャリアが目を引きます。

弁護士として重ねたキャリアは、もう20年を超えます。
その間ずっと現事務所に在籍し、現在は共同代表を務めています。

入所当時のメンバーは3人でした。
それが今では20人超の弁護士を抱え、千葉県では最大規模の法律事務所にまで成長しました。

入所して数年後には、パートナーとして経営などにも携わるようになりました。
そして、私が主導するかたちで事務所内の業務効率化にも力を注ぐようになりました。


ーー具体的にどんなことに取り組まれたのでしょうか?

事務所が扱うすべての事件を管理できるシステムや、過去の判例や書籍の内容を検索できるシステム、契約審査をAIで行うシステムなどを取り入れました。
また、所内にある約1万冊の書籍をオンラインで検索できる仕組みやICタグで検索できるシステムも導入しましたし、リモートですべての業務ができるようシステムを構築しています。

一連のIT化によって業務の効率化はもちろん、どの弁護士が担当しても高いリーガルサービスを提供できるようにもなりました。

ほかにも、自らプログラミングした業務支援ソフトを千葉県弁護士会に提供したこともあります。
破産の申立書など、それまで手作業で毎回入力していた手間を省くためのソフトです。

民事訴訟のIT化が進むなど、私たちの業界も時代とともに変化しています。
過去のやり方に執着していては、取り残されてしまいます。
そんな危機感も大きかったですね。

02 得意分野と実績①

バブル崩壊後の不良債権処理に奔走。10年に及ぶ国賠訴訟で勝訴的和解

ーーこれまでどんな事件を主に担当されてきたんでしょうか?

一貫して軸に据えてきたのが、企業法務です。
事務所としても、上場企業を含む大手損保会社や地銀をはじめ、県内の中小企業を中心に多くの顧問先にご契約いただいています。

私自身は、とくに地銀の案件をメインに担当してきました。
バブル崩壊後の金融機関の不良債権処理(債権回収)から入り、コンプライアンスが盛んに叫ばれるようになってからは、契約書チェックをはじめとする中小企業の法務全般を扱うようになりました。


ーーバブル崩壊後の不良債権処理。これは当時、大変だったのではないでしょうか?

それはもうすごかったですよ。
ご相談がひっきりなしに舞い込んでくる状況でした。

そんな中で、金融機関が独力では難しい債権回収を何度も実現させてきました。
なかには、10年ほどかけて10億円近い莫大な金額を回収したこともあります。
その事件のように長期間、あるいは高額なケースを含め、特殊な事件にも数多く当たってきました。


ーー他にもまだあると。

広く「お金を回収・請求する」という意味では、個人の案件でも壮絶な争いを経験してきました。

ひとつは、ひったくりの被害に遭われた高齢女性の損害賠償を担当したときのことです。
女性は脳に機能障害を負ってしまったため、加害者とその親御さんに損害賠償を請求したんです。

ただ、相手は「お金がない」と主張して十分な支払いを行なおうとはしませんでした。
するとその最中に、親御さんが交通事故に遭われたんです。
そこで私は、加害者から支払われる賠償金を仮差し押さえしました。

それにもかかわらず、加害者が保険会社を通じて賠償金を親御さん側に支払ったんですよ。
それはないだろうと、加害者を提訴してその支払いの有効性を争いました。


ーー結果はどうなったんですか?

高裁で逆転敗訴したものの上告し、最高裁で破棄差戻しがなされました。
その差戻審で勝訴し、ほぼ全額を回収することができました。

もうひとつは、国家賠償請求訴訟(国賠訴訟)での勝訴的和解です。
ある事件で逮捕された勾留中の被疑者が、拘置所で処方された薬で重篤な副作用を発症したため、弁護人が拘置所に何度も申し入れたものの、まともな医学的処置を受けられなかったため亡くなってしまったんです。

それで国を訴えたんですが、大変だったのは死因を明らかにすることでした。
手がかりがないなかでもあの手この手を尽くし、一審敗訴後の控訴審でほぼ全面勝訴といえる和解で決着。
これも10年近くかかった長丁場の裁判でした。

03 得意分野と実績②

どんな事態も執念でこじ開ける。民事調停委員を務め、離婚や相続も

ーーそれにしても、すさまじい執念ですね。

そうなんです、まさに執念なんですよ。
相手は財産を隠そうとしたり、処分して差押を逃れようとしたり、なんとかして支払いを免れようと抵抗してきます。
そこを粘り強く、必死に追いかけていく必要があるんです。

どんな状況でも、簡単に食い下がってはいけません。
出口が見えないようななかでも、これでもかというくらいしつこく検討するんです。
仕事場でも、自宅のリビングでも、あるいは湯船に浸かっているときも、頭の中で絶えず思考をめぐらせていると、ふとした瞬間に「この方法なら攻略できるじゃないか」と解決策やアイデアが浮かんでくることがあるんです。


ーー四六時中、事件のことを考えていると。なぜそこまで考え抜けるんでしょうか?

やはり根底にあるのは、「なんとか力になりたい」という依頼者さまへの思いですよね。

そもそも、執念深いのは生まれ持ったものでもあります。
もともと探究心が旺盛だったんです。
砕けた言い方をすると、あきらめが悪いんですよ。


ーー話は変わりますが、個人案件も受けていらっしゃるんですか?

離婚・男女問題と相続を中心にお受けしています。

その経験や実績を買われ、千葉地裁の民事調停委員を任されているんです。
調停委員とは、当事者双方から話を聞き取ったり、説得したりして合意点を探り、調停の成立を手助けする仕事です。

私はそうした中立的な立場でも、多くの事件を目の当たりにしてきました。
離婚や相続は、当事者間の感情が激しくぶつかり合います。
依頼者さまと相手方、それぞれが何を重視しているのか、どこに弱点があるのか。
そこをしっかり把握したうえで、少しでも有利な内容でうまく着地点を見出す。
そのあたりの勘所や調整は、ベテランならではの強みだと思いますね。


ーー感情的な対立をうまくまとめるのが得意なんですね。

裁判の判決までもつれると、結果はどちらに転ぶかわかりません。
争いが長引くほど、依頼者さまの心もすり減るはずです。

それでも徹底的に争いたい場合は別ですが、私としてはなるべく早く終結させ、その後の人生をどう充実させるか。
その前向きな部分にエネルギーを注ぐほうが賢明だと思うんです。
そんな思いで日々、依頼者さまとじっくり向き合っています。

04 弁護士としての思い

千葉弁護士会の元副会長などを歴任。法科大学院教授として後進育成も

ーー弁護士会など、事務所外の活動にも熱心に取り組んでおられますね。

千葉弁護士会ではかつて副会長を務め、そのときに事務局運営室を新設しました。
冒頭でお伝えした事務所内のIT化のように、その後室長として弁護士会事務局の業務改革を進めました。

千葉大学法科大学院の客員教授として、後進の指導・育成にも力を入れています。
非常勤講師だった頃から数えると、もう15年が過ぎました。
ほかにも、自治体が設置する委員会の委員なども任せていただいています。


ーーいろんな現場で、精力的に動いていらっしゃるんですね。

マルチに動けるのは、私の長所だと思います。
それは個々の事件においても、多角的な視点で解決を図ることに大いに役立っているはずです。

私にとって、一丁目一番地の中小企業法務。
キャリアをスタートさせた20数年前と比べると、コンプライアンスやガバナンスの重要性は格段に高まっています。

紛争のリスクをできる限り軽減するために、トラブルになってもダメージを最小限に抑えるために、ぜひ私を頼っていただけるとうれしいですね。
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