傷害罪で現行犯逮捕されるも、早期の示談、勾留取消請求及び勾留取消請求却下決定に対する準抗告申立により、被疑者の釈放を勝ち取る。その後、処分保留で終了(事実上の無罪獲得)。
吉田 要介
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
知人間のトラブルに基づく、傷害事件で現行犯逮捕され、勾留決定がされた事案です。
【相談後】
勾留された初日、被疑者に接見し、事実関係に争いのない事案であること、被害者と示談をしたい意向であること等の事情を確認した結果、勾留の要件(罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ)がないと思われたので、勾留決定に対する準抗告を行うこと、平行して被害者に示談の申入れを行うことにしました。
釈放に向けて、勾留決定に対する準抗告を行う必要があるため、取り急ぎ被疑者から罪証隠滅や逃亡を疑われる行為をしない旨の誓約書を受領しました。また勾留2日目には被害者及び身元引受人となる職場の方の了承を得て電話徴収書を作成しました。
これらの資料を元に、勾留決定に対する準抗告を行いましたが、翌日裁判官により棄却されました。
勾留5日目には被害者の方と示談が成立したため示談書を作成し、また、被害届の取下げ書及び⑥嘆願書(寛大な処分をのぞむ)の作成も了承して頂いたので、これを作成しました。その上で改めて勾留取消請求を行いましたが、裁判官により再度棄却されました。
これを受けて勾留6日目に、勾留取消請求却下決定に対する準抗告の申立を行ったところ認容され、勾留取り消しとなり、被疑者が釈放されました。
【コメント】
暴行・傷害事件で、事実関係に争いがない場合、一番のポイントは、被害者との示談です。
特に、暴行事件においては、示談の成立によって、釈放される可能性はより高くなります。
そのため、暴行・傷害事件について、罪を認めていて、示談に必要な金銭が用意できる場合は、被害者との示談が弁護活動の中心になります。
本件も、罰金や悪くても執行猶予が見込めると考えられる事案であったので
勾留決定に対する準抗告と平行して示談の申入れを行いました。
もっとも、本件は知人間のトラブルであり、釈放された場合、知人である被害者との接触も考えられたこと、被害者と示談の成立まで至っていなかったためか、準抗告は認められませんでした。
そこで、示談書を入手次第、勾留取消請求をすることにしました。
また本件は、示談書を入手した後も勾留取消請求が再度却下されていますが、その際の裁判官の判断がおかしいと考えたため
準抗告を申立てたところ、
3人の裁判官も、勾留取消請求を却下した裁判官の判断がおかしいことを認め、
準抗告は認容されました。
被疑者の釈放のために、弁護人としてあらゆる角度から事案を検討し、諦めずに粘り強く対応した結果だと考えています。