相手損保会社から届いた示談提案額が妥当か知りたいとして相談となり、依頼となった例
宮崎 正仁
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
スーパーマーケットの駐車場で、停車中の車内にいたところ、加害車両が被害車両に衝突してきたという事故でした。
被害者は会社員で営業の仕事をしており、多忙のため、なかなか治療のための通院ができず、総治療期間約5か月間に対し、実通院日数はわずか20日間しかありませんでした。
そして治療を終えた後に、相手損保会社からご本人あてに約18万円の示談金を支払う旨を記載した示談提案書が届き、この金額の妥当性につき知りたいとご相談となりました。
【相談後】
まず、相手損保会社から届いたとされる示談提案書の内容を確認しました。
そして、ご本人との相談に際して、特に、通院慰謝料につき増額可能性があることを説明したところ、ご依頼を希望され、受任となりました。
相手損保会社に対し、治療実態として、実際の通院日数は少ないが、その事情があることなどを具体的に主張し、通院慰謝料の増額に成功しました。
最終的に約70万円で示談成立となり、弁護士費用も弁護士費用特約からすべて賄うことができました。
【先生のコメント】
弁護士に示談交渉を依頼していない場合には、相手損保会社からご本人あてに示談提案がされます。
本来的には、請求する側が自分で損害額を算定し、相手損保会社に対し請求することとなりますが、被害者自身にそうした算定を強いることは現実的ではありませんし、通常は、相手損保会社から示談提案がなされます。
被害者にとっては、自ら損害額を算定する必要はなく、この点はメリットとも言えます。
しかし、損保会社は営利企業です。
なるべく支払う損害金は少額にしたい、できれば自賠責保険金の枠内で収めたいと考え、示談提案してくることは容易に想像がつくことと思います。
相手損保会社からの示談提案額は、いわゆる各任意保険会社が独自に採用している任意保険基準、または自賠責保険が採用している基準のいずれか一方で算定した金額となります。
弁護士に依頼すれば、いわゆる裁判所基準と言われる算定基準で、相手損保会社へ賠償金請求していきます。
実務上、訴訟ではなく交渉での示談成立を目指すためには、裁判所基準算定額より多少減額した金額での示談成立となることが多いですが、それでも相手損保会社の主張に沿うよりは、増額した金額となるのが一般的です。
また、本件では通院頻度が少ないケースであったため、通院頻度が比較的多い被害者と同じ通院慰謝料の算定でよいか、との争点もありました。
ご本人に届いた最初の示談提案は、通院頻度が少ない点を機械的に反映して算定した損害金となっていました。
弁護士が介入することで、相手損保会社の算定方法は不当であると主張し、結果、約50万円も増額することができました。