離婚に関する協議が進行せずお困りの方から相談をいただきました
澤田 剛司
弁護士
【ご相談内容】【相談前の状況】
30代会社員の男性から、妻による子どもの連れ去りに関するご相談を受けました。依頼者様には3歳の男児がおり、1年ほど別居状態で生活しながらも、これまで子どもは依頼者様が監護し、週1回程度の面会交流を行っていました。離婚調停も申し立てていましたが、特段大きなトラブルは発生していない状況でした。
しかしある日、依頼者様が保育園へ迎えに行ったところ、既に妻が子どもを迎えに来ており、そのまま連れ帰ってしまっていることが判明しました。妻とは連絡が取れず、電話やメッセージにも応答がない状態が続きました。さらに妻の実家に確認したところ、子どもは妻側にいるものの、「返すつもりはない」との意向が示され、親権を主張する姿勢が強硬であることが判明しました。
依頼者様としては、子どもの安全や今後の養育環境に強い不安を抱き、早急な対応を求めて当職へご相談いただきました。
【解決への流れ】
受任後、直ちに法的手続きに着手しました。本件は緊急性が高い事案であったため、家庭裁判所に対して迅速な申立てを行い、監護者の指定および子の引き渡しを求める保全処分を進めました。
また、関係者と連携しながら子どもの生活状況を安定させる対応も並行して実施し、実質的な養育環境の確保に努めました。その結果、裁判所においても緊急性が認められ、比較的早期に審理が進行しました。
審問期日において双方の主張が整理され、監護状況やこれまでの経緯を踏まえた結果、最終的に子どもは依頼者様のもとへ引き渡される判断となりました。申立てから約30日以内という短期間での解決に至りました。
【弁護士からのコメント】
子の連れ去り事案では、初動の遅れがその後の判断に大きな影響を与えるため、早期対応が極めて重要です。特に本件のように監護状況が安定していた場合でも、突然の引き渡し拒否が発生することがあります。
また、当事者間での直接交渉は感情的対立を深め、問題を複雑化させるおそれがあります。法的手続きと生活環境の確保を切り分けて対応することで、迅速かつ適切な解決につながるケースが多く見られます。
同様の問題では、時間の経過とともに状況が固定化するリスクがあるため、できるだけ早い段階で専門家に相談することが重要です。