はらだ かずゆき
原田 和幸弁護士
原田綜合法律事務所
小岩駅
東京都江戸川区南小岩7-27-3 第3イーストビル5階
インタビュー | 原田 和幸弁護士 原田綜合法律事務所
相談者との「壁」をなくすため、不動産業界から転身。下町に根付く庶民派弁護士
東京下町の小岩に事務所を構えて約10年。
原田綜合法律事務所の原田 和幸代表弁護士の以前の職業は、不動産会社に勤める会社員でした。
生来の親しみやすい人柄と社会人経験で培われたコミュニケーション力で、下町の地にしっくりと馴染んでいます。
その経歴から、不動産業者からの依頼も多いという原田弁護士。
「依頼者の最善を考える」を信念に、押すべきところは押し、引くべきところは引くメリハリのある弁護スタンスで信頼と実績、そして依頼者の納得感を積み上げています。
原田綜合法律事務所の原田 和幸代表弁護士の以前の職業は、不動産会社に勤める会社員でした。
生来の親しみやすい人柄と社会人経験で培われたコミュニケーション力で、下町の地にしっくりと馴染んでいます。
その経歴から、不動産業者からの依頼も多いという原田弁護士。
「依頼者の最善を考える」を信念に、押すべきところは押し、引くべきところは引くメリハリのある弁護スタンスで信頼と実績、そして依頼者の納得感を積み上げています。
01 得意な領域
不動産分野が強み。不動産業者だけでなく弁護士から相談されることも
――得意な分野を教えてください。
弁護士になる前は十数年、民間の不動産会社に勤めていましたので、不動産分野は得意な分野です。
不動産時代の業務は仕入れが主で、競売不動産の処理が多かったですね。
他にも不動産の販売、賃貸、管理等も行っていました。
弁護士になってからは、「元不動産業界」という経歴を知り、私にご依頼いただけることも少なくありません。
不動産業者からもよくご相談いただきますし、弁護士からの相談もあります。
――この分野では一目置かれているといったところですね。
不動産は身近な分野でありながら、関連する法律は多岐に渡ります。
業界特有の慣習もありますので、業界の内側にいた経験は、弁護士としての大きな強みといえると思います。
――他にはどんな分野が得意ですか。
刑事事件は多数経験してきていますので、得意ではあります。
そのほか、多く受任しているのは離婚・男女問題、相続、債権回収、債務整理ですね。
私が弁護士として大切にしているのは、「住民にとって身近な存在になる」ということです。
ですので、ある特定の領域に特化するというよりは、幅広く様々な相談にお答えしたいですし、できなくてはいけないと思っています。
02 弁護士になったきっかけ
不動産業界から弁護士に転身した2つの理由
――そもそもなぜ不動産業から法曹界への転進を決意したのですか。
理由は2つあります。
ひとつは不動産の仕事は法律が関係することも多く、権利関係が絡む複雑な事案の場合には弁護士に依頼せざるを得ない場面があり、次第に「法的処理も含めた最後の部分まで自分で解決したい」という思いが生まれたことです。
もうひとつは、弁護士と接するときに、なにか「壁」のようなものを感じたことです。
埋めづらい距離というか、少し怖いなというか…。
――敷居の高さみたいなものですか。
そうですね。
もう少し親しみやすい感じにならないかと思っていました。
すべての弁護士の方がそうではないと思いますが、そのとき、私は「もっと弁護士を身近に、お医者さまと同じように、気軽に相談できるようになれないか、困っている方を助けてあげられないか」と考えたのです。
そんなことを考えながら仕事としていた矢先、実は副業でスキューバダイビングのインストラクターをやっていたのですが、そのダイビングのお店がなくなることになってしまって、その分、時間ができたものですから、これを機に思い切って司法試験にチャレンジしようと考えました。
無事一発合格し、長年住み続け慣れ親しんだ小岩の地で開業をするに至りました。
――最初から独立開業だったのですね。
弁護士の多くは,民間企業での社会人経験がないまま勤務弁護士になります。
しかし、私は当時すでに十数年の社会人経験があり、最低限の仕事の仕方・社会常識は理解していました。副業のダイビングの仕事では、様々なお客様との交流の中で柔軟なコミュニケーション力も培われましたし、お客様の命を預かるわけですから瞬時の判断力、相当な体力なども求められました。こうした経験を、弁護士として十分に生かしていこうと思いました。
幸い、開業からすぐに何件ものご依頼をいただき、一つひとつの事案に丁寧に対応していくうちにいまに至っています。
03 弁護士としてのスタンス
依頼者の利益や負担軽減を最優先に。ときには依頼者を説得することも
――先生の弁護士としてのスタンスを教えてください。
できるだけ依頼者の希望をかなえてあげるということです。
「できるだけ」というのはいい訳ではなくて、依頼者の希望どおりに主張をしていては、かえって不利益となってしまう場合があるからです。
法的にはまったく通らない希望もあります。
ですから依頼者には最初の相談の段階から、デメリット(リスク)はできるだけお話しておきますし、依頼後の事案解決に向けても依頼者には十分な説明をするようにしています。
――その上で、解決プロセスにおいて意識していることはありますか。
なるべく早期の解決を目指すようにしています。
話し合いで解決できるものであれば話し合いで解決したいと思っています。裁判所を利用しなければならない場合でも、訴訟(裁判)ではなく調停で解決できるなら調停で解決ができればと思っています。
仮に訴訟という話になっても、訴訟進行の中で和解ができそうなら和解を目指します。法廷闘争が続けば精神的な負担は大きいですし、時間もかかりますし、金銭的にも負担が増えます。
そこまでして解決しても、しこりが残ってしまうこともあるでしょう。
だから私は依頼者にできる限りの見通しを説明し、できるだけ負担の少ない形での解決を提案し、ときには説得もします。
もちろん最終決断は依頼者におまかせしますが、大抵はご納得いただけますね。
04 解決事例
1000件近くの解決実績。難事案を解決に導くためにどんな証拠も見逃さない
――印象に残っている解決事例を教えてください。
解決実績はこれまでに1000件近くはあるのではないかと思います。
その中で特に印象に残っているものを3つ挙げたいと思います。
まず1つ目は、父母間で子どもの監護権を争っていて、依頼者である父親に監護権が認められた事例です。
その事例では父親に監護権が認められた後、子の引渡しの強制執行を行いましたが、妻が子供を連れて逃げ回り、通常の手段での引渡し実現が困難となっていました。そのため、子の心身に深刻な影響を与えている場合で子の保護の必要性・緊急が高い場合に利用できる人身保護請求という手段を使いました。
一般的には、父方の監護権が認められること自体が非常に困難であり、それを人身保護請求までしてやっと子どもが父親の下に戻ってきたので、強く印象に残っています。
2つ目は特別縁故者による財産分与請求で、被相続人(亡くなった方)の遺産のほぼ全額の取得が認められた事例です。
特別縁故者とは、遺言もなく法定相続人もいない場合に、被相続人の療養看護や財産管理に貢献した人が特別に被相続人の遺産を取得できることができる人です。
特別縁故者の場合、ある程度の遺産はもらえるとしても、ほぼ全額を取得できることは少ないので記憶に残っています。
特別縁故者と被相続人の関係性を示す証拠が重要だったのですが、依頼者の詳細な日記や介護施設とのやり取り、依頼者に財産管理をお願いしたいという被相続人のメモ等の関係資料から、依頼者が特別縁故者で被相続人の遺産を全額取得できる資格があるということを裏付けることができ、異例ともいえる結果に繋がりました。
3つ目は過失運転致死傷罪事件で加害者側の弁護を行った事例です。
過失運転致死傷罪は、諸事情によってはその量刑が非常に重いものとなる可能性もありますが、事件開始から約1年後に、執行猶予判決を獲得できました。
依頼者の方が深く反省をし、被害者の方にできる限りのことを尽くし,約1年間もの間過ごしてきた様子を見ている中で,自身としてもできる限りのことをやり尽くした末での結果でしたので、印象に残っています。
――いずれも決して簡単でないような事例ですね。解決のポイントはなんですか。
事案解決においては、証拠が重要になります。
特別な証拠収集のノウハウがあるわけではありませんが、依頼者には持っているものを「とにかく証拠になるか分からなくても、できるだけ出してください」とお願いしています。また、私のほうから、このようなものはないですかと聞くこともあります。
依頼者が想定していなかったものが証拠になることもありますし、一つの証拠が個々では弱くても他の証拠を整理してつなぎ合わせることで有力な証拠となることもあるのです。
05 今後の目標
ずっと身近で気軽に相談できる弁護士であり続けたい
――「下町の弁護士」として、すっかり地域に溶け込んでいるようですね。
出身は岡山県ですが、江戸川区には学生時代を含めると30年以上馴染みがあります。
地域の気風は分かっていますし、そもそも親しみやすい存在でないと依頼者も事務所に足を運びづらいですからね。
お会いした人には「弁護士らしくない」とよく言われます(笑)。
私が弁護士に対して「壁」を感じた経験を踏まえ、ご相談の際は難しい法律用語をできるだけかみくだいて、わかりやすく説明することを心がけています。
――今後の展望をお聞かせください。
親しみやすく、より身近に感じられ、気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。
この思いは、弁護士になったときから何も変わりません。
依頼者にとって弁護士事務所にお世話になるのは人生で数えるほどしかないのが一般的でしょう。
私はその少ない機会のなかで、勇気を持って当事務所を訪ねてくださる依頼者に真摯に向き合うことが、何よりも大切だと考えます。
初心を忘れず、依頼者と向き合っていきたいと思います。