インタビュー | 小林 嵩弁護士 目黒法律事務所

――弁護士を目指したきっかけを教えてください。

父が、弁護士と関わる機会の多い仕事をしていたんです。幼い頃から、その仕事ぶりを聞いていました。
弁護士の仕事といっても多種多様で、様々な方の助けになれる。そんな弁護士の仕事に、興味を持ったのがきっかけですね。


――今に至るまでのキャリアを教えてください。

弁護士になって最初に所属した事務所は、元裁判官の弁護士が経営している事務所でした。
そちらでは、借金問題、離婚問題や不動産トラブルなどの一般民事全般が多かったです。
あとは、中小企業の企業法務にも注力していました。
やはり、身近に元裁判官の弁護士がいるという環境は、学べることも非常に多かったです。
事件が訴訟に発展した際、どんな主張や証拠を出せば裁判官を納得させられるのかなど、
裁判官目線の事件の見方を、弁護士１年目から勉強できたと思っています。

また、弁護士の仕事は法律知識もさることながら、“人の感情に向き合う”ことも非常に大切だと考えています。
一人では解決できないお悩みがあってご相談されているので、経験や知識だけでなく、依頼者の方に安心感を与えられるような対応を心がけています。


――その後、独立開業を？

はい。最初の事務所に4年弱所属し、多方面に渡る知識とノウハウを学ぶことができたので、目黒法律事務所を開業し現在に至ります。


――現在、注力している分野はどのようなものでしょうか？

基本的には独立前と変わらず、不動産トラブル、離婚、相続、借金問題など、個人の依頼者を中心とした法律業務に取り組んでいます。
あと最近では、企業からのご依頼も多くいただいています。日々発生する契約書のリーガルチェックや、企業内での労働問題などが多いです。企業で発生する問題には、特にスピード感をもって対応しています。
せっかく目黒区で開業させていただいたのでこれからも地域の中小企業や個人事業主の方とも積極的に関わり、一緒に目黒区を盛り上げていければと思っています。

――先生の得意分野を教えてください。

先ほどお話しした一般民事に関しては、どれも自信をもって対応しております。
その中でも不動産トラブルや相続、借金問題はご相談を受ける機会が多いですね。
不動産トラブルだと、立ち退きや賃料不払いなど、請求する側、される側、双方の対応経験があります。
どの事件もそうですが、不動産トラブルも早期解決が重要です。
出て行ってくれない、賃料を払ってくれない期間が長ければ長いほど、家主の方は損をしてしまいますから。
どの方法が最も不利益が少なく解決できるかを考えて対応しています。
なので、交渉が厳しいと判断すれば早々に訴訟に切り替えることもあります。


――先生は宅建の資格もお持ちだと伺っています。

はい。司法試験のあと、少し時間があったので、せっかくなら勉強してみようと思い、資格を取得しました。
宅建を機に不動産分野には注力していますので、複数の不動産業者とも連携をとっています。

そのため、欠陥住宅や不動産の任意売却、借地権といった専門性の高いトラブルにも対応しています。

相続や離婚問題などでも、財産分与等で不動産が絡むことが多々あるので、宅建の知識が活きるときがあります。


――借金問題に関しては、どのような事件に対応しているのでしょうか？

個人の方をメインとした破産、個人再生や任意整理、過払い金など。
全般に対応しています。

さまざまな事件がある中でも、借金問題は特に慎重に、依頼者の方と向き合うようにしています。
依頼者の中には、「生きるためにお金を借りるしかなかった」という方や、精神状態がギリギリの方もいらっしゃいます。
なので、私は電話のみで相談を受けるのではなくて、とにかく早めに依頼者の方に会うようにしています。
直接顔を合わせてお話しし、依頼者が抱えている事情やお気持ちをきちんと把握する。
借金問題を解決するには、とても大切なことです。


――先生の温かい人柄を感じます。

借金問題は、弁護士一人では解決できません。事情をお話してもらったり、資料を準備いただいたり、依頼者の方と二人三脚で進めます。
また、裁判所との間では、事実関係を明らかにして、粛々と手続きを進める必要があります。
万が一隠し事をされてしまうと、手続きが滞ったり、望むような結果が得られなかったりと、結果的に依頼者の方に不利益になってしまいます。
依頼者の方と信頼関係を築くことが本当に大切なので、まずは私自身が真剣に向き合うようことを心がけています。

目黒法律事務所は、ご依頼から解決まで、全て一貫して、弁護士が対応しています。
規模が大きい事務所さんだと、弁護士にたどり着くまでに時間がかかることもあるかもしれません。
弁護士とすぐに話せる、直接やり取りができるという安心感は、事務所としての強みだと考えています。

――印象に残っている解決事例を教えてください。

婚約破棄の慰謝料請求を受けた裁判が印象に残っています。
依頼者の方は、相手の男性から酷いモラハラを受けて、精神的に支障をきたしていました。それが理由で婚約を解消したところ、相手の男性から慰謝料請求されてしまったというご相談でした。

依頼者の方の利益を図るのはもちろんですが、その中でもなるべく精神的な負担が少ない方法を考えて法的対応を進めていきました。


――解決に向けて、どのように事案を進めたのでしょうか。

依頼者の方と密に連絡をとるようにし、お気持ちや精神状態を確認しながら進めていました。
裁判では証拠や証言が必要になりますが、証拠に向き合うことで精神的に負担になってしまうこともあります。
そのため、当時のメールのやり取りや録音、当事者間で交わした書面など、依頼者の方が細かく選別するのは辛いでしょうから、預かったものを全て私のほうで精査しました。
また、証人尋問の際には、裁判所へ上申して遮蔽措置をとってもらい、相手の男性と顔を合わせない形で証言してもらいました。


――依頼者に寄り添う優しい一面もありつつ、裁判は粛々と進める…。メリハリのある弁護スタイルですね。

トラブルに直面している時間が一番負担になるでしょうから、迅速かつ粛々と進め、なるべく早期解決できるよう心がけています。

最終的に本件は、こちらに非常に有利な形で和解となりました。勝訴的和解と言っても差し支えないと思います。
依頼者の方も、気持ちに区切りをつけられたのか、表情も非常に明るくなられたのが印象的でした。

――今後の展望を教えてください。

事務所を大きくしていくことはあまり考えていません。
これからも依頼者や事件と近い距離で、自分の目の届く範囲で仕事したいですね。
あとは、経験を重ねても行動力は大事にしたいです。
いつまでも謙虚な気持ちで、弁護士としての腕を磨き続けていきたいと思っています。

――最後にメッセージをお願いします。

「弁護士」「法律問題」「裁判」。
これらキーワードを聞くだけで、なんだか敷居が高いと感じる方も多いのではないでしょうか。

法律は皆様の生活おいて身近なものなので、予期せず法律問題に巻き込まれてしまうこともあります。
こんな些細な事を聞いてもいいんだろうか。
そう思わずに、お気軽にご相談ください。