多額の保証債務を負っていたことが分かり、自己破産した例
宮崎 正仁
弁護士
【ご相談内容】【内容】
若い頃に親族と一緒に自営業を営んでいた(ご本人は店の従業員として働いていた)方からのご依頼でした。その頃に、保証人となっていましたが、すでに自営業を廃業し、相当期間が経過していたことから、ご本人も、保証人となったことすらよく覚えていませんでした。
しかし、ある日、約3000万円の保証債務の支払いを求める訴状が突然に裁判所から届いたということで、驚いて奥さまと一緒にご相談にいらっしゃいました。
【対応】
相談には、裁判所から届いたという訴状を持参してもらいました。
ご本人の記憶があいまいだったこともあり、まずは、それが本物の訴状かどうかを確認しました。
怪しい架空請求書が届いたり、公的機関を装った督促状が届いたりすることも珍しくないからです。
確認したところ、裁判所も実在する裁判所であり、本物の訴状でした。そこで、次に、ご本人に訴状に記載の内容につき確認を行いました。
話しを伺っていくうちに、ご本人から、昔、保証人として自分で署名したことがあったと思うと回答があったことから、保証人としての地位を否定する方向ではなく、保証人としての立場は認めるとして、請求に対してどう対応すべきかアドバイスしました。
持参された訴状を見る限り、主債務者が最後の返済を行ってから相当期間が経過しており、また、ご本人によると、一度も保証人として支払をしたことはないとのことでした。
他方、債権者側に時効を中断するような裁判手続きなどを過去に行った事実があるのかが明確ではなかったため、まずは答弁書において時効を主張するよう説明し、答弁書に何を、どのように記載すればよいかアドバイスしました。
時系列的には時効が成立している場合でも、債権者は訴訟提起など裁判手続きをしてくることもあり得るからです。
ただし、保証人が知らないところで、債権者が主債務者に対して過去に裁判手続きを行ったということもあり得ます。
過去に主債務者に対し、時効中断手続きを取られた場合には、保証人もその影響を受け、結果的に時効主張できないことがあります。
この点の可能性も事前に説明しておきました。答弁書提出後に、債権者から、主債務者に対する債務名義の存在と、それによる時効中断事由があるとの反論主張がでてきました。
そこで、再度の相談となりました。
ご本人として、約3000万円の保証債務を支払っていくか、支払えないのであれば破産手続きを取るしかないこと、破産する上で処分されるような資産がないようなら、破産手続きが望ましいケースであることなどをアドバイスしました。
幸いなことに破産手続きを取るうえで支障となる事情がなかったことや、ご本人も、最終的に破産を希望したことから破産手続きを取り、無事に免責を得ることができました。