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ほしの あき
星野 有紀弁護士
Authense法律事務所 大阪オフィス
淀屋橋駅
大阪府大阪市北区西天満2-6-8 堂島ビルヂング6階611
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インタビュー | 星野 有紀弁護士 Authense法律事務所 大阪オフィス

相次ぐネットの誹謗中傷、リベンジポルノ等の性的被害。投稿者を特定し、被害者支援に奔走する弁護士の思い

東京を中心に7つのオフィスを構え、80人以上の弁護士を擁するAuthense法律事務所(2025年9月現在)。
大阪オフィスに所属する星野 有紀(ほしの あき)弁護士は、「街のかかりつけ医」のように幅広い相談を引き受けています。
とくに力を入れているのが、性的被害を含むインターネット上の誹謗中傷、離婚・男女トラブル、少年事件をはじめとする刑事弁護です。
その根底にあるのは、かつて自身が味わった苦い過去の記憶と、同じ境遇に苦しむ人たちを助けたいという情熱です。

01 弁護士への道のり

自衛隊看護学校での過酷な日々。「理不尽な目に遭っている人を守りたい」

――高校卒業後、自衛隊の看護師を養成する学校に入隊されたそうですね。

当時は医療に興味があり、災害現場での救護活動を担う看護師になりたかったんです。

ただ、理想と現実のギャップに打ちのめされてしまいました。
仲間との出会いに恵まれた反面、理不尽な指導も多く、心身ともに疲弊する毎日。
過酷な日々に限界を感じ始めました。

紆余曲折を経て、やむを得ず除隊することとなり、別の人生を歩むことになりました。
そのときに頭に浮かんできたのが、弁護士になるという選択でした。


――なぜ弁護士の道へ進もうと思ったんですか?

もしあのとき法律の知識があれば、理不尽な目に遭ってもうまく対処できたんじゃないか、苦しむ仲間にも助言ができたんじゃないか。
何もできなかった悔しさが込み上げてきて、同じように苦しんでいる人たちの助けになりたいと思ったからです。

それから大学に進学し、その後のロースクールや司法試験と、20代の時期はほぼ試験勉強に費やしました。
不安や焦りもありましたが、一度決めたからには意志を貫こうと、とにかくその一心でしたね。

当時から思い描いていたのは、何でもこなせる「街のかかりつけ医」のような弁護士になることでした。
その点、当事務所は民事に刑事、企業法務とさまざまな事件を幅広くカバーしています。
オールラウンドな力をつけられると考え、ここからキャリアの一歩を踏み出そうと決意しました。

02 注力分野と実績①

ネット上で性的被害に遭う女性に伴走。投稿者を特定し、損害賠償請求も

――現在、とくに重点的に扱っている事件があれば教えてください。

インターネット上の誹謗中傷、離婚、不倫の慰謝料、相続、刑事事件、債務整理などをメインに担当しています。

なかでも最も力を入れている問題のひとつが、SNSや掲示板をはじめとするネット上の誹謗中傷です。
約9割が被害を受けた方々からのSOSで、とくに女性からのご相談が多いです。
その度に、書き込みの削除や投稿者の特定、刑事告訴や損害賠償請求などを行ってきました。


――女性からはどんな被害相談が多いんですか?

裸の画像をばら撒かれたり、盗撮されたりと、性的被害に遭っている方がとくに目立ちます。

以前ご相談に来られた方は、極度の不安から精神的にひどく疲弊しておられました。
私も同じ女性ですから、性的な画像を得体の知れない誰かに見られていると想像するだけで、恐ろしくてたまらない気持ちはよくわかります。

それでも、そのときは無事に投稿した人物を突き止めることに成功し、損害賠償請求に着手でき、慰謝料を得ると同時に、今後二度と同様の行為をしないとの誓約を結ぶことができたんです。
女性は「ようやく安心した」と胸を撫で下ろし、後日「最後まで熱心に寄り添ってくれて助かった」と直筆のお手紙を送ってくださいました。


――星野先生の存在が大きかったんですね。

どうにか力になれて、私もホッと一安心しました。

性的被害をめぐっては、最近、盗撮やリベンジポルノばかりでなく、生成AIや画像加工アプリを悪用し、性的な画像に加工するなどした「性的ディープフェイク」による被害も急増しています。
きっと恐怖に怯えている女性はたくさんいらっしゃるはずです。

性的被害に限らず、悪質な誹謗中傷のお悩みがあればぜひ私を頼っていただきたいですね。

03 注力分野と実績②

男女問題は女性の依頼多数。無銭飲食の青年が更生を誓った感謝の手紙

――ネットの誹謗中傷に次いで、力を入れている分野はありますか?

離婚や不倫など男女トラブルのご依頼も多く、事務所全体でこれまで10,000件を超えるご相談をお受けしてきました。
なかでも私の場合は、女性の依頼者さまが大半を占めます。

同じ女性弁護士のほうが悩みを打ち明けやすい場合もあると思いますし、私自身も過去にトラブルに巻き込まれた経験があり、みなさんが抱える不安や恐怖心が身にしみてわかるんです。


――どのような相談が多いですか?

男女トラブルでいえば、ストーカー被害に関するご相談が比較的多いです。

相手に警告を発したり、警察に被害届を出したり、それによってストーカー行為がピタッと止まるケースもあります。
後手を踏むと心配が増幅する状況に追い込まれてしまうこともあるので、早めにご相談いただけるとうれしいですね。


――個別の事件とは別に、法教育委員会や犯罪被害者支援委員会にも所属されていますね。

学生時代に学童保育のアルバイトをしていたこともあり、青少年が関わる事件に強い関心がありました。
子どもたちが犯罪の加害者にも、被害者にもならない社会をつくりたい――。
そんな思いで犯罪予防の啓発活動、更生支援などに取り組んでいます。

実際、刑事事件でも10〜20代の若者を弁護することが多いんです。
「本当は犯罪なんかしたくない。人に迷惑をかけたくない。でも生き方がわからない。どうしたら良かったんだろう」と、本当は純粋で優しい心根をもった青少年がもがき苦しむ姿を目の当たりにすることがよくあります。

たとえば、無銭飲食で逮捕された20代の青年です。
仕事を辞め、親からも見放され、自暴自棄になって事件を起こしてしまったようでした。

青年がとくに頭を悩ませていたのは、お父さまとの関係です。
最初、お父さまは「もう戻ってこなくていい」と突き放すような言葉を口にされていました。

そんなお父さまとお手紙や電話で何度も連絡を取り、青年の状況や思いを熱心に繰り返しお伝えしました。
すると最後には、我が子を受け入れ、励ますメッセージを届けてくださるようになったんです。


――それを青年に伝えたときの反応はいかがでしたか?

それはもう本当に喜んでいましたね。
その言葉が大きな希望と励みになったようで、裁判で「もう二度と犯罪に手を染めない」と涙ながらに誓ってくれたんです。

あの瞬間は、私も胸が熱くなりました。
彼の一生懸命な姿をそばで見てきたからです。
彼にはしっかり内省し、更生してもらいたいと20冊ほど本を差し入れたんですよ。
そしたら一冊ずつ、すべてに心のこもった読書感想文を書いてくれたんです。
裁判でそれを証拠として提出したところ、裁判官に「しっかり反省しているね」と言葉をかけてもらいました。

その後、青年からは丁寧に感謝をつづった手紙が届きました。
私の弁護活動が前向きに生きる一助になったと思うと、心の底からうれしかったですね。

04 弁護士としての信念

「絶対に不幸にしない」。頼ってくれた依頼者を、どこまでも支える覚悟

――いつもどんな思いで事件に向き合っているのか。モットーやこだわりはありますか?

「私に関わった依頼者さまを、絶対に不幸にしない弁護士になりたい」。
これは当事務所の面接を受けたときに、私が力を込めて口にした言葉です。

依頼者さまは、数多くいる弁護士のなかから、私に切実な思いを託してくださるわけです。
その選択を絶対に後悔させないよう、一つひとつの事件に常に全力を注ぎ込まなければなりません。

そのためにも、私は依頼者さまのお気持ちや心境をしっかり想像し、共感し、親身にとことん寄り添うことを心がけています。
たとえ具体的な進展がないときでも、こまめに連絡を入れるなど、できる限り密にコミュニケーションを取るようにしているんです。


――話は変わりますが、ご趣味などがあれば教えてください。

昔から体を動かすことが好きで、今打ち込んでいるのはランニングですね。
小学生の頃には、テレビ番組の企画で東海道500kmを踏破したこともあるんです。

学生時代に音楽バンドを組んでいたこともあり、ボイストレーニングにも通っています。
ある公演に向け、憧れの大黒摩季さんの『ら・ら・ら』という歌を練習しているんです。

今までの経験で培った体力やフットワークの軽さ、粘り強さや忍耐力も武器にして、これからも一人ひとりの依頼者さまを全力でサポートしていきたいですね。
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