【相続不動産の登記】【時効取得】不動産を相続したが登記の名義が先々代の名義になっていた事務所事例
藤井 優希
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
相談者様は相続した土地を所有していました。土地を売却しようとしたところ、土地の登記名義が先々代の名義であることが原因で、土地を売却できない状態となっていました。そこで、土地の登記を移すべく弊所にご相談をいただきました。
【相談後】
当職にて土地の権利関係を調査したところ、相談者様以外にも土地の持分を相続した相続人がいることが判明しました。
土地の相続が数十年以上前の相続でしたので、相続人が多数存在していること、ご相談者様と面識のない方が多数いらっしゃいましたことから、遺産分割協議を行うことが難しい状況でした。
幸いにも、相談者様は取得時効が主張できる状況でしたので、当職の方で裁判所に訴えを提起いたしました。その後、取得した判決を用い、土地・建物の登記を相談者様に移転したうえで、土地と建物の売却手続きを進めることができました。なお、移転登記手続きについては、幣グループの司法書士に依頼していただいたため、スムーズに手続きを行うことができました。
【先生のコメント】
相続によって不動産を取得した場合、登記の名義が先代のままになっているケースが多数ございます。
不動産の登記名義が先代のままだと、不動産に関する自己の権利を主張できない場合や売却等の処分をすることできないケースがございます。また、2024年4月1日から相続登記が義務化され、罰則も設けられました。したがって、不動産の登記を先代のままにしておくことには一定のリスクがあるかと思われます。
相続によって不動産を取得した場合、遺産分割協議書を作成し登記の移転手続きをすることが通常です。しかし、相続登記が未了のまま放置されているケースの多くは、遺産分割協議書を作成することが困難なケースです。なぜなら、相続人が死亡し新たな相続が発生することで、相続人の確定や遺産分割協議書の作成が難しくなるからです。
この場合、時効取得が主張できる場合には、訴訟によって判決を得たうえで、不動産の登記を移転することで解決する方法が有効かと思われます。
相続人の調査や訴訟手続きには、専門的な知識が必要となりますので、お困りの方はぜひ一度ご相談にいらしてください。