電車内で痴漢(ちかん)を行い、迷惑防止条例違反の罪で現行犯逮捕されるも、早期の弁護士への依頼により、検察官に勾留請求されず、釈放される。その後、示談の成立により起訴猶予で終了。
吉田 要介
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
電車内で痴漢(ちかん)を行い、迷惑防止条例違反の罪で現行犯逮捕された事案です。
【相談後】
現行犯逮捕直後に被疑者のご家族から依頼を受けました。
即座に本人に接見をしたところ、被疑者は、被疑事実を認めており争わず示談を希望するとのことでした。
そこで、被疑者に誓約書(罪証隠滅や逃亡を疑われるような行為をしない等)を書いてもらい
被疑者のご家族からは身元引受書を書いてもらった上で、検察官に対し、勾留請求をせずに釈放することを求める意見書を提出しました。
意見書提出後、検察官に対し、被害者への示談を弁護人が責任をもって行うこと等を話し、在宅での取調べ十分であり、釈放すべきだと話しました。
検察官は被疑者を勾留請求することなく被疑者は釈放されました。
その後、被害者の方と連絡をとり示談の申入れをしたところ、示談に応じて頂くことができました。
示談の成立により、被疑者は起訴猶予処分になりました。
【コメント】
強制わいせつ・迷惑防止条例(痴漢)違反事件で、事実関係に争いがない場合、
一番のポイントは、被害者との示談です。
強制わいせつ罪は、親告罪ですから、被害者との示談が成立したり被害者から嘆願書を取得できれば、処分保留で釈放される可能性が高いです。
また、迷惑防止条例(痴漢)違反は親告罪ではありませんが、検察官が、被害者の意向を無視して、起訴することは通常ないので、示談が成立すれば、釈放される可能性はより高くなります。
そのため、強制わいせつ・迷惑防止条例(痴漢)違反事件について、被疑者が罪を認めていて、示談に必要な金銭が用意できる場合は、被害者との示談が弁護活動の中心になります。
ただ、検察官によっては、示談成立後も勾留満期まで釈放をしてくれない場合があり
その場合は、勾留決定に対する準抗告や勾留取消請求の申立てを行うことにより、
検察官に圧力をかけたり、裁判官の判断を仰ぐとことで、早期の釈放を求めることになります。
本件は、勾留されても準抗告で争うこともできる事案だとは思いますが、一般に
「なぜこの事案で(準抗告が)認められないのだろう」と思われる事案でも勾留されることも多いことから、検察官に勾留する必要がないことを理解してもらい、勾留請求されないことが不必要な勾留を防ぐ一番の方法です。
したがって、早期に依頼を受け、勾留請求前に弁護士として
検察官に対して働きかけを行うことができたのが本件のポイントだと思います。