発信者情報開示の意見照会書が到着。とるべき対応は?
清水 祐太郎
弁護士
【ご相談内容】※グラディアトル法律事務所全体の解決事例となります。
【依頼前の状況】
依頼者さまは東京に住む大学生とそのご両親。
とある日、自宅のインターネットを契約している通信会社から、発信者情報開示の意見照会書が契約者の父親宛に届きました。
中身を見ると、「ホスラブという掲示板における当該投稿内容につき、権利を侵害されたと主張する方から開示請求を受けた」との内容。
そして「2週間以内に発信者情報の開示に同意するかどうか回答してください」というものでした。
しかし、父親はまったく思い当たる節もなく、妻に聞いても同じ態度。
そこで、大学生の息子に聞いてみると、自分が投稿した内容だと伝えてきました。
とはいえ実際どう対応していいかわからず、弊所にご家族でご相談に来られました。
【依頼後の結果】
弁護士が投稿内容を確認したところ、名誉権を侵害したと認められるかどうか微妙なものでした。
したがって、同意するのも不同意とするのも、どちらも選択肢としてはあり得ることを説明。
具体的には、同意した場合は、氏名や住所などが発信者情報開示請求者に開示されるので、いずれ損害賠償請求がなされるであろうと。
ただ開示に同意したという点で、比較的損害賠償額は抑えられる傾向にあることもお伝えしました。
一方、不同意とした場合は、発信者情報開示請求者が開示訴訟を行わないか、行ったとしても敗訴となれば開示されず、結果として損害賠償請求もされることはないこと。
しかし、開示訴訟で開示の判決が下ると、そこにかかった弁護士費用なども請求されることが通例ですので、高額の損害賠償が請求されるリスクもある。
以上について、ご家族で検討された結果、争える余地があるなら争いたい、不同意の理由などは自らで書けないとのことで、ご依頼いただくことになりました。
弁護士は、早速代理人として、理由や証拠などを付して不同意とする旨の回答を通信会社に送付しました。
2週間後、通信会社から発信者情報開示請求者には非開示で回答したとの連絡を受けました。
その後、開示訴訟されるかどうかでしたが、結果として開示訴訟されることもなく、依頼者さまの要望どおりの解決となりました。
【弁護士からのコメント】
今回のように、開示を不同意とする場合、その理由や証拠については法律の要件にのっとって記載や添付する方がベターです。
通信会社は、その内容を開示とするか非開示とするかの判断材料の1つにするからです。
ですので、ご自身で対応することもできなくはないですが、発信者情報開示の意見照会書が届いたら、まずは弁護士に相談することをオススメします。