インタビュー | 増田 聡弁護士 ポライト法律事務所

ーー弁護士を志した理由や、その後のキャリアについてお聞きします。

商学部に在籍していた大学時代、ビジネスを学ぶなかで許認可やコンプライアンスなど、法律の重要性を痛感したことがきっかけでした。
その後、法律を深く知ろうとロースクールに進学し、弁護士の世界に足を踏み入れました。

そんな経緯もあり、最初は企業法務系の事務所に入所。
顧問弁護士として、契約書のチェックをはじめとする法務全般に携わりました。


ーー企業法務について、みっちり力をつけたと。

それと同時に、経営者やそのお知り合いから離婚や相続などのご相談もいただき、個人案件も一通り経験しました。
悩み解決のお手伝いをさせていただくと、みなさんとても喜んでくださったんです。

個人の方々を支えることにも大きなやりがいを感じるようになり、今度は一般事件を多く扱う事務所に移籍しました。

さらにその後、大手金融機関の企業内弁護士を務めることになります。
これも非常にいい経験になりました。
お金を貸す側の視点を知ることができ、債務整理や債権回収の知識やノウハウを身につけられたからです。

ーーそして満を持して独立し、現事務所を開業されました。

当事務所は、門前仲町駅から徒歩3分の場所にあります。
江東区をはじめとする都内のほか、私の地元でもある千葉県などからも多くのご相談をいただいています。

家事事件や一般民事、企業法務と幅広く扱っていますが、今最も力を入れているのが詐欺・消費者被害の問題です。

オレオレ詐欺、金融・投資詐欺、架空請求詐欺、出会い系詐欺。
そういったトラブルが相次いでおり、件数、被害額とも増加しています。
少しでもお金を回収し、元気を出していただきたい。
そんな思いで今、力を入れて取り組んでいるんです。


ーー実際、お金は返ってくるものなんですか？

決して簡単ではありませんが、回収できる可能性は十分あります。

仮にだまされた相手から直接回収できなくても、別の手段があります。
たとえば、クレジットカードや決済代行会社に対してアプローチする手もあるんです。

どんな手段を取れば回収できるか。
あの手この手を駆使して、全力で返金のお手伝いをさせていただいています。


ーーぜひうまく回収できた事例を教えてください。

FX（外国為替証拠金取引）投資でだまし取られたお金を回収できた事案があります。

指定された銀行口座に入金したものの一向に返ってこず、それが詐欺に使われたとして凍結されていたんです。
ただ、裁判所を通していち早く仮差し押さえの手続きを取ったことで、口座に残っていた数百万円を全額、依頼者さまの手に渡すことができました。

ほかにも、競馬予想詐欺に遭った方からご相談いただいたこともありました。


ーー競馬予想詐欺とは、どんな手口の詐欺なんですか？

「絶対に勝てる馬を教える」といった誘い文句で、情報料などの名目でお金をだまし取る詐欺のことです。

このときは、弁護士会照会制度がカギを握りました。
弁護士会が官公庁や企業などに対して必要事項を調査・照会する制度のことです。
それによってだました相手を特定し、返金を確約させたんです。

ーー詐欺被害は後を絶たず、手口も巧妙化しているように思います。

最近はその被害救済を、どうやら司法書士に頼むケースも多いようです。
弁護士と比べると、費用が安いという判断からなのかもしれません。

ぜひ強調したいのは、そうではなく真っ先に弁護士を頼っていただきたいということです。
弁護士会照会をはじめ、回収の手がかりをつかむための調査手段をたくさん持っており、訴訟や強制執行まで一貫してサポートできるからです。

私が詐欺被害と並んで得意としている、債権回収もそうです。
友人や知人間のお金の貸し借り、売掛金や請負代金、不動産賃料など、証拠資料が少ない困難な案件でも対応可能です。

それができるのは、かつて金融機関に勤めていたからでもあります。
多くの債権回収に携わり、回収のノウハウや手段を熟知しています。
1日でも早くお金を取り戻すお手伝いができるはずです。


ーー先ほど「弁護士費用」について触れていましたが、そこにもこだわっているとお聞きしました。

腰を低く、敷居を低く、費用を低く。
私は、この「3つの低く」をモットーにしています。

とくに3つ目の費用については、当事務所はホームページなどで「業界最安級」と掲げています。
経費削減の鬼となり、弁護活動に関係のない経費は徹底的に削減するようにしているんです。

もともと、節約は趣味でもあるんですよ。
好きなブランドは、『無印良品』とドン・キホーテのプライベートブランド『情熱価格』。
お買い得な商品を探すことが楽しいんですよね。

もちろん、だからといって仕事の手を抜くことは一切しません。
リーズナブルでありつつ、質の高いリーガルサービスを提供すること。
それが私の譲れない信念なんです。

ーーご自身が考える「いい弁護士」の条件は、ズバリ何でしょうか？

一人ひとりの依頼者さまと真剣に向き合い、親身になって寄り添う弁護士です。
立派な経歴や実績、資格など以上に、それが重要だと考えています。

そう思うようになったのは、26歳のときに大腸ガンを患ったことがきっかけでした。
そのとき担当してくれた主治医は、消化器外科の担当医では2番目くらいに若い先生で、決して豊富な手術の実績があったわけではありません。

ただ、私の知る限り、病院内で最も患者と密にコミュニケーションを取っていらっしゃいました。
勤務日は最低でも朝晩の2回、どんなに忙しくても必ず一人ひとりの患者に体の状態を聞いたり、検査結果や治療の方針について丁寧に説明したりしていたんです。

正直、最初は若い先生に診てもらうことに不安もあったんです。
ただ、最後は安心して手術を任せることができました。


ーーその主治医のように、依頼者を大切にする。そういう思いが強くあるんですね。

たとえば「LINE」での無料相談も行っているのも、いつでも気軽にご相談いただきたいからなんです。

今、全国各地からSOSの知らせが届いています。
私がそのままご依頼をお受けすることもありますが、遠方の場合には「近所の法律事務所に相談したほうがいいですよ」などとアドバイスすることも少なくありません。

すべては、できるだけ早く問題を解決し、その後の人生を安心して、楽しく過ごしていただきたいからです。
私自身がガンを患ったことからも、その思いがひときわ強くあります。


ーー身に染みるような、重みのある言葉とメッセージです。

ガンが判明したのは、司法試験の合格発表を待っていた時期。
まさに青天の霹靂（へきれき）でした。

ただ、治療の最中に合格したことがわかったんです。
「これから弁護士としてやっていくんだ」と、一気に気持ちが前向きに切り替わりました。
手術と抗ガン剤治療を経て、今は再発の兆候も見られず日常生活を送ることができています。
大好きなカレー屋巡りも、インド、タイ、日本、欧風と年間150食以上は食べていますからね。

今、悩みを抱えている方々も、それを乗り越えれば明るい未来が待っているーー。
ぜひそうお伝えしたいですし、そのためにひとりでも多くの依頼者さまをこの手で支えていく覚悟です。