離婚届の証人は誰に依頼する?証人になる条件や役割、代行の依頼先も紹介

#離婚・男女問題
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離婚届の証人は誰に依頼する?証人になる条件や役割、代行の依頼先も紹介

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髙橋 祥徳 弁護士(福岡県)

福岡県 / 福岡市中央区

福岡わかたけ法律事務所

「離婚届に証人が2人必要だと知り、誰に頼めばいいのか分からず手続きが進められない」

「証人を頼まれたものの、あとで慰謝料や養育費を肩代わりさせられるのではないかと不安で、引き受けてよいものか迷っている」

離婚届の証人欄が埋まらないままでは、夫婦の間で離婚の合意ができていても届出は受理されず、離婚は成立しません。

この記事では、離婚届の証人になれる人の条件、証人が不要になるケース、証人に法的な責任が生じるのかどうか、頼める人がいないときの対処法について説明します。

証人にはどこまでの役割があり、どこからは関係がないのかを正しく理解しておけば、頼む相手の候補は思っているよりも広く、頼めない場合の選択肢も用意されていることが分かります。

離婚手続きを確実に進め、新しい生活に向けて動き出しましょう。

協議離婚の届出に必要な証人とは

離婚届の証人とは、夫婦が話し合いで離婚することを決めた際に、その届出に立ち会う立場として離婚届に署名する第三者のことです。

夫婦の話し合いによる離婚、いわゆる協議離婚では、離婚届に成年の証人2人以上の署名が必要です。

証人が1人しかいない状態や、証人欄が空欄のままの離婚届は、市区町村の窓口で受理されません。

証人に期待されている役割

証人に期待されている役割は、夫婦が本当に離婚する意思を持って届け出をしていることを、第三者の立場から裏づけることにあります。

離婚届は、夫婦のどちらか一方が窓口に持っていけば受理されるため、当事者が勝手に届け出るような事態を抑えるため、当事者以外の人が署名する形式になっています。

なお、離婚届の証人と、各種契約における保証人とは、目的も効果も別のものです。

保証人は、主たる債務者が支払わなかった場合に代わりに支払う義務を負いますが、離婚届の証人にはそのような義務は生じません。

離婚届の証人の目的

届出が当事者の意思に基づくことを裏づける

金銭的な負担

生じない

慰謝料・養育費との関係

支払いに関与しない

署名後に続く義務

署名した時点で役割は終わる

証人を頼むときは、相手に金銭的な負担が発生しないこと、署名した時点で役割が終わることを最初に説明すると、話がスムーズに進みやすくなります。

離婚の内容や条件に責任を持つ立場ではない

証人は、離婚の条件が公平かどうかを判断する立場にありません。

親権者の指定、養育費の金額、財産分与の内容などは当事者が決めることであり、証人が同意したり承認したりする仕組みにはなっていません。

あとから離婚条件をめぐって争いが起きたとしても、証人がその当事者になることはありません。

仮に、離婚後にどちらかから相談を持ちかけられたとしても、証人という立場に基づく義務があるわけではありません。

夫側・妻側から1人ずつ出す決まりはない

証人を夫側から1人、妻側から1人出さなければならない、という決まりはありません。

相手方に頼める人がいない、あるいは相手方と連絡を取りづらいという状況でも、片方の側で2人を確保すれば届出は成立します。

また、証人同士に近い関係があっても差し支えありません。

両親そろって証人になってもらう、夫婦である友人2人に頼む、といった形は問題なく受理されます。

ただし、押印する場合には、同じ姓の2人が同じ印鑑を使うことはできないため、それぞれ別の印鑑を用意してもらう必要があります。

18歳以上で当事者本人でなければ証人になれる

証人になれるのは、届出の時点で18歳以上の人です。

それ以外に職業や資格、国籍等の制限はなく、夫婦との関係性も問われません。

実際に依頼されることが多いのは、次のような人たちです。

  • 夫または妻の父母
  • 夫または妻の兄弟姉妹
  • おじ・おば・いとこなどの親族
  • 事情を知っている友人
  • 職場の上司や同僚
  • 離婚の相談をしていた弁護士や行政書士

親族に知られたくない場合は友人に、友人には話しづらい場合は親族に、というように、事情に応じて選べる余地があります。

また、離婚する夫婦の子どもでも、18歳以上であれば証人になることは可能です。

ただし、両親の離婚に自ら署名するという行為は、子どもにとって心理的な負担が大きい場面でもあります。

本人の気持ちを確かめずに頼むことは避け、ほかに候補がいないかを先に検討することをおすすめします。

再婚予定の相手や交際相手への依頼は控えた方が無難

再婚予定の相手や交際相手であっても、法律上は証人になれますが、法律上できることと、そうしたほうがよいかどうかは別の問題です。

離婚届の証人欄に交際相手の氏名や住所が書かれていれば、その存在が相手方に知られることになります。

別居中の関係が離婚原因として争われている場合や、慰謝料の請求が絡む可能性がある場合には、証人としての署名が相手方に材料を与えてしまうこともあります。

そうした事情があるときは、証人は別の人に頼み、無用な争点を作らないほうが安全です。

調停・審判・訴訟による離婚では証人欄の記入は不要

証人が必要なのは、夫婦の話し合いで離婚する協議離婚の場合だけです。

家庭裁判所が関与して離婚が成立した場合には、離婚届を出す必要はあっても、証人欄を埋める必要はありません。

調停では、調停委員や裁判官が当事者双方から意思を確認したうえで調停調書が作成されるため、第三者が意思を裏づける必要がないからです。

また家庭裁判所が職権で離婚を成立させる審判離婚や、離婚訴訟の判決によって離婚が認められた場合、訴訟の途中で和解が成立した場合、被告が原告の請求を認めた場合のいずれについても同様に、証人は不要になります。

司法による手続きを経て離婚は成立しており、そのあとに提出する離婚届は、戸籍に記載を反映させるための報告的な届出という位置づけになります。

証人が不要でも届出そのものは必要

証人が不要になる場合でも、離婚届の提出が不要になるわけではありません。

調停や裁判で離婚が成立した場合の届出には期限があり、成立または確定の日から10日以内に届け出ることとされています。

この期限を過ぎても離婚が無効になることはありませんが、正当な理由なく遅れた場合には過料が科されることがあります。

裁判所での手続きが終わったら、調停調書の謄本や判決の謄本と確定証明書をそろえて、早めに窓口へ行くようにしてください。

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証人欄に無断で他人の名前を書くのは違法行為

市区町村の窓口は、証人欄に記載された人物に対して署名の真偽を確認する仕組みを持っていないため、無断で書いた離婚届であっても、形式が整っていれば受理されてしまうことがあります。

受理された事実と、その届出が適法であるかどうかは無関係です。

承諾を得ずに他人の名前を証人欄へ記入する行為は、押印の有無を問わず他人名義の文書を無断で作成することにあたるため、有印私文書偽造罪に問われます(刑法159条)。

さらに、虚偽の内容が記載された離婚届が受理されて戸籍に反映された場合には、公の帳簿に事実と異なる記載をさせたという別の犯罪にあたります。

離婚そのものの効力にも影響する可能性も

証人欄の署名が偽造だったという事情だけで、直ちに離婚が無効になるわけではありません。

ただし、証人欄の偽造は、そもそも一方が勝手に届出をしたのではないかという疑いを呼び込みます。

一方の配偶者に離婚の意思がないまま届出がされた場合には、離婚の無効を確認する手続きを家庭裁判所に申し立てることができます。

無効が認められれば婚姻関係が復活することになり、その後の再婚や戸籍の記載にも影響が及びます。

証人欄を無断で埋めたことが、離婚全体をやり直す事態の引き金になりうる、ということです。

相手や証人本人から責任を追及される可能性も

無断で証人欄を埋めた場合、名義を使われた本人からは、無断使用について刑事的な申告や損害賠償を請求される可能性があります。

配偶者からは、意思に反する届出をされたことについて、精神的損害の賠償を求められる可能性があります。

証人が見つからない状況は確かに切実ですが、これらのリスクに見合う解決策ではありません。

次の見出しで説明するとおり、誰にも頼めない場合には証人代行サービスを利用するなど手段は用意されています。

離婚届の証人を頼める人がいない場合の対処法

離婚することを人に知られたくない、親とは疎遠で頼めない、友人にこの話をするのは気が重い。

証人が見つからない理由は人それぞれですが、いずれの場合にも取りうる選択肢があります。

証人代行サービスを利用する

知り合いには頼みたくない、あるいは頼める人がいないという場合には、離婚届の証人代行サービスを利用する方法があります。

行政書士などが運営していることが多く、依頼を受けて証人欄に署名し、郵送で返送してくれる仕組みです。

依頼する前に次の点を確認しておくと安心です。

  • 証人2人分の総額はいくらか(1人あたりの表示か2人分の表示か)
  • 郵送料や返送料が別途かかるか
  • 返送までにどれくらいの日数がかかるか
  • 運営者が誰か(氏名・事務所名・所在地が明示されているか)
  • 依頼者の情報をどのように取り扱うと定めているか

証人欄には署名した人の実在する氏名・住所・本籍が記入されます。

運営者の情報が不明確なサービスや、極端に安価な料金を掲げているサービスでは、記載内容の正確性に不安が残ります。

特定商取引法に基づく表示や事務所の所在地が確認できるかどうかを、選ぶ際の目安にしてください。

代理人弁護士に依頼する

離婚について弁護士に相談している場合には、その弁護士に証人を引き受けてもらえないか相談する方法もあります。

すでに事情を把握しているため、あらためて説明する手間がかかりません。

離婚協議書の作成や公正証書の手続きとあわせて依頼できることも、実務上の利点です。

ただし、証人を引き受けるかどうかは事務所ごとの方針によって異なり、対応していない場合もあります。

また、代理人としてついている弁護士が証人になることが適切かどうかは、事案によって判断が分かれる部分でもあります。

まずは依頼中の弁護士に、証人を引き受けてもらえるかどうかを確認するところから始めてください。

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離婚届の証人に関する法律Q&A

ここからは、ココナラ法律相談の「おしえて!法律Q&A」に寄せられた、離婚届の証人に関する実際のお悩みと、弁護士による回答の概要をご紹介します。

離婚届の証人については、証人欄の無断代筆と偽造罪の成否と、勝手に出された離婚届の無効主張と、離婚届が受理されたかどうかの確認方法のような相談が寄せられています。

離婚届の証人欄を無断で代筆されたら、偽造罪になりますか?

【質問】

知人の配偶者が離婚届を提出した際、証人欄に自分の母親と義理の兄の氏名を、本人たちの承諾を得ないまま書き、あわせて印鑑も押していたと聞きました。役所には事前に連絡していたにもかかわらず受理されたとのことです。これは偽造にあたるのでしょうか。名前を使われた側から責任を追及したり、慰謝料を請求したりすることはできますでしょうか。

【回答】

他人の氏名を無断で証人欄に記入する行為は、私文書偽造の罪や、公の帳簿に事実と異なる記載をさせた罪に該当する可能性があると考えられます。もっとも、名前を書かれた本人があとから承諾していた場合には、問題として扱われないこともあります。名義を無断で使われた本人の側からは、精神的な損害について賠償を求める余地があると考えられますので、事実関係を整理したうえで弁護士に相談されるとよいでしょう。

参考:離婚届の承認欄を代筆し、適当な印鑑を押していると本人から聞いたみたいなのですが。

別居中に配偶者が勝手に離婚届を提出していました。無効を主張できますか?

【質問】

5年ほど別居しており、こちらから何度も離婚を求めてきましたが、元配偶者は応じませんでした。別居の際、離婚届は私が記入して置いてきましたが、先日突然、離婚届を出したと連絡がありました。調べてみると、私の現住所を調べたうえで誰かに離婚届を代筆させて提出され、氏の変更届まで無断で出されていました。元配偶者はその後、新しい女性と婚姻しています。この離婚は不当だと役所に訴えることはできますでしょうか。裁判になる場合、どこの裁判所に申し立てることになるのかも知りたいです。

【回答】

離婚の無効を主張するには、役所へ申し出るのではなく、家庭裁判所での離婚無効確認の調停や訴訟による必要があると考えられます。ただし、無効が認められると婚姻関係が復活することになります。元配偶者がすでに再婚している場合、前の婚姻が復活することで後の婚姻が重婚の状態となり、取り消しの対象となる点にも注意が必要です。申立先は相手方の住所地を管轄する裁判所が基本となりますので、望む結果を整理したうえで進められるとよいでしょう。

参考:離婚したく別居、数年後勝手に離婚届出された。

離婚届が本当に提出されたかどうかは、どう確認すればよいですか?

【質問】

弁護士を通じて離婚届を郵送しました。その後、配偶者のSNSの表示が変わったことから、離婚届が実際に提出されたのかどうかが気になっています。提出されたら通知が届くものなのでしょうか。それとも、提出されないまま相手の手元に置かれている可能性もあるのでしょうか。

【回答】

届出に立ち会っていない当事者には、離婚届が受理されると、おおむね1週間から10日前後で受理の通知が書面で届くのが一般的とされています。本籍地以外の市区町村に提出された場合には、通知までにもう少し時間がかかることがあります。より確実に確認する方法としては、ご自身の戸籍を取得して、離婚の記載がされているかどうかを確かめる方法があると考えられます。

参考:離婚届を提出したら、離婚したという通知が来るのでしょうか?

離婚問題ついて弁護士に相談するメリット

ここでは、離婚問題について弁護士に相談するメリットを説明します。

離婚届を出す前に決めておくべき条件を確認できる

離婚届が受理されると、その時点で離婚は成立します。

しかし、慰謝料、財産分与、養育費、面会交流といった条件が決まっていない状態で届出をしてしまうと、離婚後に相手方と交渉しなければならなくなります。

相手方が連絡に応じなくなり、話が進まなくなる例も少なくありません。

弁護士に相談すれば、届出の前に決めておくべき条件を洗い出し、書面の形に落とし込むところまで進められます。

特に養育費のように長期間にわたる支払いについては、強制執行が可能な公正証書にしておくことで、後の回収可能性が変わってきます。

証人を探すタイミングは、こうした最終的な条件面を点検する機会としても適しています。

無断で離婚届を出された場合の対応を相談できる

自分の知らないうちに離婚届が提出されていた、あるいは自分の名前が証人欄に無断で書かれていたという場合、対応は複数の方向に分かれます。

離婚の効力を争うのか、損害賠償を求めるのか、刑事的な申告を検討するのか、それぞれ手続きも見通しも異なります。

どの方向を選ぶかによって、その後の戸籍の扱いや再婚の可否にも影響が及びます。

弁護士に相談すれば、事実関係を踏まえて取りうる手段を整理し、望む結果に近い方法を選ぶことができます。

なお、まだ離婚届が出されていない段階であれば、市区町村に離婚届の不受理申出をしておくことで、勝手に届出をされることを防げます。

この申出をいつ行うべきかについても、相談のなかで判断できます。

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弁護士に依頼することで期待できるのは、手続きの代行だけではありません。

自分では気づかなかった論点を指摘してもらえること、相手方との連絡を任せられること、決めた内容を後から実現できる形の書面にしてもらえることが、実際の負担を大きく減らします。

離婚届を出したあとに条件を交渉し直すのは難しいため、届出の前に相談しておくとよいでしょう。

ココナラ法律相談では、離婚問題を取り扱う弁護士を、地域や相談したい内容から探すことができます。

初回相談を無料としている事務所や、オンラインでの相談に対応している事務所も掲載されており、都合に合わせて相談先を選べます。

掲載されている弁護士のプロフィールでは、取扱分野や相談の進め方を確認したうえで問い合わせができます。

納得できる形で新しい生活へ進むために、専門家の力を活用してください。


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