【事務所の事例】離婚に伴う財産分与について、自宅不動産の特有持分が認められた事例
桝井 楓
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
Aさんは夫の暴力を原因として子どもたちを連れて別居し、離婚調停の申立てを行いました。調停では離婚については合意できたものの、財産分与について折り合いがつかず、離婚調停は不成立で終わりました。
その後、協議で離婚だけは成立したものの、調停外での協議では財産分与に関しての取り決めについては合意ができませんでした。Aさんは従前の調停では合意ができなかったことから、調停以外の手続きをとる必要があると考え、弁護士に相談することにしました。
【相談後】
財産分与の対象となる財産を整理するうえで、当初、夫側は、自宅不動産はオーバーローンであるとして財産分与の対象外であるとの主張をしていました。夫側は当該不動産の価値について、固定資産評価額を基準にしていたので、まず、当方としては、不動産の簡易査定を取得し、オーバーローンには至っていなことを認めさせました。
そのうえで、当該不動産を購入するに当たっては、Aさんのご両親から頭金を援助してもらっていたため、その分については特有財産の主張をし、最終的にはその主張が認められました。
【弁護士からのコメント】
離婚に伴う財産分与において、自宅不動産の評価は、現在の価値から現時点のローンの残額を控除した価額とします。そして、オーバーローンの場合は、当該不動産はゼロ(無価値)、すなわち財産分与の対象外として整理されます。
本件においては、夫側は当初、不動産の価値について固定資産評価額を基準にオーバーローンであるとの主張をしていましたが、一般的に固定資産評価額は、市場価額よりも低額であるため、当方としては市場価額での主張をする必要がありました。正式な鑑定等を行えば費用がかかってしまいますが、不動産屋の簡易査定を出してもらうことが多いです。
また、不動産購入に当たって、Aさんのご両親が拠出した頭金分については、夫婦に対する贈与と考えられることもあるのですが(その場合、特有財産部分は認められません)、本件においては、Aさんのご両親が娘であるAさんの心情を慮って拠出してくれた事情を丁寧に主張することで、最終的にはAさんの特有財産部分が認められました。