職を失い200万円の借金が返済できなくなってしまったが、裁判の訴状も無視してしまった
守屋 典
弁護士
【ご相談内容】【1.ご依頼】
当初、方法を限定せず債務整理のご依頼を頂きました。
借金の総額が多いとはいえないこと、支払をやめてしまった頃と違って現在は少ないながらも継続的に収入があったことから、個々の債権者と交渉・和解して支払額を決める、任意整理手続をとることにしました。
【2.費用のご用意】
着手金等については一括でのご用意が困難でしたので、月々3万円(税別)の分割払いで支払っていただくことにしました。
【3.破産申立の準備】
ご依頼後、速やかに各債権者に受任通知を発送しました。これにより、各債権者からの請求がすべて停止し、各債権者から取引明細を開示してもらいます。
もっとも、取引明細が届くまでには1、2ヶ月程度かかります。
その間に、およその返済プランを立てます。
現在の収入がどれくらいか、そのうち生活に必要なお金がどれくらいかを、給与明細や預金通帳、その他請求書等を確認して検討しました。
そして、無理なく確実に返済に回せる金額を算出しました。
【4.各債権者との交渉】
開示された取引明細と上述の返済プランをつき合わせて、現実的に支払が可能かを検討しました。
支払がなされていない5、6年間に、裁判所を利用した請求を一切していない債権者がいました。
この債務者に対しては、時効により債務が消滅したことを主張できます。
これにより、借金を約60万円減らすことができました。
もっとも、他の債権者からは、5、6年の間に裁判を起こされ、判決をとられていました。
これらについては、元金自体は決して多くなかったものの、遅延損害金が膨らんでいる状況でした。
そこで、各債権者に毎月現実に返済できる金額を提示し、返済回数等についても交渉しました。
その結果、いずれの債権者も、将来の遅延損害金に加え、これまでに発生した遅延損害金の一部を減額することに合意いただきました。
返済回数等については、各債権者の事情により多少の差はありましたが、概ね3年程度の間に毎月の分割払いを続けていくことになりました。
その後、各債権者との間で和解契約書を交わし、任意整理手続を終了しました。
【5.結果】
時効の援用や交渉によって借金が半分程度にまで減りました。
加えて、今後は遅延損害金が発生しないため、少しずつでも確実に完済に近づいていくことができます。
【6.ご依頼の背景】
依頼者は、職を失って借金の返済ができなくなってから、毎月の請求書を見るのが怖くなり借金から目を背けてきたようでした。
お気持ちはわかりますが、目を背けても借金がなくなるわけではなく、むしろ遅延損害金がどんどん膨らんでしまいます。
任意整理により遅延損害金が膨らむのを止めるだけでも、長い目で見れば大きな効果があります。確実に借金を減らせるので気持ちもずっと楽でしょう。