福岡県 / 福岡市中央区
福岡わかたけ法律事務所
「ダブル不倫が相手の配偶者にバレてしまった」
「高額な慰謝料を請求されているが、自分の妻(夫)には絶対に知られたくない」
既婚者同士の間で発生する不倫関係、いわゆる「ダブル不倫」は、双方の夫婦がそれぞれ当事者となるため、関係者が4人に及び、通常の不倫問題と比較してもその解決への難易度が極めて高くなるという特徴があります。
このような複雑な状況下において、法的なリスクを考慮せずに安易に示談に応じてしまうと、一度は相手方に支払ったはずの慰謝料が、後から「求償権」という法的な権利の行使によって、最終的に自身へと跳ね返ってきてしまう大きなリスクも潜んでいます。
そこでこの記事では、ダブル不倫特有の複雑な慰謝料の仕組みをはじめ、慰謝料請求のプロセスにおける注意すべきリスクや、泥沼化を防いで家庭を守るための最適な和解の進め方について解説します。
ダブル不倫によるトラブルの長期化を防ぎ、日常を守るための具体的な解決策を見つけていただければ幸いです。

ダブル不倫とは、不倫関係にある男女の双方が既婚者である状態を指します。関係性を整理するために、以下の当事者を定義して解説します。
夫婦A:夫A(※)|妻A
夫婦B:妻B(※)|夫B
(※不倫関係にあるのは夫Aと妻Bと仮定します)
通常の不倫は3人(夫婦A・妻Bなど)の問題ですが、ダブル不倫は4人(夫婦A・夫婦B)が絡む問題となります。
不倫をした妻Bに妻Aが慰謝料を請求できる一方で、夫Bもまた不倫をした夫Aに対して慰謝料を請求する権利を持つため、仮に妻Bが妻Aに慰謝料を支払っても、夫Bが夫Aに同程度の金額を請求すれば、ただお金が移動しただけで、互いに金銭的メリットが得られない状態になります。
どちらも同程度の金額になる場合は、後述しますが、双方の夫婦間で和解し「お互いに慰謝料は支払わない(ゼロ和解)」という結論になることもめずらしくありません。

ダブル不倫の慰謝料相場は、一般的に50万円〜300万円程度です。相手の家庭への影響度合いにより、慰謝料の相場は増減します。
また、相手夫婦の結婚期間が長い場合や、不倫期間が数年に及ぶ場合、また幼い子供がいる家庭を壊した場合は、精神的苦痛が大きいと判断され、慰謝料が増額される傾向にあります。
さらに、「どちらが先に誘ったか」も重要なポイントとなります。
仮に夫Aが上司で妻Bが部下の場合や、夫Aが執拗に誘い続けた事実がある場合、夫Aの責任割合(負担すべき金額)が重くなることがあります。

ダブル不倫が事実であっても、法的に慰謝料の支払義務が生じない、あるいは大幅に減額されるケースがあります。
不貞行為が開始されるよりも前に、すでにその家庭環境が完全に冷え切っており、夫婦間での別居生活が始まっていたり、あるいは離婚に向けた具体的な協議が進められていたりする場合、法的な観点から「守るべき婚姻生活の平穏」が既に失われていると判断されることになります。
このように、法的に保護すべき婚姻生活の平穏がすでに損なわれている状況下においては、その後に不貞行為が行われたとしても、相手方からの慰謝料請求は法的に認められない可能性が高いといえます。
不倫相手から「独身である」「離婚成立済みである」と騙されており、それを信じたことに落ち度(過失)がない場合、不貞行為に対する法的責任は問われません。
これは、性的関係を持つ相手を自らの自由な意思によって決める権利である「貞操権」が侵害されたとみなされるためです。
社会通念上、相手が既婚者だと知っていれば交際しないため、騙されて肉体関係を持たされた場合は「貞操権の侵害」として、逆に相手に対して慰謝料を請求できることもあります。
ただし、既婚者だと発覚した後も交際を続けた場合は、不貞行為を認識している状態となり、自身にも不倫に対する責任が生まれるため、貞操権侵害による慰謝料請求は難しくなります。
法的な意味における不貞行為とは、原則として「肉体関係(性交渉)」の存在を指します。
そのため、単に二人きりで食事をした、あるいはLINEなどのメッセージツールで親密なやり取りを重ねていたという事実があるだけでは、法的な責任を追及して慰謝料が発生するほどの不法行為とは認められないのが一般的です。
したがって、不倫トラブルにおいて相手方に慰謝料を請求する場合、または不当な請求を拒む場合には、この法的な不貞行為に該当する肉体関係があったことを客観的に証明できるかどうかが極めて重要な判断基準となります。

ダブル不倫の慰謝料請求におけるトラブルを解決する際、以下のリスクをどう処理するかが重要です。
例えば、妻Aが不倫相手である妻Bに慰謝料を請求した場合、これを知った夫Bが、怒りの矛先を夫Aに向け、夫Aに対して慰謝料を請求する可能性があります。これが反対請求です。
妻Aが不倫の慰謝料請求をしている以上、夫Aが「自分は不倫をしていない」と反対請求を拒むことは困難です。
また、夫婦Bだけが離婚し、夫婦Aは離婚しない場合などは、請求額より支払額の方が高くなる逆転現象が起きるリスクもあります。
ダブル不倫のトラブルにおいて、それぞれの夫婦間で発生する慰謝料の金額が同程度になる場合、最も合理的でリスクが低い解決手段となるのが「ゼロ和解」です。
これは、双方が互いに慰謝料請求を行わないことで合意し、金銭のやり取りを一切発生させずに問題を解決する方法を指します。
ゼロ和解を選択すれば、無駄な家計からの流出を防ぐことができるだけでなく、不倫の事実が家庭内や周囲へと露呈するリスクを最小限に抑え、日常を守ることが可能となります。
不倫をした夫Aが夫Bに慰謝料を支払った場合、夫Aは不倫相手の妻Bに対して自分の負担分を請求する権利(求償権)を持ちます。
しかし、この権利を行使すると、夫婦Bの家庭内で不倫の事実が強調され、夫Bが報復として不倫の事実を知らない妻Aに全てをバラしたり、さらなる請求を重ねたりするリスクが非常に高いです。
自身の家庭を守り、不倫の事実をまだ知らない妻Aに問題が発覚してバレることを防ぎながら解決したい場合は、求償権を放棄する選択が非常に有効な手段となります。
あらかじめ求償権の放棄を受け入れ、これ以上問題を大きくしないという姿勢を不倫相手やその配偶者に対して示すことで、感情的な対立を防ぎ、穏便な解決へと導くことができます。
安全にトラブルを終結させるためにも、互いに求償権を放棄する旨を合意書(示談書)などの書面にしっかりと盛り込み、配偶者への発覚の可能性を未然に防ぐことが重要です。
ただ、もしすでに現在の配偶者との離婚を検討しているような状況であれば、身内への発覚を恐れる必要性が低くなるため、経済的な負担を軽減させるなど金銭的メリットを最優先に、求償権を放棄せず、不倫相手に対して自らの権利を徹底的に行使して負担分を請求するという手段を選択することも十分に可能です。

ダブル不倫の解決の方向性が決まったら、双方が合意した内容は必ず書面(合意書や示談書)に残しましょう。
口約束だけで終わらせてしまうと、後から蒸し返され、慰謝料の追加請求などのトラブルが再燃するリスクがあります。
安全にトラブルを終結させるため、合意書には以下のような重要条項を盛り込みましょう。
接触禁止条項 |
不倫関係にある2人が、今後一切の連絡や面会を行わないことを約束します。万が一違反した場合のペナルティ(違約金)を設定しておくことで、再発防止につながります。 |
守秘義務条項 |
不倫の事実や示談の内容を、第三者(家族、職場、友人、SNSなど)に一切口外しないことを誓約させます。 |
求償権の放棄 |
互いに求償権を放棄することを約束し、配偶者への発覚の可能性を防ぎます。 |
清算条項 |
この合意書に書かれていること以外、お互いに何の権利義務も存在しない(追加請求は一切しない)という確認です。 これにより、事後的に条件を覆されるリスクをなくします。 |

ここからは、ココナラ法律相談の「おしえて!法律Q&A」に寄せられた、ダブル不倫に関する実際のお悩みと、弁護士による回答の概要をご紹介します。
ダブル不倫のトラブルでは、相手方から過剰な接触を受けたり、嫌がらせなどの被害に発展したりと、問題が複雑化するケースも少なくありません。
状況によって適切な対応や法的判断は異なるため、一人で悩みを抱え込まず、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することが、スムーズな解決につながりやすくなります。
|
【質問】 ダブル不倫関係にあり、不倫相手の奥様から過剰な接触や質問への回答を求められ困惑しています。まだ慰謝料などの具体的な請求は受けていませんが、現段階で弁護士に依頼すべきか教えてほしいです。 |
|
【回答】 相手方の行動は行き過ぎているため、弁護士への依頼をおすすめします。弁護士が窓口になれば直接の連絡を避けられ、精神的な負担が軽減されるでしょう。今後請求される可能性もあるため、無料相談の活用をご検討ください。 |
参考:「ダブル不倫の解決方法」
|
【質問】 社内でのダブル不倫が夫に発覚し離婚予定です。その後、不倫相手から突然別れを告げられ、納得がいかない状況です。交際中の無断での動画撮影やパワハラまがいの言動などについて、相手に法的責任を問えるか悩んでいます。 |
|
【回答】 無断撮影は違法であり、相手に対する慰謝料請求が認められる可能性があります。一方、社内での性行為などは就業規則違反に問われるものの、会社に報告すると名誉毀損等になる恐れがあるため注意が必要です。 |
参考:「W不倫当事者同士のでのトラブル」
|
【質問】 ダブル不倫の慰謝料を不倫相手側に支払い解決していました。その後、自身の配偶者にも不倫の事実を知られたことで、支払った分を不倫相手側に請求したいと考えています。公正証書の作成や弁護士に依頼するタイミングについても教えてください。 |
|
【回答】 誓約書でも金銭の請求は可能ですが、強制執行を視野に入れる場合は公正証書が有効となります。相手と直接やり取りする負担を減らし、拒否された場合も法的に交渉できるため、初めから弁護士への依頼もご検討ください。 |
参考:「ダブル不倫 慰謝料請求」

ここまで解説してきたように、ダブル不倫の解決には法的知識と交渉スキルが求められます。
当事者同士で直接話し合うと感情的な対立を生みやすく、トラブルが長期化してしまう可能性もあるでしょう。
ダブル不倫について、早期に弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得られます。
弁護士が代理人として交渉の窓口になることで、相手方から行動を起こされるリスクを法的に制止できます。
これにより、相手方と直接やり取りする精神的な負担が軽減されるとともに、自身の配偶者に不倫の事実を知られずに解決できる可能性が高まります。
弁護士が双方の夫婦の経済状況や家庭の事情を客観的に分析し、反対請求や求償権の相殺といった複雑な法規を考慮した上で、最適な解決が見込まれる方法へと冷静に交渉を主導します。
互いに金銭のやり取りを発生させないゼロ和解による家計の流出防止や、配偶者への発覚を防ぐための求償権の放棄など、それぞれの家庭環境や目的に応じた最も合理的でリスクの低い解決手段を選択し、有利な条件での合意を目指すことが可能となります。
弁護士が法的な抜け穴がないように合意書を作成するため、口約束による「言った・言わない」の争いや、将来的なトラブルの再燃を防ぐことができます。
今後一切の連絡や面会を禁じて違反時の違約金を定める接触禁止条項、家族や職場、SNSなどへの口外を禁じる守秘義務条項、配偶者への発覚の可能性を防ぐ求償権の放棄、そして事後的に条件を覆されるリスクをなくし追加請求を一切させないための清算条項など、安全にトラブルを終結させるための重要条項を確実に書面に盛り込むことで、将来の安全を確実なものにすることが可能となります。

ダブル不倫による慰謝料請求には、通常の不倫とは違う複雑なリスクが孕んでいます。
ダブル不倫の問題解決においては、単に法律に詳しいだけでなく、家庭の事情に配慮し、リスクを最小限に抑える交渉術に長けた弁護士を選ぶことが重要です。
ココナラ法律相談では、地域や分野だけでなくフリーワード検索もでき、解決実績が豊富な弁護士をピンポイントで絞り込んで探すことが可能です。
また、弁護士ごとのプロフィールや過去の回答実績、料金プランを一覧で比較できるため、ご自身の状況や予算感に最も合った弁護士を選定できます。
ココナラ法律相談を活用しながら弁護士に相談し、家族の今後を見据えた最善の解決策を模索してください。
福岡県 / 福岡市中央区
福岡わかたけ法律事務所