夫の不貞相手に対し慰謝料請求をし、慰謝料の支払いを受けた後、夫に対し離婚請求をし、マンションの清算等財産分与について有利な条件で離婚協議がまとまった事案
田丸 啓志
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
長期にわたる夫の不貞行為が発覚し、不貞相手に対して慰謝料の請求をしたいというお気持ちがご相談者にはありました。また夫との婚姻関係を継続するかどうするか決めかねているご様子でした。夫とは別居を開始しており、共有財産としてローンの残ったマンションと預貯金がありました。マンションにはご相談者が住んでいて、ローンの支払いを夫がしているようでしたので婚姻費用の支払いは問題ありませんでした。したがって、離婚については一旦保留にして、まずは、不貞相手に対して慰謝料請求をして、その後離婚協議をするかどうかを決めるという方針を立てました。
【相談後】
不貞相手に対する慰謝料請求の委任をいただき、まずは、当職の方で不貞相手の住所調査を実施し、送付先住所を確定させました。また、ご依頼者の方から事実関係を聴き取り、当職の方で文書を作成し、内容証明で不貞相手に対し送付しました。不貞の証拠が盤石というものではありませんでしたので、裁判所の手続は使わず、裁判外の協議までということをご依頼者とは打ち合わせておりました。不貞相手からの応答があり、協議を重ねた結果、不貞行為を認めてもらい、100万円の慰謝料を支払ってもらいました。
不貞相手との協議の間、ご依頼者は離婚をする気持ちを固め、不貞相手に対する慰謝料請求が終結した後、離婚協議の委任もいただきました。不貞相手に対する慰謝料請求において不貞行為の認定はされていますので、離婚協議は有利に進めることができます。夫は不貞をしており、自ら離婚原因を作出していますので、基本的に夫の方から離婚を請求することができないからです。また、不貞に関する書証(不貞相手との間の示談書)がありますので、離婚については裁判手続(調停、訴訟)も念頭に置くことができます。
夫にも代理人弁護士が就き、離婚条件について協議が重ねられました。依頼者はマンションに住み続けること、預貯金の清算、年金分割を希望されていました。マンションの取得を希望される場合、アンダーローンであれば代償金の支払いが大きくなり、実現困難なことが多いです。もっとも、本事案では、不貞行為を確定させていましたので、夫には妻(ご依頼者)に対し、離婚慰謝料や不貞慰謝料の支払義務が生じていました。それらの主張を相手方代理人に対して行い、マンションの取得に伴う代償金の支払いや預貯金の清算において有利な金額の提示を求め、ご依頼者に納得をいただける離婚条件にまで詰めることができました。
【先生のコメント】
男女問題の精神的ストレスは極めて大きいことがあります。ご相談者の中にはそのようなストレスの影響で精神的にまいり、生活や仕事に大きな支障が生じてしまっている方もいらっしゃいます。本事案においても、夫との関係が悪化し、別居開始後、夫の長年にわたる不貞行為が発覚しました。夫との離婚についての話し合いをご自分でもされたようでしたが、夫の不誠実な対応があったようで、相談時から精神的ストレスは大きなものを抱えてらっしゃるようでした。本事案は不貞相手が不貞行為を認めたことがその後の離婚協議にもプラスの影響を与えました。不貞相手に対する慰謝料請求の段階から、ご依頼者の思いや、不安、疑問に思われていることへの回答等にきめ細やかに対応致しました。当事務所ではご依頼後はLINEでのやりとりが可能です。本事案においてもLINEやお電話で緊密なコミュニケーションをとり、ご依頼者の精神的なストレスを少しでも軽減するように努めました。
不貞慰謝料請求が、ご依頼から解決まで約4ヶ月、離婚協議の方が、ご依頼から解決まで約7カ月でありました。約1年間お付き合いをいただきましたが、マンションを守った上で離婚を果たし、人生の再スタートのお手伝いができたこと、良かったものと思います。