不倫慰謝料請求の裁判で逆転勝訴。子ども名義預金のお金を取り戻して離婚成立。
加藤 寛崇
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
依頼者は、妻と婚姻して約16年間過ごし、子どももいました。出張から戻ったら妻が子どもを連れて実家に移っており、その後、離婚調停を申し立ててきました。
同居中、妻は不倫の事実を一度は認めていましたが(録音などはなし)、別居後は否定しました。妻は、別居に際して、子ども名義の預金を全部解約してお金(約200万円)を持ち去られていました。
依頼者がご自分で不倫相手に対して慰謝料請求の裁判をしましたが、一審では不倫の事実が認められませんでした。一審判決で敗訴してからのご依頼となりました。
【相談後】
不倫相手への慰謝料請求事件では、当事者の尋問すら行っておらず不十分な審理だったので、控訴審(高等裁判所)で尋問を求めて実施されました。
最終的に、高裁判決で不倫の事実が認められ、不倫相手に対して慰謝料支払が命じられました。その後、現実の回収もできました。
離婚調停は不成立になっていたので、こちらから離婚請求の訴訟を起こしました。
子ども名義預金以外の財産として、夫婦名義の住宅がありましたが、相当なオーバーローンで依頼者が今後多額のローンを支払っていかなければならない状態でした。
そこで、財産分与の方法として、このような場合にはローンを負担する依頼者側が他の財産を取得すべきだと主張し、裁判所もこれを認める和解案を提示して、最終的に和解で子ども名義預金分のお金は支払われて離婚しました。
【コメント】
本件は、不倫の決定的証拠といえるものがなく、実質的には状況証拠から不倫の事実が認められるかどうかという事案でした。
このようなケースでは裁判官によって評価が異なることもあり、しっかりと不倫の事実が認められる根拠を示すことが重要です。
不倫の事実をうかがわせる一定程度の証拠はご依頼者で確保できていたのが幸いでした。
財産分与は、「婚姻中にできた財産を公平に分ける」制度ですが、現実には、個々のケースによって扱いがまちまちになる問題点がいろいろあります。
子ども名義預金が夫婦のものか子どものものか、オーバーローンの場合の扱いも、そうした問題点の1つです。
ケースごとに適切な方法を主張する必要があります。
本件では、子ども名義預金の原資や扱いの実態で夫婦の財産だと主張しやすい事情もあったので、それらの事情を適切に主張・立証できたことも、有利な判断につながりました。