離婚後も元夫の遺言書は有効ですか?
私は5年前に離婚した中年女性です。
婚姻期間中に、元夫が自筆証書遺言を作成しました。
この遺言書は現在私が保管しており、自筆証書遺言の要件は整っている
かつこの遺言書が最新である前提でご相談します。
「遺言者(元夫)は遺言者の有する一切の財産を遺言者の妻〇〇(私の名前)に相続させる」
という文言なのですが、離婚をしてもこの遺言書は効力がありますか。
先に条文を挙げます。
(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第千二十三条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
今回ご相談のケースでは、民法1023条第2項の規定が問題となります。
遺言書としての有効性はあっても、ご自身に「相続させる」という部分に関しては、
相続人であること、配偶者であることを前提としていますので、遺言後の離婚と抵触するとして、当該部分については撤回したものとみなされる可能性があります。
承知しました。
ありがとうございます。
匿名A弁護士の回答と同意見となります。
なお、養子縁組した者への贈与(遺贈)を遺言に記載した事例で、その後
協議離縁した場合に、当該事案において遺言がなされた際の事情を考慮した上で、その遺言を撤回したものと判断した裁判例が存在し、参考になります。
(最高裁昭和56年11月13日判決)。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54263
もし、仮に、何か事情があり、『離婚したとしてもなお、元夫の意思はあなたに財産を相続させることに変わりはない』という事情があるなら、再度、遺言書を作成してもらい、疑義を払拭しておくのがよいでしょう。
承知しました。
ありがとうございます。
「遺言者(元夫)は遺言者の有する一切の財産を遺言者の妻〇〇(私の名前)に相続させる」
という文言なのですが、離婚をしてもこの遺言書は効力がありますか。
新しい遺言を書かれてしまえば、無効になる可能性があります。
また、新しい遺言が書かれなかったとしても、妻であるあなたに相続させるという内容なので
離婚後は妻でなくなり相続人でもなくなることもあり、無効と解釈される可能性があります。
承知しました。
ありがとうございます。