きた よしひろ
喜多 芳裕弁護士
喜多芳裕法律事務所
近鉄奈良駅
奈良県奈良市中筋町33 喜多ビル
喜多 芳裕弁護士 喜多芳裕法律事務所
40年近い弁護士経験と豊富な文献の知見を活かし不動産、相続、離婚、損害賠償請求などに助言。駐車場有。
相談範囲、受任件数を絞りひとつひとつの事件に時間をかけて丁寧に対応。複雑な論点がある事案や困難な事案にも積極的に取組んでいきます。
どんな弁護士ですか?
- 花と緑が多い事務所で、吹き抜けのステンドグラスの写真です。
当事務所は40年近くにわたり、不動産トラブル(売買契約・賃貸借・境界問題・建築)、相続・遺言、離婚・財産分与、各種の損害賠償請求 などを取り扱ってきました。
今まで数多くの事件に接してきて「もっと早く弁護士の適切な助言を得ていれば結果は違っただろうに。」と思うことが何度もあり、「自分の知識と経験と分析力が困っている方々のお役に立つことがあれば。」との思いでこの仕事を続けています。
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当事務所の理念と姿勢
• 相談範囲、受任件数を絞り、ひとつひとつの事件に時間をかけて丁寧に対応
• 必要に応じて司法書士・税理士などと協力し、総合的に処理
• 「定型的な事件」だけでなく、複雑な論点がある事案や困難な事案にも積極的に取組んでいきます。
複雑な論点がある事案ついては、それぞれの法律の立法趣旨(その法律はどのような目的で設定されたのか)、立法事実(その法律が制定された背景や社会的状況)などを詳細に検討して、妥当な結果を得るよう努力していきます。
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弁護士選びについて
弁護士の仕事は「知識」と「判断力」、「交渉力」」などを総合することが必要です。
適切に対応するためには「人は何故そのような行動をとるのか」ということを理解しなければならず、そのためには「知識」のみでは解決できるものではなく、「数多くの人と接して、いろんな人の考え方を見てきた。」という「人生経験」が必要ですが、経験年数だけではその事案に適切に対応できるとは限りません。
大切なのは、
• 探求心
• 知識を総合した判断力
• 事件処理に対する意欲と交渉力(説得力)
です。
弁護士が依頼を受ける事件には、「どの弁護士が処理しても結果がさほど変わらないと思われる事件。」と「弁護士によって考えている論点が異なり、対処方法が異なるため、弁護士によって結果が異なってくる可能性がある事件。」があります。
「どんな事件でも対応しますのでお任せください。」という弁護士を探すのか、「自分の興味がある狭い分野を長く探求している弁護士を探すのか。」というのはあなたの判断です。
最新の法的知識を豊富に持ちキビキビ動いてくれる若い弁護士が適切な事案もありますし、人生経験豊富な弁護士の総合的な判断力と熟達した交渉力が必要な事案もあるでしょう。
初めて弁護士に依頼する方には、何人かの弁護士に相談してセカンドオピニオンを得ることをお勧めします。
何人かの弁護士に相談してそれぞれの弁護士の話を聞き、ご自分に最も適している弁護士を探してください。
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取り扱い分野と実績
不動産事件
• 売買契約解除、損害賠償、所有権確認
• 売買契約の債務不履行による損害賠償請求で数千万円を回収
• 売買契約の債務不履行による損害賠償請求で数千万円の請求を棄却させる
• 売買契約における宅建士の重要事項説明違反で数千万円の損害賠償請求
• 仲介業者の不当な仲介料請求を棄却させる
• 抵当権付不動産の売買交渉や詐害行為取消による取戻し
• 境界確定訴訟で依頼人所有を認めさせた事例
• 地籍調査の結果で確定した公図を正しい境界線に訂正させる
• 建建築工事請負契約で数千万円の工事代金を回収
• 建築工事請負契約で数千万円の請求を棄却させる
• 市長の不当な行政指導による工事中止勧告に対して、不当な行政指導はやめるよう勧告して、マンション建築を完成させる
• 数億円の不動産の所有権移転登記の詐害行為取消訴訟
• 土地所有権の時効取得
• 地盤沈下、擁壁、建物朽廃などの事件につき工学的知見を取り入れた事件解決
賃貸借事件
• 賃料増減額・立退交渉(ただし立退は賃借人に配慮して円満な解決を図る)
• 不合理な賃料鑑定を覆し、高裁で減額ゼロ判決を獲得
• 明渡し後の原状回復義務を履行しない賃借人に対する損害賠償請求
損害賠償/保証債務事件
• 債務不履行・不当利得・不法行為の請求
• 連帯保証人になっていないのに印鑑証明書を理由になされた数千万円の請求を棄却させる
• 不当仮差押に対する保全異議請求
• 金融機関の不当仮差押に対する損害賠償請求
• 1審で会社の債務につき取締役に対して数千万円の損害賠償が認められた事件につき、控訴審から受任して棄却させる
• 債務名義を偽って競売申立した者に対する請求異議訴訟
• 借入の名義貸人から名義借人への不当利得返還請求
• 相互取引による数億円の請求を1000万円で和解
相続事件
• 相続人間での妥当な分割を実現するための遺産分割協議、遺留分に配慮した遺言書の作成。
• 相続人間の対立により相続人の死後数年間遺産分割協議ができなかった土地につき、相続人全員の信頼を得て円満な遺産分割協議を実現して数億円で売却し、これを相続人間で分配。
• 依頼人不知のうちに被相続人が養子縁組をして、この養子に全財産を相続させるとの遺言書を作成していたため、依頼人には遺留分しか残らない事案につき、養子と話し合って養子の老後の生活が立つように配慮して養子の信頼を得て、適正な分配をし、相続財産を数億円で売却。
• 裁判所選定の鑑定人が被相続人の自筆ではない可能性が高いという鑑定書を作成した事案につき、終結間際に依頼を受けて、特殊な平仮名の用法であることから被相続人の自筆であることを立証して、自筆証書遺言の有効性を認定させる。
• 認知症の被相続人の遺言能力を詳細に検討し、自筆証書遺言の有効判決を獲得。
離婚事件
• 親権・養育費・財産分与・年金分割
• 不貞行為を働いた夫からの離婚請求を拒絶して養育費を請求し、数年間養育費を得て子供の進学状況が安定してから、妻と子が生活していた家と適正な生活費を解決金として得て、妻と子の生活の安定を実現して離婚を成立させる。
• 離婚事件進行中に妻の夫が居住している夫婦共同財産である家屋に対する共有物分割請求を「権利濫用」として却下。
• 夫の退職間近での離婚において、近々得られる蓋然性が高い退職金も考慮した財産分与。
• 判例を精査して養育費の起算点や財産分与の基準時、夫婦共同財産の総清算としての財産分与における未払扶養料の帰趨などの複雑な論点を解析して、依頼人に有利な結論を得る。
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奈良弁護士会
どんな事務所ですか?
- 事務所の2階の蔵書の一部の写真です。1階にも蔵書があります。
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私は「医者と弁護士はかからないほうがいいが、知り合いがいた方がいい。」と言っています。
気軽に相談でき、信頼ができる医者がいれば、少し体調が悪ければ相談に行って、重大な事態になることを防げるでしょう。
相談に行って何も問題がなければ、それに越したことはありません。
弁護士も同じです。
疑問があっても、弁護士を知らないために弁護士に相談しない人は結構いると思います。
少しでも疑問があれば気軽に相談に行ける弁護士を知っていると、重大な事態になることを防げるでしょう。
「先生。私は必ず勝ちますよね。」と言う相談者がいます。
私が「どうしてそう思うんですか。」と尋ねると、その人は「だって、私は正しいんですから。相手のほうが 悪いんです。だから、私は必ず勝ちますよね。」と言うのです。
私が「でも、裁判官にはあなたが正しいかどうかわからないんじゃないですか。」と言うと、その人は、「いや、裁判官は私が正しいと必ずわかってくれます。」と言うのです。
私が「あなたが法廷で、『裁判官、私の目を見てください。私は本当のことを言っています。』と言えば、裁判官があなたの目を見て『おう、そうじゃのう。お前は嘘を言うような顔はしていない。お前の言うことが正しいんだね。』とでも言ってくれると思っているんですか。そんな見た目の印象で決まる裁判だったらえらいことじゃないですか。」 と言うと、その人は一転してうなだれて、「そうですよね。」と言うのです。
私が、「あなたは裁判官が普通の人と異なって特別の能力を持っていると誤解しているのではありませんか 。裁判官もごく普通の人なんですよ。司法試験は知識を試す試験ですが、知識をたくさん持っているからといって何が正しいのかを見抜く力を持ってるとは限りません。裁判では正しい人が必ず勝つとは限らないんですよ。」と言うと、しょげかえってしまいます。
訴訟では争いがある事実についてはいずれが正しいかは証拠で認定することになっているのですが、その証拠が事実の認定にどれほど寄与する力を 持っているかということを「証拠の証明力」といいます。
「証拠の証明力の評価」は裁判官の自由な心証(認識)によることになっており、これを「自由心証主義」といいます。
「裁判官の自由な心証」ということは、裁判官が恣意的に認定してよいということではなく、経験則に基づく合理的な認定を要するのであり、経験則に基づく合理的な範囲を逸脱した認定は自由心証主義に違反することになります。
正しいからといって訴訟で勝てるわけではありません。
正しい主張を「経験則に基づく合理的な認定」として認めてもらうためには、必要な証拠も整えて、その証拠と対比して、「誰が考えても『そういうことであればそうなんだな。』と思えるような構成を整えていくこと。」が大切です。
そのためにはi依頼人が話す情報から必要な情報を整理して、適切に構成していかなければなければなりません。
一見事実関係が錯綜しているように思えても、人の行動というのはある程度パターン化することができますので、その事案に特有の複雑な問題であるように思えるような事実関係であったとしても、事実関係を適切に解析すれば、「なぜその時、その人はそういう対応をとったのか。」、「この問題を解決するためには何をすればいいのか。」ということが明瞭になってくる場合もあります。
相談者に対して、「法律の規定や判例はこうなっています。」、「こういう制度があります。」という制度の説明をするだけであればAIで充分ですが、制度の説明に止まらず、「この問題は、どのように解決するのが妥当か。」という「妥当な解決」を検討して、相談者に助言するのが弁護士の仕事です。
弁護士の仕事というのは、まず事実関係を解析し、経験と豊富な文献・判例の知見を活かし、相談者の置かれた立場に立って、「衡平と信義則の観点から、どのような結論が妥当なのか?」ということを考えていくことです。
依頼人の要望が衡平と正義の観点から妥当であると考えられるにもかかわらず、依頼人が望む結論と異なる判例があるのであれば、「あなたの要望は今の法律や判例では認められません。」と言うのではなく、「何故その判例は衡平と信義則の観点から望ましくないと思われる結論を出しているのか?」ということを検討しなければなりません。
そして、相談者の要望を叶えることが「衡平と信義則の観点」から望ましいのであれば、それを実現するような構成を考えていくことです。
そのためには、その法律の立法趣旨(法律が制定された目的)及び立法事実(法律制定の背景となっている社会的事実や状況)を検討していかなければなりませんが、その法律の立法趣旨、立法事実を詳細に検討すると、その法律は相談者のケースのような場合は想定しないで制定された可能性があります。その事案に特有の複雑な問題があるように思えるような事実関係であったとしても、適切に解析すれば「なぜその時、その人はそういう対応をとったのか」、「この問題を解決するためには何をすればよいのか」ということが明瞭になってくる場合があり、そこに法律を適用して行きます。
このような作業が「弁護士による法律相談」であり、「制度の説明と手続きの代行」というのは、弁護士の仕事のごく一部に過ぎません。
社会において最も大切なものは信義則であり、信義則に基づく公正な社会が実現できるように努力していきます。
このように、問題の解決にあたっては、「この問題は、どのように解決するのが妥当か」ということについての専門家の意見を聞くことが重要ですので、困難に直面した場合はまず相談を受けることをお勧めします。
弁護士の助言とは、「事実関係を整理し、社会的妥当性を踏まえて、今後取るべき道筋を示すこと」です。
早い段階で適切な助言を得られるかどうかは、解決の結果を大きく左右します。
裁判所から訴状が送られてきた場合は速やかに対応しなければなりませんので、早目にご相談ください。
一審でほかの弁護士に委任して敗訴した事件につき控訴審の受任を求められることもありますが、その場合は記録を5日ほどお預かりして控訴審の見通しについて検討する必要があります。
控訴期限は判決を受領してから2週間ですので、この点注意してください。
初回相談料は一時間以内で1万1千円です。
依頼があれば仕事として何でも対応するというデパートのような事務所ではなく、私が関心を持っている内容のみを取り扱っていますから、ご相談内容によってはご相談に応じていない場合がありますし、請求が妥当でないと思われる場合など理念に反する事件はお受けできませんので、電話での予約の際に相談内容をお知らせください。
車でお越しの方は1階に来客用駐車場がありますが、事務所の前面道路は一方通行ですので、進入路はナビなどでご確認ください。
◆アクセス
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近鉄奈良線 「近鉄奈良駅」 徒歩1分、一階に来客用駐車場あり。
<住所>
〒630-8237
奈良県奈良市中筋町33 喜多ビル
事務所の特徴
- 完全個室で相談
- 駐車場あり
- 近隣駐車場あり
こんな相談ならお任せください
- 事務所の2階の蔵書の一部の写真です。
不動産事件では、売買契約の債務不履行による契約解除や損害賠償請求、所有権確認などのほか、抵当権が設定されている不動産の売買交渉、債務者が不動産を売却しそうな場合の保全、債務者が不動産を売却してしまった場合の通謀虚偽表示や詐害行為取消権による当該不動産の取戻しなどにつき、錯誤や心理留保、詐欺、代理,時効などの規定を総合的に検討して妥当な解決を図ってきました。
特殊な事例としては、地籍調査の結果無番地とされた土地について依頼人の土地であると主張して自治体を相手に境界確定訴訟をしましたが、この時に「測量」について文献を買い込んで「ジオイド」、「測地系」などについて勉強し、古い文献や旧測地系による測量図なども探して、無番地に番地を入れて公図を書き換えて、依頼人の所有であると確定しました。
建築請負契約においては、損害賠償請求のほか、建築工事差止仮処分、行政機関からの不当な行政指導による工事停止勧告、請負業者からの過大な請求などについて妥当な解決を図ってきました。
特殊な事例としては、契約書を作成しないまま相手の希望通りのリフォーム工事をしたために相手が僅かな代金しか支払わなかった事例につき、1000項目を超える見積書を作成し、これに対応して数百枚の写真を撮影して工事内容を立証して 6000万円程度の工事代金を得たことがあります。
また、造成地の地盤沈下の事件については地盤工学の本を買い込んで「地盤の強度」や「N値」について勉強し、擁壁の事件については「砂質土」、「粘性土」など土質について勉強を重ね、建物の朽廃の事件については建築工学の本を買い込んで素材の強度についても勉強してきました。
賃貸借事件では、賃料増減額と立退交渉が多いのですが、立退交渉については賃貸人の目先の利益だけを追って賃借人に低額の立退料を押しつけるのではなく、賃借人に充分な立退料を提示することにより早期の解決を図ることが賃貸人の利益であると考えています。
賃料の増減額事件では裁判所選任も含めて不動産鑑定士の鑑定は不合理なものが多く、地裁が裁判所選任の鑑定人の鑑定結果に基づいて減額の判決を出したところ、高裁で減額ゼロの判決を得たこともあります。
損害賠償請求事件については数多く手掛けてきましたが、債務不履行については損害とは何か、不当利得については利得とは何か、不法行為については短期消滅時効の起算点はいつなのか、など興味深い論点が多いのです。
事実関係で困難なのは従業員に対する請求で、他社の従業員と共謀して架空売上を循環させていくという事案では膨大な時間を費やして事実関係を調査して、相手方の立証の困難さを指摘して、数億円の請求を1000万円で和解したこともあります。
相続事件については、相続人間での利害の調整を考えて、適切な解決を図ってきました。
特殊な事例としては、数億円を超える遺産につき被相続人の自筆証書遺言につき裁判所選任の鑑定人が被相続人が書いたものではない可能性が高いという鑑定結果を出し、裁判所は相談者が依頼していた弁護士の再鑑定の申立を却下して鑑定人の鑑定結果に基づいて判決手続に進むという段階で相談に来られたことがあります。
この事案については遺言書が用いている平仮名に特色がありました。
万葉集は「万葉仮名」といって全て漢字で書かれているということはご存知と思いますが(薬師寺の「仏足石歌碑」も参照してください)、平仮名は漢字を崩したものであり、特にルールはなかったので明治の初めの頃は各種の平仮名が混在していました。
この遺言書を書いた被相続人は大正生まれなのですが、被相続人のお母さんは明治生まれで学校の先生をしていました。
被相続人はお母さんから文字を習ったものと思われ、特殊な平仮名を使っていたのです。
私は、奈良教育大学の資料室で明治の初めの頃の習字の教科書ではこの特殊な平仮名も使っているということを確認しました。
仮に相談者がこの遺言書を偽造したとすれば、「被相続人がこのような特殊な平仮名を使っている。」ということを立証しようとする筈ですが、相談者はこの遺言書には特殊な平仮名が使われているということに気が付いておらず、「被相続人がこのような平仮名を使っている。」という資料を提出していませんでした。
ですから、この遺言書は相談者が書いたものではないことは明らかです。
この遺言書を作成した当時、被相続人は認知症であったと思われ、筆跡が平常時のものと異なったのはその影響によるものと思われますが、健常であったときに書いた筆跡と認知症になった時に書いた筆跡とを比較した場合異なっているのは当然のことで、そのことを考慮していない鑑定は失当です。
一般に長谷川式と言われる認知症のテストでは30点満点で20点以下の場合は認知症である疑いが強いとされていますが、この被相続人は 16点しかなく、相手方は「長谷川式で19点である遺言書について遺言能力がない。」とする東京高裁の判決を出してきました。
私は「遺言能力というものは一律に決めれるものではなく、遺言内容によってはある程度認知症であっても遺言能力はある。」と考えており、そのことを考慮していないこの東京高裁の判決は妥当ではないと考えています。
長谷川式については、点数だけが問題なのではなく、「どのような質問に対してどう答えているのか?」ということが大切であると考えますが、この被相続人の答えを見るとこの遺言書の内容については十分遺言能力があると思われます。
裁判はもう終結間際でしたが、私はこれらの点について数百ページに及ぶ準備書面を出してこの遺言書が有効である旨の判決を得ました。
離婚においては親権、養育費、財産分与などが問題ですが、養育費については現在では実務は早見表に依拠しており、早見表には不合理な点はあるものの、これと異なる主張はなかなか認められないのが現状であり、弁護士が腕を振るうのは財産分与の領域でしょう。
特殊な事例としては、相手方は離婚と財産分与請求をしながら夫婦共有名義の居住家屋について共有物分割請求をしてきましたが、夫婦共有財産については離婚と財産分与の申立てが行われている時はあくまで財産分与で適正な分与を図るべきであり、このような共有物分割請求は権利の濫用として却下するべきです。
この事案で相手方は別居時からの養育費を求めてきましたが、養育費についてはその起点が要扶養時(別居時)説と請求時説とがあって、実務は請求時説によっています。
このことを指摘したところ、相手方は離婚に伴う財産分与においては未払いの養育費も含めて精算することも許されるとする最高裁判例を主張をしてきました。
しかし、この判例は特殊な事案についてのものであり、その当否は信義則に基づいて個々の事案ごとに検討するべきです。
この事案については、信義則の観点から相手方の主張は許されないという主張をして認められました。