きた よしひろ
喜多 芳裕弁護士
喜多芳裕法律事務所
近鉄奈良駅
奈良県奈良市中筋町33 喜多ビル
相続・遺言の事例紹介 | 喜多 芳裕弁護士 喜多芳裕法律事務所
取扱事例1
- 遺言
被相続人の自筆証書遺言につき、裁判所選任の鑑定人が「被相続人が書いたものではない可能性が高い。」という鑑定結果を出しているにも拘わらず自筆であると認めさせ、認知症である遺言者につき「遺言の内容によってはある程度認知力が低下していても遺言能力はある。」と遺言能力を認めさせて、遺言書を有効とした事例。
依頼者:60代 男性
数億円を超える遺産につき、Aさんの父Bの「私の財産はすべてAに与える。」との自筆証書遺言につき、裁判所選任の鑑定人が被相続人Bが書いたものではない可能性が高いという鑑定結果を出し、裁判所はAが依頼していた弁護士の再鑑定の申立を却下して「鑑定人の鑑定結果に基づいて判決手続に進む。」と言ったので、Aさんが依頼していた弁護士は 敗訴する可能性が高いだろうと言ったとのことです。
Aさんは何人もの弁護士に相談したのですがどの弁護士も「裁判所選任の鑑定人のBが書いたものではない可能性が高いという鑑定書がある限り難しい。」ということで困り果てていたところ、ある人から「喜多先生に一度相談してみたらどうか。」と言われたということで、藁をも掴む思いで私のところに相談に来られました。
私はこの遺言書を一見しただけで偽造ではないと思いました。
この遺言書が用いている平仮名には一般には使われていない特殊な平仮名と一般に使われている平仮名が混在してました。
万葉集は「万葉仮名」といって全て漢字で書かれているということはご存知と思いますが(薬師寺の「仏足石歌碑」も参照してください)、平仮名は漢字を崩したものであり、崩し方に特にルールはなかったので、明治の初めの頃は同じ文字に各種の平仮名が混在していたのです。
この遺言書を書いた被相続人Bは大正生まれなのですが、Bのお母さんは明治生まれで学校の先生をしていました。
私は奈良教育大学の資料室にある明治10年過ぎに書かれた教科書の説明書を見ましたが、そこには「世の中にはいろんな種類の平仮名があるが、今使われている平仮名の代表的なものの書き方を示す。」という説明が書かれていました。
Bはお母さんから文字を習ったものと思われますが、当時はこの特殊な平仮名も使われており一般に使われている平仮名のほか、日頃からお母さんが使っていた特殊な平仮名も習っていたのです。
仮に相談者Aがこの遺言書を偽造したとすれば、Bが書いた文書を示して、「被相続人Bはこのように特殊な平仮名と一般に使われている平仮名を混在して使っている。」ということを立証しようとする筈ですが、Aはこの遺言書には特殊な平仮名が使われているということに気が付いておらず、「被相続人Bがこのような平仮名を使っている。」という資料を提出していませんでした。
ですから、この遺言書はAが書いたものではないことは明らかです。
この遺言書を作成した当時被相続人Bは軽い認知症であったと思われ、この遺言書の筆跡はその影響により以前の平常時のものと異なっているのですが、裁判所選任の鑑定人が比較に用いたBの筆跡は認知症になる前のもののみだったのです。
健常であった時に書いた筆跡と認知症になった時に書いた筆跡とを比較した場合異なっているのは当然のことで、そのことを考慮していない鑑定は失当ですが、この鑑定の資料として提出されたBの筆跡はすべて相手方が提出したものであり、 Aさんが依頼した弁護士は全く鑑定資料を提出していませんでした。
このような結果になったのはAさんが依頼していた弁護士が遺言者Bがこの遺言書を作成した時に近い筆跡を鑑定資料として提出しなかったことによるものです。
遺言書がBの自筆によるものであることが証明できても、その次に認知症になっているBの遺言能力の問題を解決しなければなりません。
一般に長谷川式と言われる認知症のテストでは30点満点で20点以下の場合は認知症である疑いが強いとされていますが、この被相続人は 16点しかなく、相手方は「長谷川式で19点である者は遺言能力がなく、その者が書いた遺言書は無効である。」とする東京高裁の判決を出してきました。
私は「遺言能力というものは一律に決めれるものではなく、遺言の内容によってはある程度認知力が低下していても遺言能力はある。」と考えています。
遺言書の内容が複雑なものであればそれ相応の理解力が必要ですが、簡単な内容であればその内容に応じた理解力で充分です。
長谷川式については点数だけが問題なのではなく、「どのような質問に対してどう答えているのか。」ということが大切ですが、この被相続人の答えを見ると「私の財産はすべてAに与える。」というこの遺言書の内容については十分遺言能力があると思われます。
相手方が援用する東京高裁の判決はそのような点を考慮していないほか、判決に至る理由は軽薄と言うほかないものであり、先例的意義はないと考えています。
裁判はもう終結間際でしたが、私はこれらの点について数百ページに及ぶ準備書面を提出して、この遺言書は有効である旨の判決を得ました。
相手方は控訴してきましたが、控訴審では遺言書が有効であることを前提として、相手方の遺留分を考慮した和解をしました。
Aさんは何人もの弁護士に相談したのですがどの弁護士も「裁判所選任の鑑定人のBが書いたものではない可能性が高いという鑑定書がある限り難しい。」ということで困り果てていたところ、ある人から「喜多先生に一度相談してみたらどうか。」と言われたということで、藁をも掴む思いで私のところに相談に来られました。
私はこの遺言書を一見しただけで偽造ではないと思いました。
この遺言書が用いている平仮名には一般には使われていない特殊な平仮名と一般に使われている平仮名が混在してました。
万葉集は「万葉仮名」といって全て漢字で書かれているということはご存知と思いますが(薬師寺の「仏足石歌碑」も参照してください)、平仮名は漢字を崩したものであり、崩し方に特にルールはなかったので、明治の初めの頃は同じ文字に各種の平仮名が混在していたのです。
この遺言書を書いた被相続人Bは大正生まれなのですが、Bのお母さんは明治生まれで学校の先生をしていました。
私は奈良教育大学の資料室にある明治10年過ぎに書かれた教科書の説明書を見ましたが、そこには「世の中にはいろんな種類の平仮名があるが、今使われている平仮名の代表的なものの書き方を示す。」という説明が書かれていました。
Bはお母さんから文字を習ったものと思われますが、当時はこの特殊な平仮名も使われており一般に使われている平仮名のほか、日頃からお母さんが使っていた特殊な平仮名も習っていたのです。
仮に相談者Aがこの遺言書を偽造したとすれば、Bが書いた文書を示して、「被相続人Bはこのように特殊な平仮名と一般に使われている平仮名を混在して使っている。」ということを立証しようとする筈ですが、Aはこの遺言書には特殊な平仮名が使われているということに気が付いておらず、「被相続人Bがこのような平仮名を使っている。」という資料を提出していませんでした。
ですから、この遺言書はAが書いたものではないことは明らかです。
この遺言書を作成した当時被相続人Bは軽い認知症であったと思われ、この遺言書の筆跡はその影響により以前の平常時のものと異なっているのですが、裁判所選任の鑑定人が比較に用いたBの筆跡は認知症になる前のもののみだったのです。
健常であった時に書いた筆跡と認知症になった時に書いた筆跡とを比較した場合異なっているのは当然のことで、そのことを考慮していない鑑定は失当ですが、この鑑定の資料として提出されたBの筆跡はすべて相手方が提出したものであり、 Aさんが依頼した弁護士は全く鑑定資料を提出していませんでした。
このような結果になったのはAさんが依頼していた弁護士が遺言者Bがこの遺言書を作成した時に近い筆跡を鑑定資料として提出しなかったことによるものです。
遺言書がBの自筆によるものであることが証明できても、その次に認知症になっているBの遺言能力の問題を解決しなければなりません。
一般に長谷川式と言われる認知症のテストでは30点満点で20点以下の場合は認知症である疑いが強いとされていますが、この被相続人は 16点しかなく、相手方は「長谷川式で19点である者は遺言能力がなく、その者が書いた遺言書は無効である。」とする東京高裁の判決を出してきました。
私は「遺言能力というものは一律に決めれるものではなく、遺言の内容によってはある程度認知力が低下していても遺言能力はある。」と考えています。
遺言書の内容が複雑なものであればそれ相応の理解力が必要ですが、簡単な内容であればその内容に応じた理解力で充分です。
長谷川式については点数だけが問題なのではなく、「どのような質問に対してどう答えているのか。」ということが大切ですが、この被相続人の答えを見ると「私の財産はすべてAに与える。」というこの遺言書の内容については十分遺言能力があると思われます。
相手方が援用する東京高裁の判決はそのような点を考慮していないほか、判決に至る理由は軽薄と言うほかないものであり、先例的意義はないと考えています。
裁判はもう終結間際でしたが、私はこれらの点について数百ページに及ぶ準備書面を提出して、この遺言書は有効である旨の判決を得ました。
相手方は控訴してきましたが、控訴審では遺言書が有効であることを前提として、相手方の遺留分を考慮した和解をしました。
取扱事例2
- 遺産分割
相続人の死後数年間遺産分割協議ができなかったために売却できなかった土地につき、誠実さで対応して相続人全員の信頼を得て円満な遺産分割協議を実現して、数億円で売却し、これを相続人間で分配した事例。
依頼者:60代 男性
駅近くに数百坪の土地があり、いくつもの不動産会社が購入を希望していましたが、相続人間の意思疎通が充分ではないため、所有者の死後数年間遺産分割協議ができなかったために売却できませんでした。
A、B、Cという三人の子がいたのですが、Bは再婚後死亡しており、その妻bは遠方に住んでいて他の兄弟と全く交流がなく、兄弟の一人が一度売却を持ちかけたのですが、特にお金は困っていないと言って取り合わず、Aはこの不動産の一部に家を建てて住んでいたところから売却には消極的であったため、そのままになっていたのです。
固定資産税はCが払っていましたが、このままでは固定資産税の負担のみがかかってきますので、私が数億円相当を相続財産を円満に相続人に分配しているということを聞いたCが、私のところに何とかならないだろうかと相談を持ちかけてきました。
私は大阪や奈良で数億円相当を相続財産を幾つも売却していますので、知り合いの不動産業者に見積もってもらったところ、マンションにもビジネスホテルに適していることから三億円くらいで売れるのではないかということでした。
私は二番目の子の妻bに私の今までの実績とこの不動産の売却計画を記載した詳細な手紙を出して面談を求めたところ、返事がありましたのでbのもとを訪れました。
「奈良から弁護士がやってくる。」ということで、Bの家にはBと親しいという不動産業者や司法書士、地元の商工会の役員などなど5人の男性が待ち受けていました。
彼らは、私がA、Cに依頼されて、bに不利な遺産分割を押し付けるのではないかと警戒していたのですが、私は、「不動産は売り時があって、今は高値でも買い手がつく可能性があるので、このときに売らなければ安くてしか売れなくなることもある。」といい、一時間程度今まで私が扱った事件の話をしました。
この人たちは最初は警戒していたのですが、私の話を聞くと、不動産業者がbに、「弁護士さんでこんなに不動産に詳しい人は見たことない。是非喜多先生に頼みなさい。」と言いました。
続いて地元の商工会の役員も「そうだ。今喜多先生に頼むのがいい。」と言い、5人全員が私に依頼するよう勧めたのです。
次の問題はAでした。
Aはこの不動産の一部に家を建てて住んでいたので、売ったらここを出て行かなければいけないので、このままがいいと言うのです。
私は、「ここには高額の固定資産税、都市計画税がかかっており、今までCが払っていたが、その3分の1はあなたが払わなければならない。遺産分割協議ができてこの土地を売れれば税金を払っても数千万円入ってくるので、それで代替地を取得して新しい家を建てたほうがいい。」と言い、幾つかのの代替地を示しました。
この土地には2棟の長屋があり、そこには8人の借家人が住んでいましたので。この8人の立ち退きも必要でした。
不動産は売り時があって、今は高価でも買い手がつく可能性があるので、このときに売らなければ安くてしか売れなくなりますので、代替物件を紹介して不動産業者に案内させて、A、b、Cを説得し、相場といわれる金額の 2倍程度の立退料を支払って、「このお金で海外旅行でも行きなさい。」と言って交渉から3カ月で明け渡しを実現しました。
Cの依頼から、遺産分割協議の成立、8人の借家人の明け渡しの実現まではは四ヶ月でした。
次に私が培ったネットワークを利用して買受業者を募集しました。
方法はせり上がり方式であり、 1週間先の日を締切日として買受希望価格をファックスで送ってもらい、締切日の翌日に買受希望者全員に最高買受希望価格を知らせて、この金額以上の価格で買受を希望する場合は一週間以内にファックスで送付するようにと伝えるのです。
この方法で買受価格をせり上げていったところ、いくつかの業者は脱落して行きました
駅の近くの広い土地でしたので大手のマンション建設業者も買受を希望していたのですが、4億円のところで、「もうこれ以上は社内の稟議が取れない。」と言って撤退したので す。
このようにして4億円を超えた三社に絞って入札を実施して、4億5000万円で売却することができました。
相続人全員の信頼を得て円満な遺産分割協議を実現して、相続財産を数億円で売却してこれを相続人間で分配し、借家人にも喜んでもらったのです。
私がした一つ一つのことは特別なことではなく誰でもできることだと思いますが、遺産分割協議のポイントは「誠実さ」であるとおもいます。
このようなことができたのは、私の「誠実さと誠意」を関係者全員が信じて頂けたからだと思っています。
A、B、Cという三人の子がいたのですが、Bは再婚後死亡しており、その妻bは遠方に住んでいて他の兄弟と全く交流がなく、兄弟の一人が一度売却を持ちかけたのですが、特にお金は困っていないと言って取り合わず、Aはこの不動産の一部に家を建てて住んでいたところから売却には消極的であったため、そのままになっていたのです。
固定資産税はCが払っていましたが、このままでは固定資産税の負担のみがかかってきますので、私が数億円相当を相続財産を円満に相続人に分配しているということを聞いたCが、私のところに何とかならないだろうかと相談を持ちかけてきました。
私は大阪や奈良で数億円相当を相続財産を幾つも売却していますので、知り合いの不動産業者に見積もってもらったところ、マンションにもビジネスホテルに適していることから三億円くらいで売れるのではないかということでした。
私は二番目の子の妻bに私の今までの実績とこの不動産の売却計画を記載した詳細な手紙を出して面談を求めたところ、返事がありましたのでbのもとを訪れました。
「奈良から弁護士がやってくる。」ということで、Bの家にはBと親しいという不動産業者や司法書士、地元の商工会の役員などなど5人の男性が待ち受けていました。
彼らは、私がA、Cに依頼されて、bに不利な遺産分割を押し付けるのではないかと警戒していたのですが、私は、「不動産は売り時があって、今は高値でも買い手がつく可能性があるので、このときに売らなければ安くてしか売れなくなることもある。」といい、一時間程度今まで私が扱った事件の話をしました。
この人たちは最初は警戒していたのですが、私の話を聞くと、不動産業者がbに、「弁護士さんでこんなに不動産に詳しい人は見たことない。是非喜多先生に頼みなさい。」と言いました。
続いて地元の商工会の役員も「そうだ。今喜多先生に頼むのがいい。」と言い、5人全員が私に依頼するよう勧めたのです。
次の問題はAでした。
Aはこの不動産の一部に家を建てて住んでいたので、売ったらここを出て行かなければいけないので、このままがいいと言うのです。
私は、「ここには高額の固定資産税、都市計画税がかかっており、今までCが払っていたが、その3分の1はあなたが払わなければならない。遺産分割協議ができてこの土地を売れれば税金を払っても数千万円入ってくるので、それで代替地を取得して新しい家を建てたほうがいい。」と言い、幾つかのの代替地を示しました。
この土地には2棟の長屋があり、そこには8人の借家人が住んでいましたので。この8人の立ち退きも必要でした。
不動産は売り時があって、今は高価でも買い手がつく可能性があるので、このときに売らなければ安くてしか売れなくなりますので、代替物件を紹介して不動産業者に案内させて、A、b、Cを説得し、相場といわれる金額の 2倍程度の立退料を支払って、「このお金で海外旅行でも行きなさい。」と言って交渉から3カ月で明け渡しを実現しました。
Cの依頼から、遺産分割協議の成立、8人の借家人の明け渡しの実現まではは四ヶ月でした。
次に私が培ったネットワークを利用して買受業者を募集しました。
方法はせり上がり方式であり、 1週間先の日を締切日として買受希望価格をファックスで送ってもらい、締切日の翌日に買受希望者全員に最高買受希望価格を知らせて、この金額以上の価格で買受を希望する場合は一週間以内にファックスで送付するようにと伝えるのです。
この方法で買受価格をせり上げていったところ、いくつかの業者は脱落して行きました
駅の近くの広い土地でしたので大手のマンション建設業者も買受を希望していたのですが、4億円のところで、「もうこれ以上は社内の稟議が取れない。」と言って撤退したので す。
このようにして4億円を超えた三社に絞って入札を実施して、4億5000万円で売却することができました。
相続人全員の信頼を得て円満な遺産分割協議を実現して、相続財産を数億円で売却してこれを相続人間で分配し、借家人にも喜んでもらったのです。
私がした一つ一つのことは特別なことではなく誰でもできることだと思いますが、遺産分割協議のポイントは「誠実さ」であるとおもいます。
このようなことができたのは、私の「誠実さと誠意」を関係者全員が信じて頂けたからだと思っています。
取扱事例3
- 相続放棄
被相続人の死亡から四年以上経過して巧妙な書状を送ってきたサラ金に対応して、被相続人の死亡から四年以上経過しているにも拘わらず相続放棄の申述が認められた事例。
依頼者:60代 男性
Aさんのところに、全く心当たりがない Cという個人名で「親展」で封書が届きましたので、Aさんは開けてしまいました。
開けてみると、D社がBにお金を貸していることを示す書類のコピーが同封してあり、「D社は四年前に死亡したAさんの兄Bにお金を貸しているが、E社がD社を合併しているので、 Aさんが相続しているかどうか2週間以内に返事が欲しい。」というものであり、封書の差出人は個人名のCですが、連絡先はサラ金のE社になっていました。
Bは結婚しておらず、妻子はなく、Aさんは長らくBとは音信不通であり、死亡の事実は親戚を通じて暫く後に聞いたものの、 Bには財産は何もなく、何も相続していません。
しかし、債務があるということも知らなかったので、相続放棄の申述はしていません。
Aさんは相続放棄をしようと考えて裁判所に問い合わせたところ、相続放棄の申述は被相続人の死亡を知った時から原則として3か月以内しかできないということでした。
そこで、私のところに相談に来られたのですです。
Aさんが「 Bには債務はない。」と思って相続放棄をしていなかった場合、その後債務があることがわかってから3か月以内であれば相続放棄ができる可能性があるのですが、この手紙は非常に巧妙に作られています。
差出人が全く心当たりのないサラ金の名前が書いてあれば開封しない可能性がありますが、封筒にはどこにもサラ金の表示はなく、差出人は個人名で「親展」となっているのです。
この手紙が「Bに対する債権の請求書」という形をとっているのであれば、受け取った人は弁護士などと相談して、受け取ってから3か月以内に相続放棄の申述をするでしょう。
しかし、この手紙は「Bに対する債権の請求書」という形ではなく、「ア E社がBに対して債権があること。」を示し、「イ あなたはBの相続をしているかどうか。」と尋ねているだけで、通常これを見た人は「相続していない。」という返事をするでしょう。
Eはそれから三か月以上放置しておき、その後Aさんに対して、「Bの債務の相続人としてBに対する債権を払え。」と請求をしてくるのでしょう。
Aさんがこの時点で相続放棄をしようと思っても、Eは「Aは3ヶ月以上前にBの債務を知っていること(ア)を前提として、イの回答をしており、それから3ヶ月以上経過しているので、相続放棄の申述はできない。」と主張するつもりなのでしょう。
この件については、Bの死亡四年以上経過していましたが、裁判所に詳細な説明をし、 相続放棄の申述は認められました。
開けてみると、D社がBにお金を貸していることを示す書類のコピーが同封してあり、「D社は四年前に死亡したAさんの兄Bにお金を貸しているが、E社がD社を合併しているので、 Aさんが相続しているかどうか2週間以内に返事が欲しい。」というものであり、封書の差出人は個人名のCですが、連絡先はサラ金のE社になっていました。
Bは結婚しておらず、妻子はなく、Aさんは長らくBとは音信不通であり、死亡の事実は親戚を通じて暫く後に聞いたものの、 Bには財産は何もなく、何も相続していません。
しかし、債務があるということも知らなかったので、相続放棄の申述はしていません。
Aさんは相続放棄をしようと考えて裁判所に問い合わせたところ、相続放棄の申述は被相続人の死亡を知った時から原則として3か月以内しかできないということでした。
そこで、私のところに相談に来られたのですです。
Aさんが「 Bには債務はない。」と思って相続放棄をしていなかった場合、その後債務があることがわかってから3か月以内であれば相続放棄ができる可能性があるのですが、この手紙は非常に巧妙に作られています。
差出人が全く心当たりのないサラ金の名前が書いてあれば開封しない可能性がありますが、封筒にはどこにもサラ金の表示はなく、差出人は個人名で「親展」となっているのです。
この手紙が「Bに対する債権の請求書」という形をとっているのであれば、受け取った人は弁護士などと相談して、受け取ってから3か月以内に相続放棄の申述をするでしょう。
しかし、この手紙は「Bに対する債権の請求書」という形ではなく、「ア E社がBに対して債権があること。」を示し、「イ あなたはBの相続をしているかどうか。」と尋ねているだけで、通常これを見た人は「相続していない。」という返事をするでしょう。
Eはそれから三か月以上放置しておき、その後Aさんに対して、「Bの債務の相続人としてBに対する債権を払え。」と請求をしてくるのでしょう。
Aさんがこの時点で相続放棄をしようと思っても、Eは「Aは3ヶ月以上前にBの債務を知っていること(ア)を前提として、イの回答をしており、それから3ヶ月以上経過しているので、相続放棄の申述はできない。」と主張するつもりなのでしょう。
この件については、Bの死亡四年以上経過していましたが、裁判所に詳細な説明をし、 相続放棄の申述は認められました。