退去費用について(特約の金額記載、クロス耐用年数)

退去費用について相談です。
お伺いしたいのは大きく2点です。
①明確な金額ない特約について
入居時の契約書に特約として「退去時の畳表替え及び室内清掃費は借主負担」と記載されているのですが、知人より明確な金額もしくは借主が金額を把握可能な記載でなければ無効になると聞き、お伺いしたいです。契約書をよく見ましたが、清掃費などの金額がわかる記載はありません。

②クロスクリーニング、貼替え費用について
現状回復ガイドラインを読み、クロスに耐用年数というものがあると知りました。
入居年数は考え方次第で5年11ヶ月もしくは6年になります。
リビングや廊下、洗面所、トイレ等にカビや汚れがありクロスクリーニングと貼替え費用を借主負担のみで請求されています。不動産屋に連絡したところ借主の過失によりついたものは耐用年数を考慮しないと言われました。これは正しいでしょうか。

①について
金額等が具体的に明確に特定されている必要があるというのが過去の裁判例の傾向です。
下記の裁判例もご参照ください。
https://www.mlit.go.jp/common/001005065.pdf

⓶について
入居時の現状に全て服して返却するという合理でもないかぎり(なお、事業者同士の契約ではそのような合意をすることがありますが、消費者契約ではそのような合意は
無効になる可能性が高いです)、原状回復は、通常損耗を考慮して回復することになります。
そして、そのときの回復されるべき価値は「時価」となります。
※なお、ガイドラインでは耐用年数をとくに考慮しないとする項目(たとえば、構造そのものである柱など)もあることにご注意ください。

よって、過失がある場合でも耐用年数は考慮されるのが実務です。
(そもそも、原状回復ガイドラインが適用される場面は、借主に過失があって、損傷していることが多いので、そこで耐用年数を考慮しなければ
もはや原状回復ガイドラインは骨抜きになってしまいます。)。

西谷様 ご回答いただきましてありがとうございます。上記の内容を不動産屋にメール等で伝える場合どのような文面で送る伝えることが適切でしょうか。

もし可能でしたらご教授いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

申し訳ありません、不動産屋に対するメールの文案の作成については、代理業務に含まれてきてしまい責任をもつこともできないため、
有料となってしまっても対応可能な弁護士を探された方が良いです。
どうぞ、よろしくお願い致します。

無理を言ってしまい申し訳ございません。
ご丁寧にご回答いただきましてありがとうございました。

>リビングや廊下、洗面所、トイレ等にカビや汚れがありクロスクリーニングと貼替え費用を借主負担のみで請求されています。不動産屋に連絡したところ借主の過失によりついたものは耐用年数を考慮しないと言われました。これは正しいでしょうか。

ここは、なかなか難しいところです。
耐用年数は6年とされていますが、借主の過失で傷等をつけた場合、6年経過後の事案でも、クロス張り替え費用の何割かを認めるという裁判例も一定程度存在します。
全く考慮しないというのも誤りですが、だからといって6年で1円となるという法則を機械的に適用するとも言い切れません。

匿名A様
ご回答いただきましてありがとうございます。
現状、該当箇所は全額私負担になっていますので、全額貸主負担にならなくとも減額の可能性があるということでしょうか。

また特約についてはいかがでしょうか。弁護士の先生方でも意見がわかれるところかと存じますが、可能性でしたらご教授いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

>全額貸主負担にならなくとも減額の可能性があるということでしょうか。

はい。そうです。

特約については、ご質問のケースの実際の契約書を見ないと断言できません。ただ、それだけしか記載がないとすれば無効となる可能性はありそうです。

不動産屋に減額してもらえるように伝えようと思います。

特約には、「退去時の畳表替え及び室内清掃費は借主負担」この文のみが記載されています。〇〇円という記述は契約書のどこにもなさそうです。値段以外にこういうことが書いてあると有効になってしまうなどありますでしょうか。

何度もお伺いしてしまい申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。

本来経年劣化など賃貸人負担が原則であるが、これこれの理由から、これこれの基準で、この範囲の交換、清掃は賃借人負担とするなどが記載され、
例外的に負担することを賃借人が理解し合意し、かつその計算方法などが記載されている場合には、有効となることもあります。