違法ダウンロードの刑事罰とは|視聴のみでも逮捕される?逮捕のリスクや回避方法を解説

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違法ダウンロードの刑事罰とは|視聴のみでも逮捕される?逮捕のリスクや回避方法を解説

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辰野 樹市 弁護士(千葉県)

千葉県 / 千葉市中央区

ファミリア総合法律事務所

「Torrentで映画をダウンロードして視聴したが、不法行為にあたるのか」

「過去に違法ダウンロードをしたことがあるが、逮捕される可能性はあるか」

著作権法の改正により、違法ダウンロードの刑事罰化が進んでいます。

違法ダウンロードとは、著作権法に違反する犯罪行為です。

しかし、現状違法ダウンロードのみで逮捕されるケースはほとんどありません。

ただし、絶対に逮捕されないという確証はありませんので、違法ダウンロードに該当する行為を避けることが重要です。

この記事では、違法ダウンロードに当たる具体的な行為や、逮捕されないための対策について解説します。

違法ダウンロードとは?罰則や条件は?

違法ダウンロードとは、不正にアップロードされたコンテンツと知っているにもかかわらず、パソコンなどの端末にダウンロードする不法行為です。

不正にアップロードされたコンテンツとは、たとえば有償提供されている音楽・映画・ゲーム・漫画・インターネット配信といった商品が該当します。

あくまで端末への保存が対象なため、違法アップロードをされたコンテンツを視聴するだけでは不法行為にあたりません。

違法ダウンロードの罰則

違法ダウンロードは、著作権法に違反する犯罪行為です。

違反者は、著作権法第119条3項にもとづき「2年以下の懲役」か「200万円以下の罰金」、もしくは両方が科せられます。

『(前略)著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(中略)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。』

(e-Gov:著作権法第119条3項より引用)

違法ダウンロードの処罰対象となる条件

違法ダウンロードの処罰対象となる条件は、「音楽・映像の著作物」と「音楽・映像以外の著作物」によって違います。

音楽・映像の著作物

音楽・映像の著作物とは、楽曲や映画、アニメといった録音・録画されたコンテンツです。

以下3つの条件をすべて満たすと、処罰の対象となります。

  • 本来は有償で提供されている著作物である
  • 違法にアップロードされた著作物である
  • 違法にアップロードされていると認識した上でダウンロードする

音楽や映像の著作物は、1回きりの違法ダウンロードでも処罰の対象となるため注意しましょう。

音楽・映像以外の著作物

音楽・映像以外の著作物とは、録音や録画をともなわないコンテンツです。

具体的には、漫画、小説、雑誌、論文、写真、コンピュータープログラムなどのコンテンツが当てはまります。

音楽・映像以外の著作物に関しては、次の4つの条件をすべて満たすと著作権法違反になります。

  • 本来は有償で提供されている著作物である
  • 違法にアップロードされた著作物である
  • 違法にアップロードされていると認識した上でダウンロードする
  • 違法ダウンロードを継続的もしくは反復的に行う(何度も繰り返す、または頻度が高い)

音楽・映像の著作物と異なり、違法ダウンロードの頻度や回数の多さも構成要件に含まれています。

そのため、「漫画を1回だけ違法ダウンロードしてしまった」というケースは、処罰の対象となりません。

違法ダウンロードの処罰対象にならない行為

著作物の種類を問わず、以下の行為は例外的に処罰の対象外になります。

  • 著作物の二次創作やパロディをダウンロードする(例外あり)
  • 著作権者の不利益と判断されない特別な事情がある
  • 著作権者から告訴されていない

違法ダウンロードは「親告罪」と規定されています。

親告罪とは、被害者からの告訴がなければ起訴されない犯罪です。

したがって、仮に違法ダウンロードにあたる行為をしていても、著作権者からの申し立てがない限りは罪に問われません。

違法ダウンロードの時効

違法ダウンロードの時効には、「刑事上の公訴時効」と「民事上の時効」の2種類があります。

違法ダウンロードの公訴時効は、違法ダウンロードをした日から3年間です。

3年が経過すれば、刑事罰を受けるおそれは一切なくなります。

一方、違法ダウンロードには民事上の責任も発生します。

民事上の時効は、以下の2つです。

  • 違法ダウンロードをした日から20年間
  • 著作権者が違法ダウンロードの被害や加害者を知った日から3年間

上記のどちらかの条件を満たせば、損害賠償を請求されることはありません。

違法ダウンロードが刑事罰化された背景

違法ダウンロードは、2012年10月1日の改正著作権法により刑事罰化されています。

改正以前は、有償コンテンツをインターネット上に無断で公開する「違法アップロード」のみ、刑事罰の対象とされていました。

2010年1月1日施行の改正著作権法により、違法ダウンロードは民法上違法とされたものの、当時は刑事罰の対象ではありませんでした。

著作権保護のさらなる強化として、2012年10月1日の改正により、ようやく違法ダウンロードも刑事罰化されたわけです。

ただし、当時の改正は音楽や映像の違法ダウンロードのみを刑事罰の対象としていました。

そこで、2021年1月1日の改正著作権法によって、音楽・映像を含むすべての著作物の違法ダウンロードにも刑事罰が適用されました。

違法ダウンロードの刑事罰化には「情報収集や研究活動を阻害する」「子どもをむやみに犯罪者にしてしまう」として反対する意見もありましたが、著作権法の改正を重ねて現在に至っています。

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違法ダウンロードの検挙数は少ない

違法ダウンロードの検挙数は、少ないと言えます。

法務省が公開している令和5年版「令和5年版犯罪白書」によれば、令和4年度における違法ダウンロードを含む著作権違反の検察庁新規受理人員は194人に留まります。

さらに、令和2年度におけるサイバー犯罪のうち、違法ダウンロードを含む著作権法違反の検挙件数は363件でした。

サイバー犯罪全体の検挙件数が8,703件であったため、著作権法違反が占める割合は約4%しかありません。

著作権違反の中に違法ダウンロードが含まれることから、違法ダウンロードによる検挙数はさらに少ないと予想できます。

ただし、謙虚数が少ないからといって、違法ダウンロードで絶対に逮捕されないわけではない点に注意が必要です。

違法ダウンロードで逮捕者が出にくい理由

違法ダウンロードの検挙数が極めて少ないのは、なぜでしょうか。

具体的な理由として、「親告罪のため」「証明の難しさ」「根本的解決にならない」といった理由が挙げられます。

親告罪のため被害者からの刑事告訴が必要

違法ダウンロードは親告罪であるため、被害者である著作権者からの告訴が不可欠です。

親告罪の場合、被害者などの告訴がない場合起訴ができません。

さらに、著作権者が告訴するためには、違法ダウンロードをした加害者を特定する必要があります。

しかし、著作物が違法アップロードされている状況は把握しやすい一方で、「違法アップロードされた著作物を端末に保存した」事実および人物を把握することは難しいでしょう。

著作権者は告訴したくてもできないため、違法ダウンロードによる逮捕者が少ない状況が続いています。

違法ダウンロードの証明が難しい

違法ダウンロードの事実の把握は難しい上に、証明するのもまた困難です。

仮に違法ダウンロードした加害者を特定できたとしても、一般人である著作権者が加害者のパソコンやスマートフォンの中身をチェックするのは現実的ではありません。

違法ダウンロードしたコンテンツの複製や保存を確認できなければ、「権利を侵害された」と告訴するのは難しいでしょう。

さらに、加害者の端末を確認できた場合でも、「加害者は違法アップロードと知っていた」との認識も証明しなくてはいけません。

「違法と知らなかった」と言い張られる可能性が高いことから、告訴に踏み切れない著作権者は多いと考えられます。

違法アップロードを取り締まらないと解決しない

そもそも違法ダウンロードが起きるのは、違法アップロードをする者が後を絶たないからです。

違法ダウンロードをした者を逮捕しても、コンテンツが違法アップロードされたままでは新たに違法ダウンロードをする者が現れるでしょう。

したがって、違法ダウンロードした者を一人ひとり取り締まるよりも、違法アップロードした者を逮捕したほうが根本的な著作権保護につながります。

違法アップロードの取り締まりの優先度が高いため、違法ダウンロードによって逮捕されるケースが少ないわけです。

違法ダウンロードで逮捕される可能性が高くなるケース

違法ダウンロードによる逮捕者は少ないものの、逮捕のリスクが高まるケースも存在します。

具体的には、「ファイル共有ソフトの悪用」や「児童ポルノのダウンロード」の2つのケースが当てはまります。

ファイル共有ソフトの悪用

ファイル共有ソフトとは、不特定多数の人とインターネット上でファイルをやり取りするためのソフトウェアです。

ファイル共有ソフトを利用することで、動画や音声などのデータを他のユーザーと一緒に使えるようになります。

ファイル共有ソフト自体は違法ではないものの、「Winny(ウィニー)」や「Torrent(トレント)」といったP2P型には注意が必要です。

P2P型を使用すると、ファイルをダウンロードした際にアップロードも同時に行われる場合があります。

つまり、ファイル共有ソフトを悪用して違法ダウンロードを行えば、知らないうちに違法アップロードもしてしまい逮捕されやすくなるわけです。

児童ポルノのダウンロード

児童ポルノにあたるコンテンツを違法ダウンロードした場合、逮捕の可能性が高まります。

そもそも児童ポルノの所持や保管は、児童ポルノ禁止法第3条の2に禁止されている犯罪行為です。

児童ポルノを所持や保管した者は、「1年以下の懲役」もしくは「100万円以下の罰金」の法定刑が科せられます。

さらに、児童ポルノ禁止法違反は非親告罪なため、被害者による告訴なしで検察官の起訴が可能です。

このように著作権法違反に加えて児童ポルノ禁止法にも該当することから、単なる違法ダウンロードよりも逮捕のリスクが高まります。

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違法ダウンロードの発覚から責任追及までの流れ

違法ダウンロードが著作権者に発覚した場合、どのように責任を追求されるのでしょうか。

具体的な流れを3つに分けて紹介します。

著作権者が発信者情報開示請求を行う

はじめに、著作権者は「発信者情報開示請求」を以下2つの事業者に向けて行います。

  • 著作物が違法アップロードされたWebサイトの管理者
  • 違法ダウンロード者が契約しているアクセスプロバイダ

Webサイトの管理者からは、違法ダウンロードした侵害者のIPアドレスやアクセスした日時、データ送受信のログといった情報を取得できます。

アクセスプロバイダから取得できる情報は、侵害者の氏名や住所、電話番号などのデータです。

なお、発信者情報開示請求した後、情報開示の可否を尋ねる「意見照会書」が侵害者に届きます。

侵害者が拒否しても、裁判所の命令で開示される場合があります。

侵害者へ刑事告訴を行う

発信者情報開示請求により取得した情報にもとづき、著作権者は侵害者の刑事告訴を行います。

刑事告訴をするためには、告訴状の提出が必要です。

告訴状とは、犯罪の被害を申告して処罰を求める書面です。

発信者情報開示請求によって侵害者の氏名や所在地が判明しているため、警察はすみやかに捜査に着手できます。

侵害者へ損害賠償請求をする

著作権者は、刑事上だけでなく民事上の責任も追及可能です。

そのため、侵害者に対して民事裁判を起こして損害賠償を請求するケースもあるでしょう。

損害賠償の金額は、弁護士や調査にかかる費用に加えて「違法ダウンロードにより失った利益」も加算されます。

違法ダウンロードにより失った利益は、著作権法第114条1項にもとづき「コンテンツの価格×違法ダウンロードした回数」で算出します。

違法ダウンロードで逮捕されないための対策

違法ダウンロードによる逮捕者は稀なものの、逮捕される可能性はゼロではありません。

違法ダウンロードで逮捕されないためには、以下4つの対策を実施しましょう。

正規の方法でサービスを利用する

前提として、不正にアップロードされたコンテンツは利用せず、正規のサービスでコンテンツを楽しみましょう。

せっかく楽しんでいるコンテンツであっても、違法ダウンロードしてしまうと著作権者が本来得るはずの利益が損なわれます。

将来的にコンテンツを継続できなくなるおそれがある点からも、違法ダウンロードは避けるべきです。

違法ダウンロードしたものは削除する

違法ダウンロードをしてしまった場合、ただちにコンテンツを削除しましょう。

いつまでもデバイスにコンテンツを残しておくと、著作権法違反の証拠のひとつとして扱われかねません。

ただし、コンテンツを削除しても、故意に違法ダウンロードした時点で著作権法違反は成立しています。

削除したところで必ず逮捕されないわけではないものの、取り調べの際に反省の意思を示す材料となります。

逮捕されずに取り調べのみで釈放される可能性が高まるため、違法に取得したコンテンツはすみやかに消去しておきましょう。

違法ダウンロードしたコンテンツを再アップロードしない

違法ダウンロードにより取得したコンテンツを、再アップロードしてはいけません。

WebサイトやSNSへの公開だけでなく、知人へのファイル送信も違法アップロードに当てはまります。

再アップロードすると違法ダウンロードだけでなく、違法アップロードの罪も重ねてしまうため逮捕される危険性が増します。

違法アップロードの罰則は、「10年以下の懲役」または「1,000万円以下の罰金」です。

違法ダウンロードの罰則である「2年以下の懲役」または「200万円以下の罰金」より重いため、再アップロードは避けましょう。

弁護士に相談して方針を決めてもらう

違法ダウンロードしてしまい、逮捕への不安が強い場合、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に相談すれば、自身の行為が刑事罰を受ける危険性が高いのかを判断してくれます。

また、発信者情報開示請求によって「意見照会書」が自宅に届いた場合、著作権者との示談交渉や自首といった対応をサポートしてもらえます。

どのような状況であれ専門的な支援が受けられるため、逮捕の危険性が高いと感じる方は弁護士を活用してみてはいかがでしょうか。

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違法ダウンロードに関する法律相談Q&A

ここからは、ココナラ法律相談の「おしえて!法律Q&A」に寄せられた、違法ダウンロードに関する実際のお悩みと、弁護士による回答の概要をご紹介します。

「親告罪の場合でも逮捕される可能性はあるのか」「発信者情報開示請求が届く前に示談交渉を進めることはできるのか」「未成年が違法サイトのURLを掲示板へ投稿した場合にどのような法的リスクがあるのか」など、さまざまなご相談が寄せられています。

個別具体的な事情によって適切な対応や法的判断は異なるため、不安や疑問がある場合は、一人で抱え込まず、早めに弁護士へご相談いただくことをおすすめします。

親告罪における違法ダウンロードでの逮捕の可能性について

【質問】

漫画やアダルトビデオの違法ダウンロードを行った場合、親告罪にあたるため、実際には逮捕される可能性が低いのでしょうか?

【回答】

被害者から警察への被害届や告訴状の提出などがきっかけとなり、捜査が開始されるケースは多くあります。ただし、親告罪であることと、逮捕される可能性が高いか低いかについて、通常は関連性がありません。

参考:「漫画やアダルトビデオの違法ダウンロードは親告罪のため、逮捕される可能性は低いのでしょうか?

違法ダウンロードによる発信者情報開示請求前の示談交渉について

【質問】

トレントで成人向け動画を違法ダウンロードしたことを反省し、発信者情報開示請求が来る前の示談を希望しています。開示請求前に示談できるか、また弁護士を介して交渉すべきか教えてください。

【回答】

相手が行動を起こす前に、自発的に謝罪や交渉をすることは可能です。弁護士に代理を依頼し、書面を通じて交渉してもらうこともできます。ただし、相手が被害を認識していない場合は、書面の送付のみで終わる可能性もあるでしょう。

参考:「違法ダウンロードの開示請求前の示談について

未成年が違法サイトのURLを掲示板に貼付した場合の処罰について

【質問】

児童ポルノサイトのURLを掲示板に貼ってしまいました。今後の処罰について教えてください。未成年のため、逮捕や家庭裁判所での審判、進学への影響などを大変不安に感じています。

【回答】

児童ポルノのURLをネット上に公開する行為は、法律上の「公然陳列」に該当し、処罰対象となる可能性があります。まずは最寄りの法律事務所へ相談し、実際の行為が罪に問われるかどうかの検討を依頼してください。

参考:「未成年が違法サイトのURLを貼ってしまった場合の法的な影響と処罰について

著作権法に強い弁護士を探すならココナラ法律相談

違法ダウンロードは、本来有償で提供されているコンテンツと知りながら、不正にダウンロードする違法行為です。

コンテンツを楽しむ際は、必ず正規サービスから利用しましょう。

万一、違法ダウンロードをしてしまった際は、弁護士へ今後の対応方針を相談してみることをおすすめします。

刑事事件に強い弁護士を探すなら、ココナラ法律相談をご活用ください。

サイト上で地域や分野などの条件から弁護士を絞り込み検索できるため、ご自身にぴったりな弁護士をすばやく見つけ出せます。


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