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かしたに のりお
樫谷 典男弁護士
日比谷見附法律事務所
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離婚・男女問題の事例紹介 | 樫谷 典男弁護士 日比谷見附法律事務所

取扱事例1
  • 調停
婚姻費用分担調停を申し立てたところ,妻から離婚調停及び子との面会交流調停を申し立てられた事例

依頼者:30代女性

【相談前】
婚姻して夫婦共働きだったが、子どもができて妻は仕事を辞めた。
妻は仕事をしていないにもかかわらず、夫が家を出て行ってしまい、生活費も渡さなかった。
妻は収入もなく、生活ができないので、婚姻費用を請求したい。

【相談後】
妻の生活を維持するため、婚姻費用分担調停を申し立てた。
これに対して、夫は離婚調停及び子との面会交流調停を申し立ててきた。
夫は、子の親権及び養育費を請求し、財産分与については分与すべき財産がない、慰謝料を請求するなど一方的な要求をしてきた。
婚姻費用については、先に調停が成立し、妻の生活は維持できるようになった。
妻も離婚自体には応じる意思はあるが、子の親権を譲る意思はないし、養育費も請求する。
財産分与については、実際に財産は乏しいが、夫から暴力を受けたこともあり、今後の生活のことも考えれば、ある程度まとまった金額を請求する必要があった。
子の親権については、元々子が妻とともに生活しており、幼少でもあり、妻が親権者となることで合意できた。
養育費についても、現状では妻が離婚後直ちに仕事を始めることは難しいことなどを説明し、十分に納得できる金額で合意できた。
子との面会交流については、月1回の面会で、当面は、第三者の目もある子ども家庭支援センターでの面会とし、その費用は、夫側が負担することで合意できた。
問題は、夫から慰謝料請求されている状態で、今後の生活のためのある程度まとまった金額を夫に支払わせることであったが、この点についても、夫からの暴力があったこと、勝手に家を出て生活費も渡さなかったこと、特に離婚原因もなく、夫が一方的に離婚を求めていることなどを主張し、夫が妻に対してある程度まとまった金額を支払うことで合意できた。

【コメント】
夫婦が離婚する場合には、子の問題(親権、養育費、面会交流等)、財産分与の問題、慰謝料の問題など種々の問題がありまず。
子の問題については、子の年齢や生活状況、当事者双方の生活環境や経済状態、財産分与の問題については、当事者双方がその名義資産を明らかにし、自宅不動産など現預金以外の財産についてはその評価と分与の方法、慰謝料の問題について、慰謝料の発生原因となる事実とその立証方法、精神的損害の程度や金銭的評価など、多くのことが問題になります。
本件においては、当事者双方に代理人がついており、双方とも無理な主張に拘ることなく、比較的円滑にそれぞれの問題に合意ができました。
離婚を真剣に考える場合には、まず、離婚問題について詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。
取扱事例2
  • 調停
妻の家事放棄,暴言,浪費などを理由に離婚調停を申し立てた事例

依頼者:40代男性

【相談前】
婚姻期間は約19年であり、子も2人(18歳及び19歳)いる。
妻は、子が生まれた頃から、家事をあまりしなくなり、夫に対して給料が少ないなどの不平をいうようになった。
住居は夫の親の所有であり、住居費はかかっておらず、妻はバッグ、洋服、アクセサリーなどを頻繁に購入していながら、お金がない、稼ぎが少ないなどと夫を責めていた。
次第に夫に対する暴言がひどくなり、これ以上婚姻を継続することはできないと判断し、同居していた家を出て、実家で生活しつつ、離婚調停を申し立てた。

【相談後】
夫が自分で離婚調停の申立をした後、第1回調停期日の前に代理人となった。
本件では、妻が離婚を拒否していたこと、妻が、夫の親が所有する家屋に居住しており、速やかに退去させることが最も重要な問題であった。
妻は当初離婚自体を拒否していた点については、妻の問題行動を指摘し、婚姻関係回復の可能性がないことを丁寧に説明して、最終的に離婚に同意するようになった。
妻に夫の親の家屋から退去するよう求める点については、当初は拒否していたが、特に夫の親との間に賃貸借契約を締結していたわけではなく、その家屋に居住を継続する権利が法的には認められないことを説明し、速やかに退去するよう説得した。
結局、財産分与等の一時金を支払うこととして、妻も退去に応じるようになった。
財産分与については、共有財産といえるものはなかったが、将来支給されるであろう夫の退職金が問題となった。
しかし、実際に退職するまで、まだかなりの期間があり、財産分与に含めるには疑問があったが、上記家屋からの退去も考慮して一部支払うこととした。
ただし、妻の浪費による債務があり、同債務には夫が負担せざるを得ないものがあったため、これを考慮して財産分与額を定めるよう求め、かなり減額して支払うことになった。
子の親権については、いずれも成年間近であったので、子の意思を尊重し、妻が親権者となることになった。
養育費については、一般的な算定表にしたがって定めた。以上の内容で、無事に調停が成立した。

【コメント】
本件では、当初、妻が離婚を拒否しており、かつ、居住家屋から退去してもらわなければならなかったため、かなりの困難が予想されました。
しかし、夫が不当な要求をしているわけではないことを、調停委員に理解していただけたため、調停委員の協力を得て、半年足らずで調停を成立させることができました。
退職金に関しては、いまだ支給されるまでかなりの期間があったので、争う余地がなかった訳ではありませんが、夫の親の家屋から速やかに退去してもらう必要があったこと、分与できるような共有財産がなく、妻には転居のための費用も無い状態でしたので、速やかな解決のためには、このような選択をすることも必要だといえます。
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