正社員採用延期について

下請け会社Aで勤務していたところ親会社Bより引き抜きの話があった。条件は、直接引き抜くことはA会社との関係もあるため半年派遣会社Cで働いた後、B会社の正社員として採用するというものだった。また、他の人にその件について話さないようにとのことだった。C会社への入社も自分の意志でしたものでB会社は知らない前提ですすめたいとのことだった。B会社は新卒採用のみで中途採用は全て派遣からである。ABCは同敷地内で同作業している。引き抜きのきっかけはA会社を辞めようか悩んでいた際にB会社より、辞められると困るからB会社で働いてほしいというものだった。製造業のため、ノルマの達成に影響するためである。しかし、同じ場所で働くため、A会社に関しては半年経てばいいという問題ではないのかと問いたがどうにかするから問題ないと言われた。
書面で約束してほしいと伝えるがもらえなかった。
勧誘は班長、係長が行い、決定は部長であった。
A会社を退職し、C会社に勤務。休日出勤、100時間外労働を約4ヶ月行ってきた。同職場のためA会社の人との接点も多くあった。
半年勤務してきたが採用の話を1年後と変更してきた。不服を伝え、退職を検討すると、部長と班長とA会社との交渉を行い、引き抜きは可能となった。しかし、採用1年後はかわらずである。
話は全て口頭で行われており、書面はない。信じたことが悪くどうしようもないのか。
延期になったことについて妻に謝罪に来ると言っている。その際に何か証言がとれたら訴えることは可能なのか。相手のどういう証言が必要でこちらのどういう証言がリスクなのか、訴えても得られる物より代償の方が大きい可能性が高いのか。複数の子供もおり、金銭的にも精神的にも苦痛である。

状況的には、B(元)にとってみれば、継続的・長期的な業務がある場合は、
A(下請)への中間マージンが生じない直接雇用にメリットがあるため、
勧誘を行ったという経緯でしょう。
ご自身がAとの関係で「有効」な競業避止義務を負っていなければ、Bに転職をしたとしても法的な問題は生じません。
問題なのは、Bの行為であって、Aとの関係で、BはAに対して損害賠償義務(契約上か信義則上)などを負う可能性があります。
そのため、C社経由であったり、1年後というような話になっているのだと思われます。

不安定な状況に置かれている現状で大変お困りだと思われます。
対応としては、Bとの間で正式に雇用契約(始期についてはAB間の関係もあるので、直ぐにというのは難しいかもしれません)を締結するとともに、始期が当初から遅れた場合は、その期間の経済的な面での損害等について、補償を求めるということが考えられます。

ただ、冒頭でも述べましたように、Bが求めているのは、「安価な」、Bにとって都合の良い労働力であるので、上記要求をした場合に、白紙撤回を告げてくるリスクはあります(法的に問題があるかはさておき)。

上記を踏まえたうえで、Bとの直接のやりとりの際に、弁護士から都度助言を受けたり、ある程度ソフトな形での交渉の代理を求めることはご検討なさってもよいかもしれません。