訴訟するか未定の段階で、“証拠となり得る物の保管”を会社に応じてもらえる方法は在りますか?

退職済みの会社に対し、時間外労働とパワハラセクハラに対する未払金・慰謝料の請求を検討中です。正直なところ、訴訟するか否か随分と迷っております。その間にも証拠や判断材料となるかもしれない『監視カメラ記録』や『過去のシフト表』がどんどん消えてゆくことを危惧し、ひとまず上2つの保管だけでも会社に依頼できないものかと模索しております。

①訴訟しない時のことを考えると、できれば詳細は会社にまだ伝えたくありません。守秘義務があるであろう顧問弁護士の方に保管について相談したいのですが、既に退職後の私から顧問弁護士の方に繋いで欲しいとお願いすることは法律上問題ありますでしょうか?また、もし顧問弁護士の方に繋げないと断られた場合、どこの部署に依頼すべき内容なのでしょうか?

②“会社に依頼自体は可能なものの、裁判所を通さない限り会社が応じる義務はない”と聞きました。訴訟を早く決断しない限り、いざと言う時の為に上2つを確実に保管しておいてもらう方法はないのでしょうか?何か良い方法があれば、是非ともご助言いただきたく存じます。宜しくお願いいたします。

1 会社のパワハラ・セクハラ相談窓口があればそちらなのかもしれませんが、どこまで実効性があるか不透明です。
 また、顧問弁護士に連絡すること自体は問題ないと思いますが、あくまで会社からの依頼を受けている関係なので、第三者的な役割を期待するのは難しいと思います。

2 訴訟を起こす前に証拠を確保する「証拠保全」という手続きがあり、医療事故でカルテ・レントゲン写真などを改ざんされる前に確保する手続きがあるにはあります。
 ただし、弁護士に依頼しないと難しい手続きですし、費用もかさむと思います。

いずれにしても一度、弁護士にじっくりとご相談された方がよいと思います。

会社の顧問弁護士は会社に対して守秘義務を負っているだけですので、紛争の相手方となり得るあなたから聞いた話については基本的に会社に対して報告することになるかと存じます。一般的に弁護士かぎりの話にしてほしいという相手方の要望を受け容れることは状況によってはあるかもしれませんが、相手方に誤解を与える可能性があり、利益相反の問題が生じうるのでそういった要請は拒絶する場合が大半でしょうし、とりわけ今回の状況において弁護士かぎりの話にしてほしいという要望を受け容れる弁護士はほとんどいないと思います。

会社内の部署に相談した場合についても通常は会社内で情報共有が図られるでしょうから、結局のところ、関係資料等をまとめて一度弁護士に相談した上で、事案の見通し等を示してもらい、訴訟するかどうかを早急に決断された方が良いかと存じます。訴訟提起を選択される場合は、通常、会社が隠蔽のため過去の記録を廃棄すること等を防ぐため、弁護士と相談の上、訴え提起前の証拠保全の要否等を検討することになります。

いずれにせよ、あなたの動きを悟られた場合、少なくとも一般論としては会社が隠蔽工作を行う可能性があるため、慎重な対応が必要になってくるかと存じます。