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つねや あさこ
常谷 麻子弁護士
土佐堀通り法律事務所
肥後橋駅
大阪府大阪市西区江戸堀1-15-27 アルテビル肥後橋5階
対応体制
  • 法テラス利用可
  • 初回面談無料
  • 休日面談可
  • 夜間面談可
  • WEB面談可
注意補足

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インタビュー | 常谷 麻子弁護士 土佐堀通り法律事務所

行政機関の勤務経験あり。企業の許認可手続き、トラブルを回避する行政との橋渡し役

かつて行政機関の組織内弁護士を務めるなど、異色のキャリアを辿ってきた土佐堀通り法律事務所の常谷 麻子(つねや あさこ)弁護士。
現在はその経験を活かし、企業の許認可手続きやそれをめぐる不服申し立てなど、企業・市民と行政を橋渡しする活動に熱を入れています。
法律相談サークルに所属していた学生時代の葛藤、大好きな大阪への思い、そして事件解決に傾ける執念とはーー。

01 弁護士としてのキャリア

和歌山市役所、近畿財務局に勤務。異色のキャリアを辿った理由

ーー組織内弁護士として行政機関に勤めるなど、多彩なキャリアが光ります。これまでの足跡を聞かせてください。

弁護士キャリアの一歩を踏み出した場所は、地元の北海道でした。
大学とロースクール時代を大阪で過ごしたあと、地元に戻って札幌市内にある法律事務所に就職したんです。

道内では比較的大きな事務所でした。
そこに4年ほど在籍し、離婚や相続、交通事故などの一般民事、刑事事件、企業法務など一通りの事件を経験しました。

そして、次のステップに選んだのが、ご指摘の行政機関です。
和歌山市役所と、財務省の出先機関である近畿財務局。その組織内弁護士として、リーガルチェックや訴訟、コンプライアンス対応などを任されました。
いずれも、弁護士の手があまり入っていない分野に挑戦したかったのが理由でした。

和歌山市ではほかにも、空き家対策などの条例制定にも携わりました。
一方、近畿財務局でおもに担当していたのは、国有地の貸付や払い下げ問題です。
そのおかげで、不動産問題にも詳しくなりましたね。

02 得意分野と強み①

企業の許認可手続き、行政との橋渡し役に。不服申し立てもサポート

ーーそうした貴重な経験を、ぜひ今の業務に活かしたいところですね。

その通りで、私が現在最も力を入れている分野のひとつが、まさに行政事件なんです。

実は、和歌山市役所と近畿財務局のほかにも、大阪府内のある自治体で行政不服審査会の委員、また別の自治体では債権回収の部門でお手伝いをした経験もあります。

行政機関を手助けすることは、「市民の敵」に回るイメージを持たれる方がいらっしゃるかもしれません。
ただ、それは誤解です。
法的な観点から、市民のための正しい行政を実現する。
その協力をしていたんです。

行政機関は、どのように法的問題を処理しているか。
行政に関わる法律を、どう読み解けばいいのか。
内部の事情やスキームを熟知しているからこそ、今度は企業や市民の味方としてスムーズな解決のお手伝いができる。
ここに、私の最大の強みがあるはずです。


ーー行政事件では、具体的にはどんな相談が多いんですか?

よくいただくのは、企業の許認可手続きに関するご相談です。
営業、開発、建築など、企業は事業内容に応じてさまざまな許認可を得る必要があります。
その事前の手続きのサポート、さらにはトラブルが発生した後の対応、そうしたことを幅広くサポートさせていただいています。

なかでも頻繁にあるのが、介護報酬の不正受給をめぐるトラブルです。
介護事業者は、たとえば施設の広さに応じて「有資格者を◯人以上配置すべき」といった条件をクリアしなければいけません。

ただ、なかには一度は事業許可が下りたものの、あとで行政から人数不足を指摘されるようなことがあるんです。
故意か否かにかかわらず、それは「不正受給」とみなされ、介護報酬の全額返金を迫られてしまいます。
しかも、場合によっては利息がついてしまうケースもあるんです。


ーーそれは事業者にとって、経営を左右する大打撃になりそうです。

ただ、打ち手がないわけではありません。
行政不服審査法に基づき、不服を申し立てることができるんです。

その一例をご紹介します。
行政はなぜ処分を下したのか、その理由を明確に示さなければなりません。
これは法律で定められていることです。

しかし、行政側で数々の不服審査に携わった私の経験上、「その理由では不十分ではないか」と思うようなことがよくあったんです。
ですから、まずはそこから争うことができます。
行政側の理由の不備を突くことで、処分を無効にすることができるんです。
もしくは、利息だけでも免除される可能性があります。


ーー相手が行政だと及び腰になりそうですが、闘える余地は十分あるんですね。

行政機関にいたときによく感じていたのが、企業や一般の方々と、行政との間の争いは説明不足や誤解から生じるケースが少なくないことでした。
うまく意思疎通を図り、両者をつなぐ橋渡し役になること。
それは、私だからこそできることだと自負しています。

介護業界についていえば、深刻な人手不足などから法務に時間を割く余裕のない事業者も多いはずです。
日常的に関わる顧問契約がベストですが、スポットでも困ったことがあればぜひ相談いただきたいですね。

03 得意分野と強み②

債権回収や不動産にも精通。放火を疑われた火災事故で保険金を獲得

ーーある自治体では、債権回収にも従事していたとおっしゃっていました。

週1〜2回、その自治体が保有するさまざまな債権を回収する仕事に携わっていました。
また、過去には金融機関の顧問弁護士を務めたこともあります。
仮処分や取り立てなどの経験は豊富で、手続きを熟知しています。

それと、不動産問題です。
近畿財務局で土地問題を多く扱っていたため、借地・借家トラブルや、売買後の土地や建物に瑕疵が見つかった際の対応にも詳しいです。
現在は、とくに建物明け渡し請求のご相談を多くいただいています。


ーー守備範囲がとても広いんですね。

これまでご紹介してきた分野からは離れますが、印象に残っている事件があるんです。
工場の火災事故で保険金の支払いをめぐって争った裁判です。

「意図的に放火したのではないか」。
私は工場側の代理人を務めたんですが、保険会社からは当初、そういう理由で支払いを拒否されたんです。
確かに、約款には契約者やそれに近しい人物が故意に火をつけた場合は、保険金は支払われないとする記載がありました。


ーーでも、放火の根拠はあったんですか?

いいえ、消防による現場検証の結論は「火災の原因は特定できない」というものでした。
つまり、少なくともこの時点では放火の根拠はありません。
ただ、法廷で保険会社側は必死にその証拠を示そうとしてきました。
それをことごとく跳ね除け、最終的に数千万円にも上る保険金を無事に獲得することができたんです。

この結果には、依頼者さまもとても満足された様子でした。
ただ、実はその金額にたどり着くまでには、血のにじむような地道な作業があったんです。

損害の対象は建物そのものだけでなく、工場内にあった設備や備品類なども含まれます。
燃えずに残った伝票を1枚ずつめくったりしながら、具体的な損害をひとつずつ丹念に積み上げていったんです。

04 弁護士としての原点

大学時代の法律相談サークル。もどかしさをバネに夢を叶えた今

ーー執念で手にした結末だったんですね。依頼者も心強く感じるはずです。

振り返れば、私が弁護士を目指した原点は、大学時代の法律相談サークルにあります。

一般の方々から悩みをお聞きしながらも、最後はどうしても「弁護士に相談してください」とお伝えするしかない現実に無力感ともどかしさを痛感する日々でした。
自分の力で、悩みを解決できるようになりたい。
その一心で、この世界で働くことを夢見てきたんです。

残念ながら、今でも弁護士は多くの方にとって遠い存在と思われがちです。
でも、ぜひ遠慮せずに気軽にご相談いただきたいんです。
私は、相談時間を機械的に区切ったりするようなことはしません。
じっくり耳を傾け、心置きなく話していただく。
そんな相談スタイルを心がけています。

何より、私は大阪特有の人懐こさや温かさが大好きなんです。
大学、ロースクール、そして弁護士として働く今。
大事な時期を過ごした場所、そして支えてくれた人たちのために、これからも力の限りを尽くしていきます。
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