不同意わいせつ被害者としての疑問:犯人の刑期と監視については

先日、帰宅途中の自宅前路上で男に背後から口を塞がれ、下半身を服の上から触られる被害にあいました。
叫んで逃げたため、怪我などはありませんが、日が落ちてから1人で帰宅は出来ずタクシーなどを使っています。
警察に被害届を提出し、犯人は不同意わいせつ罪で逮捕されましたが、未だ連絡などは一切ありません。
犯人は、近所に住んでいるそうです。
このまま起訴された場合
・犯人の刑期はどのくらいになるのでしょうか
・出てきた場合に自宅の場所を知られているのが怖いのですが、その後も監視などはあるのでしょうか
・示談にしなかった場合、賠償金などは払われないのでしょうか

・犯人の刑期はどのくらいになるか
→ 不同意わいせつ罪(刑法176条)の法定刑は、六月以上十年以下の懲役とされています。前科や余罪の有無等によっても異なってきますが、起訴された場合、概ね上記の法定刑の範囲で刑が言い渡されます(なお、事案によっては執行猶予が付される可能性もあります)。

・出てきた場合に自宅の場所を知られており怖い、その後も監視などはあるか
→ 制度的に監視するシステム等がないのが現状です。
 現状の対策としては、例えば、以下のようなことが考えられます。
①受刑中の処遇状況や出所情報などの通知制度を利用する
【参考】法務省サイト
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-7.html

②引っ越せない事情があるような場合、警察に相談し、パトロール等の依頼してみる

③行政の見舞金支援を利用して転居する
 神奈川県の場合、転居見舞金(20万円)という制度があります。
【参考】「神奈川県犯罪被害者等見舞金制度について」(神奈川県ホームページ)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/f5g/cnt/f4181/mimaikin.html

④転居代等の損害賠償を求める
 ※示談条件として、転居代等を含めるケースもあります。

・賠償金の請求の仕方について
→ 刑事責任とは別に、民事の損害賠償責任を問うことができます。損害賠償命令の活用などにより、裁判所で損害賠償額を確定させることが可能です。ただし、犯人が刑事事件で実刑となり、刑務所に服役する可能性のあるケース等では、損害賠償をするタイミング等を見極める必要が出てきます。

・被害者のサポート制度の案内
 いずれにしても、性犯罪の性質上、被害を受けたあなたご自身で犯人側と連絡・交渉等するのは難しいでしょうから、弁護士依頼にして代理人として活動してもらう方法もあります。
 なお、被害者が弁護士に相談•依頼する場合のサポート制度として、①委託援助(刑事事件対応に関する費用のサポート制度)•②民事法律扶助(損害賠償請求等の民事事件に関する費用のサポート制度)•③国選被害者参加弁護士制度(裁判対応費用のサポート)等が利用できる可能性があります。
 一度、お住まいの地域等の犯罪被害の分野に精通している弁護士に相談してみて下さい。