詐欺で得たお金を第三者に振り込むことは犯罪ですか?

詐欺等で得たお金と知りながら依頼されて第三者に振り込みするのは犯罪ですか?
振り込みを行った際の本人確認で送金できなかった場合でも犯罪ですか?

いわゆる受け子や出し子等として関与したものと扱われる場合、詐欺罪等の共犯に問われる可能性があります。
 また、第三者に振り込みをする前提として、張り込みをするまでに、詐欺罪等で得た現金を運搬•保管することになるものと思われますが、そのような場合には、盗品等関与罪に問われる可能性があります(送金が結果的にできなかったとしても、それまでの運搬•保管の責任は問える可能性があります)。
 さらに、事案によっては、マネーロンダリング (資金洗浄)の規制等を目的とする組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律に定められた犯罪収益等隠匿罪に問われる可能性もあります。
 加えて、刑事責任まで問われないとしても、民事上、不法行為に基づく損害賠償責任を問われる可能性もあります。
 仮に、迷惑はかけない等と頼まれたとしても、一切関わらないようにすべきでしょう。

【参考】刑法
(盗品譲受け等)
第二百五十六条 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

【参考】組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
(犯罪収益等隠匿)
第十条 犯罪収益等(公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律第三条第一項若しくは第二項前段、第四条第一項又は第五条第一項の罪の未遂罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。以下この項において同じ。)により提供しようとした財産を除く。以下この項及び次条において同じ。)の取得若しくは処分につき事実を仮装し、又は犯罪収益等を隠匿した者は、十年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。犯罪収益(同法第三条第一項若しくは第二項前段、第四条第一項又は第五条第一項の罪の未遂罪の犯罪行為により提供しようとした財産を除く。)の発生の原因につき事実を仮装した者も、同様とする。
2 前項の罪の未遂は、罰する。
3 第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

これはたとえ初犯でも重い刑に処されますか?

組織犯罪や特殊詐欺への関与は、初犯であっても起訴されることも多く、実刑が科されるケースもあります。
 迷惑をかけない、お礼をする等の甘言に惑わされることなく、一切関わらないようにしましょう。

夜遅くにありがとうございました