販売委託契約書における契約解除の手続きに関する問い合わせ
弊社はメーカーで、小売店Aと販売委託契約書を結んでいます。
A社から契約書にない取引条件を追加で課す旨の一方的な通知が来たため、契約解除をしたいと考えています。
一般的な契約書には「契約解除の際には1か月前までに書面で通知する」など契約解除に関する条項があるかと思いますが、A社との間の販売委託契約書には、解約解除に関する条項がありません。
何かしら影響がありそうな条項としては「協議」とのタイトルで、「本契約に定めのない事項、又は、本契約の条文の解釈に疑義が生じた事項については、委託者・受託者誠意をもって協議し、円満解決を図るものとする」とあります。
この場合、弊社からA社に契約を解除したい旨を通知すれば、即日解約できるのでしょうか。
それとも協議を行った上で解約にA社の合意を取り付けなければいけないのでしょうか。
ご教示ください。
相手方の一方的な通知に貴社が従わなければいけないわけではないですが、かといって即時解除も簡単ではありません。継続的契約の解除に関しては、法律に明文がなく裁判例においても画一的な基準がない問題ですので、弁護士への個別の法律相談をおすすめします。
弁護士としては、契約書の条項全体、追加された取引条件の内容、これまでの契約の長さ、どのような商品の販売委託か等、色々な事情を聞かなければ適切なアドバイスが難しいです。
早速ありがとうございます。
個別相談すべきとのご助言でしたので、以降は有料対応と承知しました。
一応、詳細は以下に記載しておきます。
販売委託契約書は非常に簡素なもので、1)販売委託、2)販売、3)許可・届出、4)販売価格・手数料、5)送金、6)商品管理、7)協議、8)年会費、以上です。1~6で、弊社が商品をA社の店頭に並べた場合の事務手続きが規定されている程度です。
追加の取引条件は、「お客様からのクレーム時は、お客様に責任がない場合以外は、A社では一切の責任を負わず、対応も行わない。A社は商品交換をお客様に提案するので、その後のお客様対応は製造者で行い、商品交換費用も製造者負担」というものをはじめ、5項目に渡るものです。お客様クレームは、店側の店頭での商品保管の状況に起因するもの(パッケージ破損など)もありますが、それらも含めて、要は製造者側で商品交換を速やかに行いクレームの火消しをしろ、店側は一切タッチしないという指示と考えています。
追加の取引条件の書面には「承諾しました」という欄にチェックをし期限までに提出するよう指示が書かれており、「チェックの記入がない書面は受理いたしかねます」と書かれているので、「承諾しませんとの意思表示をした書面を提出するという選択をすれば、実質、契約解除に準じる状況になるのかもしれません。突き返されるかもしれませんが。
もともと販売委託契約で、弊社がA社に販売を委託する場合の取引条件が定められているだけで、弊社側に出品義務は規定されていないので、商品をこれ以上納品しなければ実質的に契約終了の状況になります。
先方がなぜそこまで強気なのか不思議です。
「条件が有利にならなければ契約解除したほうがよい」と考えているとしか思えません。そうであれば合意解除は容易です。
商品を納品しないという手段もありえますね。
ありがとうございます。
全ての取引先に追加の取引条件に関する書面が一斉郵送されているようなので、どこかの取引先がお客様クレームで何か大きな問題を起こしたのかもしれません。もしくは4月にA社の経営トップが交代したようなので、トップ個人の考え方によるものなのかもしれません。
ここ1年ほど売上が低下しているので、これを機に、商品納品を控えていきたいと思います。