差し押さえ後の処分について

裁判所から差し押さえられた建物を、裁判所の許可なく増改築したり、売買してしまった場合には罰則はあるのでしょうか。

こんにちは。

いずれも罰則はありませんが、民事執行法により以下のように取り扱われます。

1 売買 
差押えは登記されるので、この差し押えの後に売買しても効力が劣ることとなります(法律上「対抗できない」といいます)。
→競売されて買い受けた人に引き渡さなければなりません。

2 増改築
修繕程度であれば問題ありませんが、増改築により建物の価格が減少する恐れがある場合には、増改築の禁止や原状回復を命じる保全処分や、執行官への引き渡しや保管させることを命じる保全処分等々が裁判所から出されることになります。

回答ありがとうございます。すごく参考になりました!

問題になるとすれば以下のあたりかと思います。
具体的な態様によります。

刑法 (封印等破棄)
第九十六条 公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(強制執行妨害目的財産損壊等)
第九十六条の二 強制執行を妨害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第三号に規定する譲渡又は権利の設定の相手方となった者も、同様とする。
一 強制執行を受け、若しくは受けるべき財産を隠匿し、損壊し、若しくはその譲渡を仮装し、又は債務の負担を仮装する行為
二 強制執行を受け、又は受けるべき財産について、その現状を改変して、価格を減損し、又は強制執行の費用を増大させる行為
三 金銭執行を受けるべき財産について、無償その他の不利益な条件で、譲渡をし、又は権利の設定をする行為

(強制執行行為妨害等)
第九十六条の三 偽計又は威力を用いて、立入り、占有者の確認その他の強制執行の行為を妨害した者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 強制執行の申立てをさせず又はその申立てを取り下げさせる目的で、申立権者又はその代理人に対して暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

(強制執行関係売却妨害)
第九十六条の四 偽計又は威力を用いて、強制執行において行われ、又は行われるべき売却の公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。