おの ともひこ
小野 智彦弁護士
大本総合法律事務所
大手町駅
東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング8階
インタビュー | 小野 智彦弁護士 大本総合法律事務所
マジシャンとの二刀流、どちらも「人に喜んでほしいから」。キャリア25年超、ある個性派弁護士の思い
25年以上もの長い間、市井の人々の悩みに向き合ってきた大本総合法律事務所の小野 智彦(おの ともひこ)弁護士。
とくに離婚や刑事事件に強く、子どもの引き渡しをめぐる逆転勝訴をはじめ、数々の成果を上げてきました。
また、マジシャンという別の顔を持ち、毎月のようにステージに立ち続けています。
「誰かに喜んでもらいたいから」「つらさを笑顔に変えたいから」。
依頼者への思いを熱く語る姿から見えてくるものとはーー。
とくに離婚や刑事事件に強く、子どもの引き渡しをめぐる逆転勝訴をはじめ、数々の成果を上げてきました。
また、マジシャンという別の顔を持ち、毎月のようにステージに立ち続けています。
「誰かに喜んでもらいたいから」「つらさを笑顔に変えたいから」。
依頼者への思いを熱く語る姿から見えてくるものとはーー。
01 原点とキャリア
「一緒に泣いたり、笑ったりできる職業」。人生を変えた恩師の言葉
ーーはじめに、弁護士を志した理由やきっかけを教えていただけますか?
実は高校生のときに、一度悪さをして警察に捕まってしまったことがあったんです。
少し奇妙な動機かもしれませんが、それで法律を真剣に学ぼうと思ったのが最初のきっかけでした。
そんな思いで法学部に進学した大学時代にも、人生を決定づけるような大きな出会いがありました。
「弁護士っていうのはな、依頼人と一緒に泣いたり笑ったりできる唯一の職業なんだ」。
ある弁護士の方とお会いし、その熱い言葉に心を突き動かされたんです。
ーーそして、実際に弁護士として25年以上も長く活動されています(2026年4月現在)。
その弁護士の先生の言葉通り、本当にいい仕事にめぐり会えたなと実感しています。
ただ、その道のりは平たんではありませんでした。
勉強に打ち込んだ学生時代、当時は今と比べて合格率が低い旧司法試験です。
合格するまで何年もかかり、体調不良で倒れ込んでしまうこともあったんです。
それでもやっとの思いで合格し、あの先生のもとに報告へーー。
「先生のような弁護士になりたい」と告げると、「じゃあうちにくるか」と誘っていただき、その先生が代表を務める事務所に15年ほど勤めました。
場所は、「とげぬき地蔵」で有名な東京・巣鴨です。
長くいるうちに、街を歩いていると住民の方々から声をかけてもらえるようになりましてね。
生活に苦しんでいる方も多く、お金の代わりに大量の果物をいただくようなこともありました。
実は高校生のときに、一度悪さをして警察に捕まってしまったことがあったんです。
少し奇妙な動機かもしれませんが、それで法律を真剣に学ぼうと思ったのが最初のきっかけでした。
そんな思いで法学部に進学した大学時代にも、人生を決定づけるような大きな出会いがありました。
「弁護士っていうのはな、依頼人と一緒に泣いたり笑ったりできる唯一の職業なんだ」。
ある弁護士の方とお会いし、その熱い言葉に心を突き動かされたんです。
ーーそして、実際に弁護士として25年以上も長く活動されています(2026年4月現在)。
その弁護士の先生の言葉通り、本当にいい仕事にめぐり会えたなと実感しています。
ただ、その道のりは平たんではありませんでした。
勉強に打ち込んだ学生時代、当時は今と比べて合格率が低い旧司法試験です。
合格するまで何年もかかり、体調不良で倒れ込んでしまうこともあったんです。
それでもやっとの思いで合格し、あの先生のもとに報告へーー。
「先生のような弁護士になりたい」と告げると、「じゃあうちにくるか」と誘っていただき、その先生が代表を務める事務所に15年ほど勤めました。
場所は、「とげぬき地蔵」で有名な東京・巣鴨です。
長くいるうちに、街を歩いていると住民の方々から声をかけてもらえるようになりましてね。
生活に苦しんでいる方も多く、お金の代わりに大量の果物をいただくようなこともありました。
02 得意分野と実績①
子どもの引き渡しで逆転勝訴。夫の申し立てを退け、母子の生活を死守
ーー長いキャリアの中で、どんな事件を扱ってきたんでしょうか?
離婚や相続といった家庭の問題から、刑事事件、交通事故、不動産、企業法務などまで、さまざまなご相談をお受けしてきました。
その中でも多く扱ってきたのが、離婚・男女問題です。
とくに当時は嫌がる弁護士が多く、ほかの事務所で断られたからと困ってご相談にいらっしゃる方が大勢いたんです。
「頼ってくれる人がいるなら、力になりたい」と、私はそのたびに率先してお引き受けしてきました。
男女や年齢を問わず、これまで相当な数のSOSに向き合い、経験とノウハウをどんどん積み上げてきたんです。
ーーとくに印象に残っている事件などがあれば教えてください。
子どもの引き渡しをめぐって、高裁の抗告審で逆転勝訴した事例です。
依頼者さまは夫のモラハラに耐えられず、未就学児の子ども2人を連れて家出してきた女性でした。
それに対し、夫は子どもの引き渡しの審判と保全処分(判決が出る前に裁判所が暫定的に行う命令)を申し立ててきたんです。
そして、あろうことか夫側の主張が認められてしまいました。
女性が行き先も告げずに子どもを連れ出したのは、違法な行為だとされてしまったんです。
ーーただ、その判断には納得できなかったと。
すでに女性と子どもたちの生活は半年が経過し、実家の援助もあって精神的にも経済的にも、安定した日々を送っていました。
そんな母子の平穏な暮らしを奪う権利が誰にあるのかと、即時抗告(裁判所の決定・命令に対して不服を短期間に申し立てる手続き)を行ったんです。
すると、ある日のことです。
「原審判を取り消す。相手方の本件申し立てを却下する」との決定が届きました。
待ちに待った、逆転勝訴です。
すぐに依頼者さまにお伝えすると、満面の笑みを浮かべて喜んでおられましたね。 子どもたちと母親が一緒にいられることになり、私も心底よかったと胸が熱くなりました。
ーーその事件に限らず、離婚・男女問題で大切にしていることはありますか?
依頼者さまと相手方、その双方の言い分にきちんと耳を傾けることです。
そして、お互いになんとか歩み寄れる着地点や落としどころを探ることを心がけています。もちろん一筋縄ではいきませんが、そのために心理学を学んだりと交渉や駆け引きを磨いてきました。
それは、離婚と同じく力を入れている相続もそうです。
親族間で激化する感情的な争い、その複雑に絡まった糸をどう紐解くか。
離婚と同様、これまで場数を踏んできた経験がなせる技でもあるはずです。
離婚や相続といった家庭の問題から、刑事事件、交通事故、不動産、企業法務などまで、さまざまなご相談をお受けしてきました。
その中でも多く扱ってきたのが、離婚・男女問題です。
とくに当時は嫌がる弁護士が多く、ほかの事務所で断られたからと困ってご相談にいらっしゃる方が大勢いたんです。
「頼ってくれる人がいるなら、力になりたい」と、私はそのたびに率先してお引き受けしてきました。
男女や年齢を問わず、これまで相当な数のSOSに向き合い、経験とノウハウをどんどん積み上げてきたんです。
ーーとくに印象に残っている事件などがあれば教えてください。
子どもの引き渡しをめぐって、高裁の抗告審で逆転勝訴した事例です。
依頼者さまは夫のモラハラに耐えられず、未就学児の子ども2人を連れて家出してきた女性でした。
それに対し、夫は子どもの引き渡しの審判と保全処分(判決が出る前に裁判所が暫定的に行う命令)を申し立ててきたんです。
そして、あろうことか夫側の主張が認められてしまいました。
女性が行き先も告げずに子どもを連れ出したのは、違法な行為だとされてしまったんです。
ーーただ、その判断には納得できなかったと。
すでに女性と子どもたちの生活は半年が経過し、実家の援助もあって精神的にも経済的にも、安定した日々を送っていました。
そんな母子の平穏な暮らしを奪う権利が誰にあるのかと、即時抗告(裁判所の決定・命令に対して不服を短期間に申し立てる手続き)を行ったんです。
すると、ある日のことです。
「原審判を取り消す。相手方の本件申し立てを却下する」との決定が届きました。
待ちに待った、逆転勝訴です。
すぐに依頼者さまにお伝えすると、満面の笑みを浮かべて喜んでおられましたね。 子どもたちと母親が一緒にいられることになり、私も心底よかったと胸が熱くなりました。
ーーその事件に限らず、離婚・男女問題で大切にしていることはありますか?
依頼者さまと相手方、その双方の言い分にきちんと耳を傾けることです。
そして、お互いになんとか歩み寄れる着地点や落としどころを探ることを心がけています。もちろん一筋縄ではいきませんが、そのために心理学を学んだりと交渉や駆け引きを磨いてきました。
それは、離婚と同じく力を入れている相続もそうです。
親族間で激化する感情的な争い、その複雑に絡まった糸をどう紐解くか。
離婚と同様、これまで場数を踏んできた経験がなせる技でもあるはずです。
03 得意分野と実績②
刑事弁護に強く、常識を覆し再度の執行猶予。更生する姿に込み上げた思い
ーー離婚と相続のほかに、強調されたい分野はありますか?
刑事事件です。
私自身が過去に少年事件を起こしたこともあり、少年らの弁護を含めて力を入れてきました。
これまで数々の事件に当たってきましたが、中でも駆け出しの頃に担当した忘れられない事件があります。
ーーどんな事件だったんですか?詳しく聞かせてください。
住居侵入と窃盗、被害金額は150円ーー。
20代半ばの男性が起こした事件の起訴内容を聞いて、正直これは楽勝だと引き受けた事件でした。
ただ、よくよく考えると「150円の窃盗」で起訴されていること自体がそもそもおかしいことに気がつきましてね。
接見に行ったら案の定、執行猶予中の犯罪だったことが判明。
それではいくら被害金額が小さくても、普通に考えれば実刑判決は避けられないような状況だったんです。
ーー絶望的な状況に追い込まれていたと。
ただ、依頼者さまの話を聞いていて、気になることが次々と出てきました。
精神科の受診歴があること、両親や兄弟姉妹とバラバラという過酷な家庭環境に置かれていることがわかったんです。
そして、身元引受人になってくれる人はいないかと尋ねたところ、「1人だけ、頼れる兄がいる」と。
ただ、住所も電話番号も知らず、手がかりは最寄駅だけ。
それでも夏の暑いある日、私はその駅まで向かいました。
ーーお兄さんの家を探し出せたんですか?
地図を片手に何時間も探し回って、ようやく見つけることができました。
残念ながら不在だったので手紙を置いてきたんですが、後日連絡がありましてね。
「弟の裁判に情状証人(形を軽くしてもらうために証言する人)として出てくれないか」とお願いしたんです。
無事引き受けていただくとともに、疎遠だったほかの兄弟姉妹にも知らせてくれて、なんと裁判当日に全員が法廷に揃ったんです。
その証言とともに、依頼者さまは犯行当時、心神耗弱(こうじゃく)状態だったとして減刑を求めたところ、再度の執行猶予がつきました。
そして、その1年後のことです。
依頼者さまから突然電話があり、「先生、今日は何の日だか知ってますか?」というんです。
ピンと来なかったので、聞き返すと「ちょうど1年前、執行猶予で出られた日ですよ」と。
事務所の近くまで来ているからと、ランチをご馳走してもらいました。
懸命に更生する姿を見て、本当にうれしい気持ちになりましたね。
刑事事件です。
私自身が過去に少年事件を起こしたこともあり、少年らの弁護を含めて力を入れてきました。
これまで数々の事件に当たってきましたが、中でも駆け出しの頃に担当した忘れられない事件があります。
ーーどんな事件だったんですか?詳しく聞かせてください。
住居侵入と窃盗、被害金額は150円ーー。
20代半ばの男性が起こした事件の起訴内容を聞いて、正直これは楽勝だと引き受けた事件でした。
ただ、よくよく考えると「150円の窃盗」で起訴されていること自体がそもそもおかしいことに気がつきましてね。
接見に行ったら案の定、執行猶予中の犯罪だったことが判明。
それではいくら被害金額が小さくても、普通に考えれば実刑判決は避けられないような状況だったんです。
ーー絶望的な状況に追い込まれていたと。
ただ、依頼者さまの話を聞いていて、気になることが次々と出てきました。
精神科の受診歴があること、両親や兄弟姉妹とバラバラという過酷な家庭環境に置かれていることがわかったんです。
そして、身元引受人になってくれる人はいないかと尋ねたところ、「1人だけ、頼れる兄がいる」と。
ただ、住所も電話番号も知らず、手がかりは最寄駅だけ。
それでも夏の暑いある日、私はその駅まで向かいました。
ーーお兄さんの家を探し出せたんですか?
地図を片手に何時間も探し回って、ようやく見つけることができました。
残念ながら不在だったので手紙を置いてきたんですが、後日連絡がありましてね。
「弟の裁判に情状証人(形を軽くしてもらうために証言する人)として出てくれないか」とお願いしたんです。
無事引き受けていただくとともに、疎遠だったほかの兄弟姉妹にも知らせてくれて、なんと裁判当日に全員が法廷に揃ったんです。
その証言とともに、依頼者さまは犯行当時、心神耗弱(こうじゃく)状態だったとして減刑を求めたところ、再度の執行猶予がつきました。
そして、その1年後のことです。
依頼者さまから突然電話があり、「先生、今日は何の日だか知ってますか?」というんです。
ピンと来なかったので、聞き返すと「ちょうど1年前、執行猶予で出られた日ですよ」と。
事務所の近くまで来ているからと、ランチをご馳走してもらいました。
懸命に更生する姿を見て、本当にうれしい気持ちになりましたね。
04 依頼者への思い
弁護士もマジシャンも、すべては「喜んでもらい、笑顔になってほしいから」
ーー話は変わりますが、先生はマジシャンとしても活動されているとお聞きしました。
「おのんのん」という名前で、プロのマジシャンとしてステージに立っているんですよ。
始めたきっかけは、当時2歳だった息子の存在です。
仕事が多忙で、子育ては妻に任せきり。
息子にとって、私は“知らないおじさん”だったんです。
息子と触れ合うために、安いマジック用品を買って披露すると、想像以上に喜んでくれたんです。
それ以来、息子が通う幼稚園や小学校でショーをやったりと、どんどん熱中していきました。
そんな私のもとに、マジシャンからの法律相談もよく届くんです。
マジックに使う「ギミックコイン」の製造をめぐる裁判で最高裁まで争ったり、そのコインの種明かしをしたテレビ局を相手に損害賠償請求訴訟を起こしたりと、マジシャンの表現の自由や財産権を守ろうと声を上げてきました。
ーー弁護士とマジシャンの二刀流ですね。
弁護士として頼っていただくのは、人が亡くなったときや会社が倒産したときですが、マジシャンは誕生日や結婚式、会社設立のパーティーなどにお呼びいただきます。
2つは対照的ですが、私の思いとしては同じなんです。
「目の前の人に、喜んでいただきたい」。
とにかくその一心で取り組んでおり、どちらもつらい悩みや悲しい気持ちを笑顔に変える力があると信じています。
ひとりでも多くの人に「私に出会えてよかった」と思っていただけるように、これからも出会いやご縁を大切にしながら、力尽きるまで現場に立ち続けたいですね。
「おのんのん」という名前で、プロのマジシャンとしてステージに立っているんですよ。
始めたきっかけは、当時2歳だった息子の存在です。
仕事が多忙で、子育ては妻に任せきり。
息子にとって、私は“知らないおじさん”だったんです。
息子と触れ合うために、安いマジック用品を買って披露すると、想像以上に喜んでくれたんです。
それ以来、息子が通う幼稚園や小学校でショーをやったりと、どんどん熱中していきました。
そんな私のもとに、マジシャンからの法律相談もよく届くんです。
マジックに使う「ギミックコイン」の製造をめぐる裁判で最高裁まで争ったり、そのコインの種明かしをしたテレビ局を相手に損害賠償請求訴訟を起こしたりと、マジシャンの表現の自由や財産権を守ろうと声を上げてきました。
ーー弁護士とマジシャンの二刀流ですね。
弁護士として頼っていただくのは、人が亡くなったときや会社が倒産したときですが、マジシャンは誕生日や結婚式、会社設立のパーティーなどにお呼びいただきます。
2つは対照的ですが、私の思いとしては同じなんです。
「目の前の人に、喜んでいただきたい」。
とにかくその一心で取り組んでおり、どちらもつらい悩みや悲しい気持ちを笑顔に変える力があると信じています。
ひとりでも多くの人に「私に出会えてよかった」と思っていただけるように、これからも出会いやご縁を大切にしながら、力尽きるまで現場に立ち続けたいですね。