やまと かよこ
大和 加代子弁護士
大和・松本法律事務所
市ケ谷駅
東京都千代田区九段北4-1-5 市ヶ谷法曹ビル503
インタビュー | 大和 加代子弁護士 大和・松本法律事務所
ガバナンス、コンプライアンスに強い顧問弁護士。内部通報制度に詳しく、複数の上場企業で社外取締役
近年、ビジネスの世界で盛んに叫ばれるガバナンスやコンプライアンス。
大和・松本法律事務所の大和 加代子(やまと かよこ)弁護士は、長くこの問題に向き合ってきました。
とくに内部通報制度に詳しく、複数の上場企業で社外取締役を務めているほか、顧問先も数多く抱えています。
交通事故や相続などの経験も豊富です。
大手重工メーカー社員から転身し、出産・育児、介護と数々の試練を乗り越えてきたキャリアの足跡をたどります。
大和・松本法律事務所の大和 加代子(やまと かよこ)弁護士は、長くこの問題に向き合ってきました。
とくに内部通報制度に詳しく、複数の上場企業で社外取締役を務めているほか、顧問先も数多く抱えています。
交通事故や相続などの経験も豊富です。
大手重工メーカー社員から転身し、出産・育児、介護と数々の試練を乗り越えてきたキャリアの足跡をたどります。
01 原点とキャリア
女性差別、出産、介護。壁を乗り越え約20年、大手企業法務などに従事
ーー大学卒業後、最初は民間企業にお勤めだったようですね。
大手の重工メーカーで働いていました。
大学では経済学を専攻していたのですが、ゼミで発展途上国の経済開発を研究したこともあり、海外のインフラ整備に携わりたかったからです。
ただ、今から25年以上前の当時、女性の海外赴任には高い壁があり、国際営業を希望していたものの、配属されたのは財務部でした。その上、総合職・一般職にかかわらず、女性だけで回している雑用の当番や、女性だけの制服の着用義務などがあり、今でいうガラスの天井の存在を感じて退職を考え始めました。
そんなある日、本屋に立ち寄ったときのことです。
なんとなく人事担当者向けの実務本を立ち読みしていたら、自分が悩んでいるような女性に対する性別役割分担について「法の下の平等」を定めた憲法14条との問題という趣旨の記載があり、
「私が悩んでいたのは憲法の問題なのか!」と衝撃を受けました。
法律への興味が一気に湧いて、会社に勤めながら終業後に司法試験の予備校に通う日々が始まりました。
ーーそれから弁護士になり、もう20年近いキャリアを積んでこられました(2025年2月現在)。
2024年に独立して現事務所を開設しました。
最初の事務所では大手上場企業を含む顧問業務をメインに担当し、その後の移籍先でも企業法務には一貫して力を入れてきました。
ほかにも、交通事故や相続、破産などさまざまな事件に携わりました。
また、その間には2人の子どもを出産し、がんと闘病する母の介護も経験したんです。
それでも、職場にも恵まれ、育児や介護に奮闘しながらここまでキャリアを重ねてきました。
大手の重工メーカーで働いていました。
大学では経済学を専攻していたのですが、ゼミで発展途上国の経済開発を研究したこともあり、海外のインフラ整備に携わりたかったからです。
ただ、今から25年以上前の当時、女性の海外赴任には高い壁があり、国際営業を希望していたものの、配属されたのは財務部でした。その上、総合職・一般職にかかわらず、女性だけで回している雑用の当番や、女性だけの制服の着用義務などがあり、今でいうガラスの天井の存在を感じて退職を考え始めました。
そんなある日、本屋に立ち寄ったときのことです。
なんとなく人事担当者向けの実務本を立ち読みしていたら、自分が悩んでいるような女性に対する性別役割分担について「法の下の平等」を定めた憲法14条との問題という趣旨の記載があり、
「私が悩んでいたのは憲法の問題なのか!」と衝撃を受けました。
法律への興味が一気に湧いて、会社に勤めながら終業後に司法試験の予備校に通う日々が始まりました。
ーーそれから弁護士になり、もう20年近いキャリアを積んでこられました(2025年2月現在)。
2024年に独立して現事務所を開設しました。
最初の事務所では大手上場企業を含む顧問業務をメインに担当し、その後の移籍先でも企業法務には一貫して力を入れてきました。
ほかにも、交通事故や相続、破産などさまざまな事件に携わりました。
また、その間には2人の子どもを出産し、がんと闘病する母の介護も経験したんです。
それでも、職場にも恵まれ、育児や介護に奮闘しながらここまでキャリアを重ねてきました。
02 得意分野と強み①
上場企業の社外取締役も経験、コンプライアンス・ガバナンスや内部通報に精通
ーー現在は、どんな仕事をメインに担っているんですか?
一つの柱になっているのが、社外取締役としての仕事です。
いずれも上場企業である化粧品メーカー、飲食業、製紙メーカーの社外取締役を務め、おもに内部統制やコンプライアンス・ガバナンスを担当しています。
また、顧問弁護士としても複数の企業をサポートさせていただいています。
そのため大手上場企業から中小、ベンチャー、それに業種もメーカーやインフラコンサルティング会社、アニメ関連企業、保険会社など幅広い会社とお付き合いしています。。
ハラスメント対応、顧問先の労働問題全般の対応のほか、メーカーの製品にかかわる紛争、商標権侵害事件、審決取消訴訟等の知的財産関係の紛争対応や、損害保険会社からの保険金支払いに関わる意見書作成、契約書のチェック、コンプライアンス・ハラスメントや育児・介護との両立に関する社内研修などもたびたび行ってきました。最近は事業承継に関するご相談も増えていると感じます。
社外役員とMBAの経験もあり、M&Aやコンプライアンス・ガバナンスに詳しいので、そのあたりも手厚くお手伝いできます。
また、民間企業での勤務経験がありますので、
会社の状況や従業員のみなさんのお気持ちがわかるのも大きいはずです。
ーー加えて、先生はとりわけ内部通報制度に詳しいとお聞きしました。
私が内部通報に関わり始めたのは、最初の事務所に在籍していた約20年前のことです。
大手上場企業を含む複数の会社で、社内の不正行為や法令違反について従業員から通報を受け付ける外部相談窓口の設置と運用に携わりました。
また一時期、弁護士業務と並行してビジネススクールに通ってMBA(経営学修士)を取得したのですが、その修士論文のテーマも内部通報制度と社外役員に関するものでした。
ーー内部通報をめぐる議論について、当時と今とで変化を感じることはありますか?
大きく変わったと思います。
20年ほど前は本腰を入れて取り組む会社は限られていました。
それが今は、ビジネスと人権の意識の高まりなどを背景に、外部通報窓口を設置する意義が広く知られ、その重要性がどんどん高まっているように感じます。
最近のフジテレビの例を見てもわかるように、重大な問題を放置すると取引先や消費者の信用を一気に失い、経営を大きく揺るがす事態になりかねません。
何よりも肝心なのは、不正をいち早く把握し、調査したうえで改善策を講じること。
そのために外部通報窓口を設置することは、会社や従業員を守る最後の砦だと思っています。
ーー通報窓口の設置は、現段階で十分に広がっていると感じていらっしゃいますか?
昔と比べると大手企業では進んでいるはずですが、中小やベンチャー企業などが設置するケースはまだまだ少ないように見えます。
ただ、消費者庁のガイドラインではそうした企業も導入するよう推奨されています。
とはいえ、知識やノウハウがなければ難しいはずです。
お困りの会社があれば、ぜひ気軽にご相談いただきたいですね。
一つの柱になっているのが、社外取締役としての仕事です。
いずれも上場企業である化粧品メーカー、飲食業、製紙メーカーの社外取締役を務め、おもに内部統制やコンプライアンス・ガバナンスを担当しています。
また、顧問弁護士としても複数の企業をサポートさせていただいています。
そのため大手上場企業から中小、ベンチャー、それに業種もメーカーやインフラコンサルティング会社、アニメ関連企業、保険会社など幅広い会社とお付き合いしています。。
ハラスメント対応、顧問先の労働問題全般の対応のほか、メーカーの製品にかかわる紛争、商標権侵害事件、審決取消訴訟等の知的財産関係の紛争対応や、損害保険会社からの保険金支払いに関わる意見書作成、契約書のチェック、コンプライアンス・ハラスメントや育児・介護との両立に関する社内研修などもたびたび行ってきました。最近は事業承継に関するご相談も増えていると感じます。
社外役員とMBAの経験もあり、M&Aやコンプライアンス・ガバナンスに詳しいので、そのあたりも手厚くお手伝いできます。
また、民間企業での勤務経験がありますので、
会社の状況や従業員のみなさんのお気持ちがわかるのも大きいはずです。
ーー加えて、先生はとりわけ内部通報制度に詳しいとお聞きしました。
私が内部通報に関わり始めたのは、最初の事務所に在籍していた約20年前のことです。
大手上場企業を含む複数の会社で、社内の不正行為や法令違反について従業員から通報を受け付ける外部相談窓口の設置と運用に携わりました。
また一時期、弁護士業務と並行してビジネススクールに通ってMBA(経営学修士)を取得したのですが、その修士論文のテーマも内部通報制度と社外役員に関するものでした。
ーー内部通報をめぐる議論について、当時と今とで変化を感じることはありますか?
大きく変わったと思います。
20年ほど前は本腰を入れて取り組む会社は限られていました。
それが今は、ビジネスと人権の意識の高まりなどを背景に、外部通報窓口を設置する意義が広く知られ、その重要性がどんどん高まっているように感じます。
最近のフジテレビの例を見てもわかるように、重大な問題を放置すると取引先や消費者の信用を一気に失い、経営を大きく揺るがす事態になりかねません。
何よりも肝心なのは、不正をいち早く把握し、調査したうえで改善策を講じること。
そのために外部通報窓口を設置することは、会社や従業員を守る最後の砦だと思っています。
ーー通報窓口の設置は、現段階で十分に広がっていると感じていらっしゃいますか?
昔と比べると大手企業では進んでいるはずですが、中小やベンチャー企業などが設置するケースはまだまだ少ないように見えます。
ただ、消費者庁のガイドラインではそうした企業も導入するよう推奨されています。
とはいえ、知識やノウハウがなければ難しいはずです。
お困りの会社があれば、ぜひ気軽にご相談いただきたいですね。
03 得意分野と強み②
交通事故にも強く、後遺障害認定の実績多数。成年後見をはじめ相続、離婚などの家事事件も
ーーほかの分野はいかがですか?企業法務に次いで多い相談などがあれば教えてください。
これまで交通事故も多数扱ってきており、現在も多くのご依頼をいただいています。
保険会社からのご依頼とともに、その紹介による被害者側の代理人として多いときは年間約100件、累計ではおそらく1,000件近くに対応しているはずです。
死亡や重傷事故のほか、多くの後遺障害等級認定の異議申立てにも対応してきた自負があります。
それとともに、私は被害者やその家族の心のケアにもしっかり目を向けるようにしているんです。
ーーどういうことですか?
どなたも、突然の事態に「この先どうなるのか」と不安に襲われていらっしゃいます。
これまで通り仕事を続けられるのか、誰が子どもの世話をするのか。
後遺症を伴うような大ケガを負った場合はなおさら、悩みは尽きないはずです。
たとえば、ある主婦が事故で重傷を負ってしまったとしましょう。
そうなると、旦那さまが仕事や家事、育児に忙殺される日々を過ごすことが想像できます。
私自身も育児や介護を経験しました。
仕事と両立する難しさやつらさは、身に沁みてわかるんです。
また、女性の依頼者さまであれば、女性弁護士のほうが相談しやすい面もあるはずです。
一人ひとり、不安な気持ちに丁寧に寄り添いながら、最後まで伴走させていただくようにしているんです。
ーー頼もしいですね。依頼者は心強く感じると思います。
交通事故の示談交渉の経験が豊富なので、企業、個人の案件を問わず、交渉での解決が得意です。
それ以外では、相続も事務所として力を入れている分野のひとつです。
遺言や遺産分割、事業承継、相続放棄のほか、財産管理や各種契約手続きなどを行う成年後見人のご依頼も積極的にお受けしています。
もちろん、離婚、破産その他のご相談も対応いたします。
一人ひとりの困りごとやご要望に応じて、どんな事件もきめ細やかに対応させていただきます。
これまで交通事故も多数扱ってきており、現在も多くのご依頼をいただいています。
保険会社からのご依頼とともに、その紹介による被害者側の代理人として多いときは年間約100件、累計ではおそらく1,000件近くに対応しているはずです。
死亡や重傷事故のほか、多くの後遺障害等級認定の異議申立てにも対応してきた自負があります。
それとともに、私は被害者やその家族の心のケアにもしっかり目を向けるようにしているんです。
ーーどういうことですか?
どなたも、突然の事態に「この先どうなるのか」と不安に襲われていらっしゃいます。
これまで通り仕事を続けられるのか、誰が子どもの世話をするのか。
後遺症を伴うような大ケガを負った場合はなおさら、悩みは尽きないはずです。
たとえば、ある主婦が事故で重傷を負ってしまったとしましょう。
そうなると、旦那さまが仕事や家事、育児に忙殺される日々を過ごすことが想像できます。
私自身も育児や介護を経験しました。
仕事と両立する難しさやつらさは、身に沁みてわかるんです。
また、女性の依頼者さまであれば、女性弁護士のほうが相談しやすい面もあるはずです。
一人ひとり、不安な気持ちに丁寧に寄り添いながら、最後まで伴走させていただくようにしているんです。
ーー頼もしいですね。依頼者は心強く感じると思います。
交通事故の示談交渉の経験が豊富なので、企業、個人の案件を問わず、交渉での解決が得意です。
それ以外では、相続も事務所として力を入れている分野のひとつです。
遺言や遺産分割、事業承継、相続放棄のほか、財産管理や各種契約手続きなどを行う成年後見人のご依頼も積極的にお受けしています。
もちろん、離婚、破産その他のご相談も対応いたします。
一人ひとりの困りごとやご要望に応じて、どんな事件もきめ細やかに対応させていただきます。
04 弁護士としての思い
「私の周りの人に、幸せになってほしい」。女性弁護士のキャリア構築も支援
ーー弁護士として日々、どんな思いで活動されているのか。ぜひお聞きしたいです。
私を頼ってくださった方々に、心穏やかに過ごしてほしい、楽しい人生を送っていただきたいーー。
改めて考えてみると、根底にはそんな思いがある気がしますね。
社外取締役や顧問を務める会社や従業員のみなさん、交通事故などでの依頼者さまはもちろん、一緒に働く事務所のスタッフたちに対しても、そういう思いが強くあるんです。
それと、後輩の女性弁護士たちです。
彼女たちがキャリアを積むには、何が必要か。
そんな問題意識から、東京弁護士会の男女共同参画推進本部に長く所属し、現在は事務局次長を務めています。
私自身の経験も踏まえ、女性弁護士が働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。
ーー先生は終始、笑顔を絶やしませんね。なんだかこちらが明るい気持ちにさせられます。
依頼者さまにも、そう感じていただけたらうれしいですね。
昔から人とお話することが好きなんですよ。
お酒は何でも好きですが、もしそこにレモンサワーがあれば、最高ですね。
何か一つと言われれば、迷わずレモンサワーを選びます。
とはいえ、特に昨年は、自分の事務所を作ったこともあり、大変に感じることもありました。
そんなときは、最近のイチ押し、イタリア人男性のオペラ歌手グループ『イル・ヴォーロ』の曲を聴いて元気をもらっています。
私もそんな風に、依頼者さまを少しでも明るく元気に、幸せにするお手伝いができたらうれしいですね。
そのために、これからもどんなご相談にも心を込めて向き合っていきます。
私を頼ってくださった方々に、心穏やかに過ごしてほしい、楽しい人生を送っていただきたいーー。
改めて考えてみると、根底にはそんな思いがある気がしますね。
社外取締役や顧問を務める会社や従業員のみなさん、交通事故などでの依頼者さまはもちろん、一緒に働く事務所のスタッフたちに対しても、そういう思いが強くあるんです。
それと、後輩の女性弁護士たちです。
彼女たちがキャリアを積むには、何が必要か。
そんな問題意識から、東京弁護士会の男女共同参画推進本部に長く所属し、現在は事務局次長を務めています。
私自身の経験も踏まえ、女性弁護士が働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。
ーー先生は終始、笑顔を絶やしませんね。なんだかこちらが明るい気持ちにさせられます。
依頼者さまにも、そう感じていただけたらうれしいですね。
昔から人とお話することが好きなんですよ。
お酒は何でも好きですが、もしそこにレモンサワーがあれば、最高ですね。
何か一つと言われれば、迷わずレモンサワーを選びます。
とはいえ、特に昨年は、自分の事務所を作ったこともあり、大変に感じることもありました。
そんなときは、最近のイチ押し、イタリア人男性のオペラ歌手グループ『イル・ヴォーロ』の曲を聴いて元気をもらっています。
私もそんな風に、依頼者さまを少しでも明るく元気に、幸せにするお手伝いができたらうれしいですね。
そのために、これからもどんなご相談にも心を込めて向き合っていきます。