詐欺・消費者問題の事例紹介 | 今枝 仁弁護士 弁護士法人イマジン今枝仁法律事務所

取扱事例1

• 投資詐欺

投資詐欺で合計約３０００万円を取り返した

依頼者：２０代～６０代の男女十数名

【相談前】
　海外の事業に投資することを勧め資金を集める投資詐欺だった。初めのころは配当金があり一部の人は儲かったが、そこから紹介された人々の多くは、出資金を回収しないうちに配当が止まり、慌てて相談に来た。損失が出た被害者は十数人で、被害額は総額３０００万円以上になった。
　当時、同じ業者の被害者がたくさん出ており、他の事務所にも相談者がおしかけているようであった。

【相談後】
　業者に受任通知を送り、数日おきに意見書をＦＡＸし、毎日代表者に電話をかけた。被害者の人数分の刑事告訴状の案を作り、詐欺罪で刑事告訴の用意がある旨告知して送った。最終的には、返金すれば私はこの事件から完全に手を引く、他の被害者の依頼は受けないという確約書を書くことによって、約３０００万円を取り返すことができた。


【先生のコメント】
　詐欺の犯人から金銭を取り返すには、返さなかったときの大きなリスクを理解させ、返したときのメリットを示すことが重要だと思います。私があまりにもしつこく、告訴状もきちんと作成したので（検事だったので起訴状の作成は慣れています）、こんなに面倒くさい弁護士とは縁を切りたいと思わせることに成功したのだと思います。他の弁護士は、取り返したところはなかったようです。
　なお、被害者が複数のグループの場合、初期に参加して儲けた人と、後から入って損だけした人の利害が衝突することがあるので仲間割れが生じないよう注意が必要です。

取扱事例2

• 高額請求の支払い拒否

アダルトサイト利用料２８万円請求に対し、１０００円で和解

依頼者：１４歳の少年

【相談前】
　１４歳の少年が、有料アダルトサイトを利用したということで、利用料金２８万円の請求がされた。こういった請求には架空請求の場合も多いが、少年によると利用したのは確かだということ。しかし有料だということはあまり理解できていなかったとのこと。

【相談後】
　業者に電話をかけ、受任通知を送り、「有料であることが分かるような表示がなされていることを立証してほしい。」と要求した。また、「未成年者で親権者の同意がないから、契約を取り消す。」と主張した。そうしたら、業者から「１０００円でいいから、払ってもらえませんか」と懇願された。依頼者の親は、「アダルトサイトを利用したのは事実だから、１０００円で済むなら、後々の安心のために払って終わらせたい。」とのことなので、１０００円を払って和解した。


【先生のコメント】
　今回は、実際にアダルトサイトを利用したということで、厳しい取立が心配されましたが、こちらも強気で主張したことで、「どうせ取れないなら１０００円でももらおう。」と弱気になってもらうことに成功したと思います。

取扱事例3

• 架空請求

身に覚えがない架空請求は無視するに限る

依頼者：６０代（男性）

【相談前】
　身に覚えがない約５０万円の請求書が来た。期日までに支払わないと訪問する、裁判をすると強圧的な文言が書いてあった。しかし心配性であるから、書かれていた電話番号に電話をしてしまい、しつこく電話で請求を受けていた。

【相談後】
　本当に心当たりはないということなので、弁護士の受任通知を出し、証拠の提出を求めたところ、連絡が来なくなり、こちらから連絡をしても連絡がつかなくなった。その後も請求や連絡は来なかった。


【先生のコメント】
　身に覚えがない請求は、架空請求である場合が多いですから、無視するに限ります。下手に電話をかけてしまうと、相手に電話番号を知られてしまい、電話攻撃を受けてしまいます。どうしても心配な人は、電話をかけてしまう前に、弁護士に相談しましょう。