"投資用不動産のリフォームにおける業者の遅延と損害賠償請求について"
投資用不動産のリフォームについての相談です。
アパートの外壁塗装、内装一式のリフォームを発注しました。金額は約300万円です。
完了予定は10月末という話でしたが、外壁塗装の完了後に内装工事が遅延し始め1月19日現在まだ完了しておりません。(内装工事が半分ほど未完了)
この業者は何度も虚偽報告をしたり(「〇〇日までには終わります」→終わらない、「明日作業入ります」→抜き打ちで現場に行ったら作業していない、など)遅延理由を聞いても下請けが飛ぼうとしている、下請けがうそをついていた、など他責思考で不誠実な対応を行っています。
(メッセージのやり取りやその時点の部屋の状態等はすべて保存していますので証拠はあります)
先週に「1月21日までに工事を完了させる。完了しなかった場合未完了分はキャンセルできる」という内容の誓約書を交わしております。1月21日までに完了できなかった場合は未完了分についてはキャンセルし、他業者に発注をしようとしているのですがその場合に損害賠償請求ができるのかを知りたいです。
①遅延日数分の家賃収入※想定家賃×3か月とすると50万円強になります
②遅延日数分の水道代、電気代
③未完了分を他業者に発注して、元業者よりも高額となった場合はその差額分
④弁護士費用
上記の全部可能、一部可能、全部無理などご教示ください。
状況にもよりますが、①~③については請求できる可能性がございます。
④は、このようなケースだと「損害」とみなされないため、請求することはできません。
契約書や相手方との間でどのようなやりとりがあったかなど、具体的な事情(と証拠)によって、請求の難易も変わってくるかと思いますので、一度お近くの法律事務所に相談されたほうがよろしいかと思います。
①に関しては、立証次第となるかと思います。
別会社が一括借り上げする契約を締結していたという事情がなければ、
引き渡し後直に、全戸うまるとは通常考えられませんので、
同種物件の空室率等を参考に立証計画を立てる必要があるかと思います。
②これについては少し難しいように思われます。
遅延に関係なく支払い義務があり、遅延による損害に関しては①で評価しているためです。
③「高額となった場合はその差額分」
基本的にはできないと思われます。
時期的要因(あらかじめ予見できるもの)でコストが嵩んでしまったというような事情がなければ難しいと思われます。
④裁判所はまず認めないと思われます。
ありがとうございます。
契約書を確認したところ、遅延損害金についての条項があり「請負代金から工事済部分と搬入工事材料に対する請負代金相当額を控除した額に年14.6%の割合を乗じた額の違約金を請求することができる」とありました。この場合はやはりこの金額に相当する額が上限となるでしょうか。
「違約金」の解釈によります。
A:損害賠償額の予定⇒一般条項違反がなければ当該金額
B:違約罰⇒実際に生じた損害の賠償を求めることも可能
民法420条3項「違約金は、賠償額の予定と推定する」
推定を覆す、
超過額の請求を可能とする条項があるかどうかを確認なさってください。