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なかざわ たくむ
中澤 拓夢弁護士
中澤総合法律事務所
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刑事事件の事例紹介 | 中澤 拓夢弁護士 中澤総合法律事務所

取扱事例1
  • 執行猶予
危険運転致傷罪の懲役前科(執行猶予付き)があるのに、執行猶予期間経過後ではあるものの、無免許・飲酒運転を行って同種の再犯に及んだ被告人において、再度の執行猶予を得た事例

依頼者:40代(男性)

【相談前】
男性は、約7年前、制限速度を大幅に超えて自動車を運転したことで、道路交通法違反で罰金刑を受けた。また、同じ頃、自動車を運転していた際に他の車両の運転手と口論になり、衝動的になって幅寄せ等をして他の車両の運転手に怪我をさせたことで、危険運転致傷罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。そして、本件において、男性は、自宅で飲酒をしていると口論になり、衝動的になって知人の自動車のエンジンキーを持って当該自動車を運転してその場から立ち去り、もって飲酒運転・無免許運転をした。その後、男性は、道路交通法違反の疑いで逮捕・勾留された後、起訴された。

【相談後】
公判前においては、裁判所に対して保釈請求を行い、男性が罪証隠滅・逃亡をするおそれはないことを具体的に論証した結果、裁判所は男性の保釈を許可した。
公判においては、同種の再犯であるとはいえ、執行猶予期間が満了してから相当長期間が経過していること、男性が謝罪文を作成したこと、男性が自己の問題点を顧みてアンガーマネージメント・認知行動療法・断酒等に取り組んでいること、贖罪寄付をしたこと、被告人の母による指導監督が期待できること等を述べて、執行猶予付きの有罪判決を言い渡すべき旨を主張した。
そうしたところ、裁判所は、「再度の執行猶予を付す余地がないとはいえない。」と述べ、上記の諸情状を考慮して5年間の執行猶予を付しつつも、上記の取組みに実際に取り組んで再犯防止に努めているかどうかを確認するために、男性を保護観察に付した。

【先生のコメント】
男性の前科や前刑からの期間経過等に鑑みると、本件では、男性が実刑判決を受けることが相当程度に見込まれたが、男性にとって有利な情状を創り出した結果、再度の執行猶予を得ることができた。その意味で、いわゆる「闘う情状弁護」を体現したものといえる。
取扱事例2
  • 示談交渉
被害者との間で示談を成立させ、不起訴処分(起訴猶予)を得た複数の事例

依頼者:20代(男性)

【相談前】
男性は、酒に酔った勢いで、男性が住むマンションの隣に住む女性の部屋のベランダに侵入したという住居侵入罪の疑いで逮捕・勾留された。

【相談後】
すみやかに女性に接触し、女性の心情にも寄り添いながら粘り強く交渉した結果、示談金を40万円(女性の引越し代相当額込み)とし、男性が当該マンションから引っ越すなどして二度と女性に接触しないことを約束し、女性が男性のことを許して(宥恕して)刑事処罰を求めない旨の示談が成立した。その結果、被疑者は不起訴処分を得た。

【先生のコメント】
本件では、男性の刑事処分を決定するにあたっては女性との間で示談が成立するかどうかが重要であった。そのような中で、迅速かつできる限り女性の心情等を害することのないよう円満に示談交渉を行い、示談を成立させることができた。
取扱事例3
  • 不起訴
被疑者が被害者に対して無理矢理キスをしたなどと供述していたが、その供述は信用できず、被疑者に不同意わいせつ罪が成立するといえるか合理的な疑いが残るとして、不起訴処分(嫌疑不十分)を得た事例

依頼者:50代(男性)

【相談前】
女性は、男性が女性に対して無理矢理キスをしたなどと被害申告をし、男性は不同意わいせつ罪の疑いで逮捕・勾留された。

【相談後】
女性は、上記のとおり供述しつつも、他方で、本件犯行当時は自ら男性を自宅に招き入れたり、自らの交際相手のことを男性に相談したり、相談の途中で突然泣き崩れて土下座のような体勢になっていた。男性は、これらの点を指摘し、物理的な状況からすれば、男性が本件犯行に及ぶことは不可能であるし、犯行に至る経緯や女性が被害申告をした動機等を慎重に検討・推察すると、仮に男性がキスをした事実があったとしても、あくまでも同意の下で行われたものではないかと疑われる旨を述べて、女性の供述の信用性を弾劾し、男性に不同意わいせつ罪が成立するといえるかどうかについて合理的な疑いが残るから、男性は無罪であると主張した。
その結果、検察庁は、処分の理由を具体的に明らかにすることはなかったが、男性を不起訴処分(嫌疑不十分)とした。

【先生のコメント】
捜査段階では、弁護人は捜査機関の手元にある証拠を確認することができないことが多いが、そのような中でも、当事者の供述を表面的に捉えるのではなく慎重に吟味することが重要である。そうすることにより矛盾点や疑問点等が浮かび上がり、それらを逐一指摘すれば、捜査機関もより慎重に捜査・吟味するようになるため、無実の者に濡れ衣を着せるようなこともなくなる。本件は、矛盾点や疑問点等を指摘したことで、そもそも犯罪が成立するのかどうかという点で疑いを生じさせることができ、晴れて男性が嫌疑不十分で社会に復帰することができたという点で、闘う刑事弁護人としての姿勢を如実に示した事例であったといえる。
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