刑事事件の事例紹介 | 横関 侑平弁護士 横関総合法律事務所

取扱事例1

• 少年犯罪（加害者側）

強制わいせつ事件（少年事件）で少年審判不開始となった事例

【事案】
路上で女児と身体を接触させた少年が、強制わいせつの被疑事実で捜査を受けることになりました。

【解決までの経緯、コメント】
少年とは、時として自分でも説明のつかない行動をしてしまうものだと思います。少年の話を何度も丁寧に聴き、当時の気持ちを丹念に紐解いていくことを心がけました。そして、反省すべきところは反省させ、事実と異なるところは毅然と主張しました。相手の方もそうした少年の姿勢に一定の理解を示して下さり示談が成立したことで、何とか少年審判開始には至らず、解決することができました。

取扱事例2

• 不同意わいせつ

強制わいせつ未遂を否認した事件で勾留請求却下、不起訴を得た事例

【事案】
依頼者は、ある朝突然、自宅を訪れた警察官に、約３か月前に起こった強制わいせつ未遂事件の被疑者として逮捕されました。

【解決までの経緯、コメント】
依頼者は、接見時「一切身に覚えがない」と何度も訴えました。勤務先に連絡をとり、勤務状況や事件当日の足取り等を調べた上、捜査機関の考えている証拠構造等を予測したところ、本件は依頼者を勾留する材料に欠けていると感じました。そこで、素早く、検察官や裁判官に対して、勾留を阻止すべく書面と口頭で申し入れを行ったところ、勾留請求は却下されました。釈放された依頼者は、その後も随時打合せを挟みながら、自宅から警察に通う形で捜査を受け、最終的に「嫌疑不十分」として不起訴となりました。
何よりも迅速な身柄解放が奏功した事案でした。

取扱事例3

• 万引き・窃盗罪

控訴審で、反省の深まりや環境改善との事情から、一審判決が破棄された事例

【事案】一審で窃盗罪での実刑判決を受けた依頼者が、量刑を争い控訴しました。

【解決までの経緯、コメント】
日本では、刑事の控訴審は「裁判のやり直し」という位置づけではなく、「一審を事後的に振り返って審査する」というもの（これを「事後審」と言います。）です。それ故、新たな証拠も簡単には提出できず、基本的には第一審が勝負と考えられます。一審で成立していなかった示談が今になって成立したなど被害者との関係での事情は、経験上、考慮してもらえることが多かったですが、本件では「一審の時点より反省が深まり、生活環境が改善された」という本人サイドのみの事情を武器にせざるを得ませんでした。しかし、とにかくやるだけやってみようと依頼者と家族一丸となって真摯かつ丁寧に主張したところ、量刑を下げてもらうことができました（一審判決破棄）。

取扱事例4

• 少年犯罪（加害者側）

保護観察期間中だった少年が新たに犯した事件で、再度の保護観察を得た事例（少年事件）

【事案】
以前の別件で保護観察中だった少年が、新たに集団暴走行為（道交法違反）をしてしまい、逮捕されました。

【解決までの経緯、コメント】
少年も家族も、今回こそは少年院送致を覚悟していたところでしたが、鑑別所で少年と話を重ねる中で、一見強そうに見える少年の内面にある繊細な部分や、表現下手なところ、それが家族との関係や生活面に少なからず影響していること等を感じ取りました。それらを家族にフィードバックし、家族にも再度、少年のことをじっくりと考えてもらいました。さらに、その経緯を、家庭裁判所の調査官や裁判官にも直接会って丁寧に伝え、何とか試験観察（少年に対する処分を直ちに決めず、一定期間、調査官の観察に付すこと）にしてもらうことができました。最終的には、最後のチャンスとして保護観察処分を得ることができ、少年院への送致は免れました。