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なかがわ きょうすけ

中川 匡亮弁護士

名古屋第一法律事務所

丸の内駅

愛知県名古屋市中区丸の内2-18-22 三博ビル5階

対応体制

  • 分割払い利用可
  • 初回面談無料
  • 休日面談可
  • 夜間面談可
  • 電話相談可
  • WEB面談可

注意補足

電話でのご相談は10分ほど概要を伺うのみになります。基本的に来所相談へのご案内になります。

労働・雇用

取扱事例1

  • 不当解雇・雇い止め・更新拒否

不当解雇について交渉により早期に解決金の支払いを得ることに成功した事例

依頼者:30代 女性

【相談前】
相談者様は、周囲の従業員にパワハラを行ったという理由で、勤務先に解雇にあったということでご相談にお越しになりました。

【相談後】
会社の主張する、パワハラの内容は、曖昧なものが多く、また、パワハラと言えるのか微妙な軽いものがほとんどでした。
そのようなことを強調し、解雇が無効であることを主張しました。
会社側にも早期に弁護士が付きましたが、会社側弁護士も早期に金銭解決をすることを希望し、早期に300万円弱の解決金にて、退職する旨の示談が成立しました。

【コメント】
解雇が有効になるためには、客観的合理的理由が必要であり、かつ、解雇以外に採り得る方法がないような場合である必要があります。
本件では、「パワハラ」が解雇理由でしたが、その内容が曖昧であったことや、本人(依頼者様)の言い分を聞く機会や是正を求める機会が少なかったことから、解雇の有効性に疑問がある事案でした。
不当解雇を受けた方のご希望としては、大きく分けて、①解雇は無効なので絶対に復職したい、②不当解雇を行うような会社にもう戻りたくないので解決金をもらって退職する、という2種類があります。
今回の相談者様は②の希望であり、会社側に付いた弁護士も、一定の金銭を払って早期に示談すべき、と考えていた(と予想される)ことから、早期に満足のいく水準での示談ができました。

取扱事例2

  • 正社員・契約社員

使用者から労働者に対する損害賠償請求に対して,労働者が全面的に勝訴した事例

依頼者:40代 男性

【相談前】
依頼者は、車両の輸出業者に勤務しており、車両の輸出に必要な事務作業全般を一人で担当していまいた。
依頼者が退職した後、会社側が、依頼者が輸出の際に必要な事務作業の一部を怠っていたため、会社側に約200万円の損害が発生したとして、依頼者に対して約200万円の損害賠償請求を行いました。
そのために、依頼者は、当職まで相談にお越しになりました。

【相談後】
裁判の中で、次のような主張をしました。
①一部の損害は、依頼者が退職した後に発生した損害であり、依頼者の責任ではない。
②使用者の労働者に対する損害賠償請求は、商事消滅時効(5年)が適用され、会社側の主張する損害の一部は、時効によって消滅している。(通常の損害賠償請求権の時効は10年ですが、本件では、5年で時効消滅すると主張しました。)
③労働者に対する損害賠償は、労働者に重過失ある場合に限定される。
本件では、労働者一人に業務を任せきりにして、進捗確認を何もしなかった会社にも大きな責任がある。
仮に賠償義務があるとしても、全額の賠償義務を労働者に負わせるのは、公平に反する。
④依頼者は、在職中に一切残業代を受け取っていなかったので、仮に賠償義務があるとしても、未払の残業代と相殺する。
裁判所は特に③について、こちらの主張を受け入れ、請求全部棄却とました。
高等裁判所に控訴されることなく、全面勝訴で判決が確定しました。依頼者は会社に1円も賠償せずに済みました。

【コメント】
③記載の通り、仕事の中で労働者にミスがあることは当たり前のことですので、会社から労働者に対する損害賠償は、労働者に重過失がある場合に限定されます。
また、仮に賠償義務があるとしても、労働者に全額の賠償責任を負わせることはできないとする判例があります。
そのため、労働者が何らかのミスをおかしたとしても、使用者側の損害賠償請求が全面的に認められることはまずありませんので、支払ってしまう前に、まずは弁護士にご相談下さい。
本件では、①~④とありとあらゆる方法を使って、賠償義務を争ったことが功を奏して、賠償義務を0円(なし)にすることができましたので、依頼者様にも良い結果をもたらすことができました。

取扱事例3

  • 不当解雇・雇い止め・更新拒否

パワハラの延長上の不当な解雇・休職命令を争い1年分の賃金相当額の解決金を得た事例

依頼者:20代 女性

【相談前】
事務職(正社員)として入社した新人社員であった相談者が、入社以来、社長の妻からパワハラを受けてきました。
相談者は、社長に相談をしたところ、社長との話し合いで、社長の妻による接触を避けるため一旦テレワークをすることになりました。
すると、突如、テレワーク中の相談者に対して、会社から解雇が言い渡されるとともに、テレワークを止めて出社をし、社長の妻の近くで働くことを命じられました。
このことにより、相談者は精神的苦痛を受け適応障害を発病してしまいました。

【相談後】
相談者から依頼を受けた当職から、「当該解雇は明らかに不当解雇であるため、撤回を求める」旨の内容証明郵便を会社に送りました。また、同時にテレワークの継続も求めました。
その後、社長との話し合いにより、社長の妻からの接触はしない、という条件で、相談者は、テレワークを中断して、出社することとなりました。
しかし、その数日後、会社側にも弁護士がつき、解雇を撤回するとともに、相談者に対して、適応障害を理由とする休職命令を発しました。
その後、相談者の症状が回復した旨の医師の診断書を会社に提出しましたが、それでも会社は、休職命令を出したままでした。
上記のような対応は、解雇を維持すると後で裁判所に無効と判断されてしまうので、「適応障害」を口実にして休職命令を出しておけば、会社は賃金を支払わずに済み、解雇をしたのと同じ結果を得られるという算段に基づく、不当な対応でした。
その後、当職の方で、労働審判を起こしました。
相談者が事前に取っていた、社長の妻のパワハラの録音により、会社の対応の不誠実さは、裁判所にもよく伝わりました。
その結果として、労働審判2回目の期日において、同日をもって相談者が退職する一方で、会社側は、合計で給与1年分賃金・解決金を支払うという条件で、調停が成立しました。

【コメント】
まず、本件は、パワハラの録音が複数あったという点が非常に大きく、これだけで、会社の不誠実さを大きく裏付けることができました。その上で、以下の3本の法律構成で、休職中の賃金を請求しました。
①相談者は前日まで会社に出勤できていたため休職事由はない(よって賃金請求権は失わない)。
②仮に会社への出勤が難しくても、テレワークの継続も可能であったため、やはり、休職事由はない(同上)。
③仮に休職事由があるとしても、適応障害に至ったのは、社長の妻のパワハラや突然の解雇にあるため、会社の責に期すべき事由がある(同上)。
会社の対応の不誠実性は明らかでしたので、慰謝料請求も併せて行いました。
解雇事案の労働審判は、勝利見込みがある事案でも、6か月分の賃金相当額の解決金が相場と言われることがあります。
本件は、解雇事案とは少し異なりますが、1年分の賃金相当額の解決金を得ることができたのは、大きな成果だったと言えます。
「解雇が無理なら休職命令で代用しよう」という会社側の不誠実な対応を、労働審判を利用してきちんと糾すことができたことも、良かったと思っています。

取扱事例4

  • 未払い残業代請求

金融機関の営業職の方が退職後に残業代の請求をした事例

依頼者:20代 女性

【相談前】
金融機関に営業職として勤務していた方から、退職後に元勤務先に対する未払残業代の請求の依頼を受けました。
この金融機関は、「営業手当」という手当の中に残業代が含まれているという、いわゆる「固定残業代」制度を採用していました。
そのため、依頼者様には「営業手当」の他に残業代は払われていませんでした。そのような賃金体系の有効性が問題となりました。

【相談後】
金融機関を相手に訴訟を起こし、「『営業手当』は適法な残業代の支払いとは認められない。そのため、未払残業代が残っている。」という主張を丁寧に行いました。結果的に、解決金として170万円を受け取る旨の和解が成立し、無事に支払われました。

【コメント】
「◯◯手当」=「残業代」という制度のことを固定残業代と言います。しかし、この固定残業代が有効となるためには判例上厳格な要件を満たす必要があります。この要件を満たさないと、「◯◯手当」は残業代とは言えないことになり、その労働者には残業代が払われていないことになり、未払残業代の請求ができることになります。
本件では、「営業手当」が固定残業代として有効が否かが争点となりました。
本件の「営業手当」の実態は、依頼者様の営業職としての売上に応じて支払われる「歩合給」でした。
営業職が上げる売上は残業中に上げるものとは必ずしも言えないため、「営業手当」(歩合給)に残業代としての実態はないのではないか。
そのような主張を訴訟の中で丁寧に行い、一定の解決金を勝ち取ることができました。
このような固定残業代の有効性は、判例等の積み重ねを踏まえた専門的な知識がないと判断できません。
また、固定残業代が無効である場合、本件のように多額の未払残業代が残っていることになります。そのため、「◯◯手当」=「残業代」という会社にお勤めの方は、ぜひ弁護士への相談をお勧めします。

取扱事例5

  • 未払い残業代請求

タイムカードと実際の労働時間が異なる営業職の方が退職後に残業代の請求をした事例

【相談前】
外回りの営業職をしていた方が退職後に元勤務先に残業代請求をしたいという事案についてご依頼を受けました。
会社側は、従業員に、月45時間以上の残業をしないように命じていました。そのため、依頼者様は、月45時間以上の残業の必要性があるときは、自らタイムカードを切った上で、その後も残業していました。
また、この会社では、「営業手当」や「賞与」が残業代の支払いを含んでいるといういわゆる「固定残業代」が採用されていました。
そのため、「営業手当」、「賞与」以外に別途残業代の支払いがなされていませんでした。

【相談後】
訴訟を起こした上で、タイムカードと実際の労働時間(残業時間)が異なるため、メールの送受信履歴や会社の入退館履歴により、実際の労働時間を明らかにしました。
また、本来、残業代とは全く異なる性質の「賞与」に残業代が含まれていることの異常性を訴訟の中で強調しました。
その結果、200万円以上の解決金を受け取る旨の和解が成立し、その後、無事に支払われました。

【コメント】
実際には残業をしていても、定時でタイムカードを切らされているという事案は、珍しくありません。
そのような場合は、本件のように、依頼者様のメールの送受信履歴を検討したり、また、勤務先のビルの管理会社に照会をかけて、ビルの入退館履歴を取り寄せるなどして、タイムカード記載の勤務時間が事実と異なることを証明していきます。
毎日の労働時間の特定が完璧にできなくとも、「少なくとも平均して◯時までは残業していた」という認定を裁判所がしてくれることはあるので、残業の証拠が完璧に揃っていなくても諦める必要はありません。
また、この事案も、「手当」を残業代扱いにするという、「固定残業代」を導入している会社の事案でした。本件では、「賞与」まで残業代扱いしていましたが、賞与と残業代が異なる性質のものであることは明白でしたので、この点を強調して、依頼者様に有利な主張を組み立てることができました。
加えて、会社側は、依頼者様が外回りの営業職であったため、「事業場外みなし労働制」が適用されるとも主張しました。
この「事業場外みなし労働制」は、「労働時間の算定がし難い」労働者について、一定の労働時間を働いたとみなす制度です。
しかし、今日のように、携帯電話やタブレットが普及した世の中では、外回りの営業職だからといって、「労働時間が算定し難い」とは簡単には言えず、「事業場外みなし労働制」の適用は簡単にはできません。
本件でも、依頼者様は、外回りといっても、いわゆる「直行直帰」になることは稀であったため、「事業場外みなし労働制」の適用はできないと考えられる事案でした。

取扱事例6

  • 未払い残業代請求

営業職の方が退職後に退職金と残業代の支払いを請求した事例

依頼者:30代 男性

【相談前】
営業職をしていた依頼者様が退職の際に、本来払われるべき退職金約14万円が会社から支払われないとして、相談にお越しになりました。依頼者様が在職中に、賃金規定に変更があり、本来支給されるはずの退職金が不支給になってしまったとのことでした。

【相談後】
依頼者様の賃金体系をよくお聞きしみると、退職金だけでなく、未払の残業代も存在する可能性が高いことが分かりました。
そのため、訴訟にて、退職金だけでなく、未払の残業代も併せて請求しました。
その結果、退職金と残業代を併せた解決金として160万円を受け取る旨の和解が成立し、その後、無事に支払われました。

【コメント】
退職金規程を含む就業規則の不利益変更については、法律上、合理的理由がない限り無効とされています。
本件では、相談者様の退職金が0円になってしまうという不利益の大きさや、退職金規程の変更が十分に周知された形跡がないことから、裁判所も、退職金不支給は違法という心証となりました。
この会社でも、「営業手当」という手当が、残業代扱いされるという「固定残業代」制度が導入されていました。
しかし、「営業手当」が残業代である旨の明示的な規定が賃金規定上なかったことや、残業時間とは異なる基準で「営業手当」の額が決まっていたことを窺わせる証拠があったことなどから、私どもは、「『営業手当』は残業代の支払いとは言えない。」という主張を行い、この主張が有利な和解につながりました。
このように、「◯◯手当」に残業代を組み込むという固定残業代を導入している会社は非常に多いので、そのような会社に勤務されておられる方は、一度、弁護士への相談をお勧めします。
今回の依頼者様のように、本当は請求できるはずの残業代に気付いていない方も、多くいらっしゃると思います。

取扱事例7

  • 未払い残業代請求

トラック運転手の未払残業代を請求した事例

依頼者:20代 男性

【相談前】
依頼者様は、元々、残業代以外の職場での悩みについて相談にいらっしゃいました。そのご相談自体は、弁護士が介入して、依頼者様に満足のいく結果を出せるかは微妙な内容でした。
しかし、私の方で、依頼者様の賃金体系をよくお聞きしたところ、未払残業代が存在する可能性が高いことが分かり、未払残業代の請求について、ご依頼を受けることになりました。

【相談後】
会社側にも弁護士がつき、依頼者様の賃金体系の法的性質について、互いの主張を交わし合いましたたが、結果的に、会社側がこちらの主張をほぼ全て認めることとなり、訴訟や労働審判などの裁判所を挟んだ法的手続きを採ることなく、早期の解決を図ることができました。受け取ることができた解決金(残業代)は、約300万円弱でした。

【コメント】
本件の相談者様のように、そもそも自身に残業代が払われていないということに気付かれていない方は非常に多くいらっしゃいます。
残業代に限らず、職場のことでお悩みのことがあればお気軽に弁護士にご相談下さい。
今回の相談者様のように、元々のご相談は、弁護士が入っても解決することは難しいかもしれないですが、残業代を回収することで、依頼者様に生活を経済的に明るくすることができる場合もあります。
本件では、会社の主張では、相談者様の賃金体系は、「売上の50%が給料のオール歩合給」とのことでした。
ここでは詳しい説明は省略しますが、「売上の◯%が給料」というオール歩合給の場合、労働者の残業代はうんと少なく計算されます(それでも0になるわけではないですが)。
そこで、私の側は、就業規則に「基本給」、「精勤手当」、「無事故手当」等の規定があることを根拠に(これらの基本給等は、歩合給ではない)、「会社の『オール歩合給』という主張は、就業規則違反だ。」という反論を行い、依頼者様に最大限有利な解決金を得ることができました。
トラック業界には、「歩合給の中に残業代が入っている」という主張をする会社が多いですが、この主張は法律上は中々認められず、トラック運転手の方で、残業代が未払になっている方も多いです。
トラック運転手の方で、ご自身の賃金に疑問がある方は、お気軽にご相談下さい。

取扱事例8

  • 未払い残業代請求

飲食店の店長による残業代請求の事例

依頼者:30代 男性

【相談前】
飲食店の店長をしていた方が、毎日朝から深夜まで働いているのに、残業代が全く払われていないということで相談にこられました。
この飲食店には、タイムカード等労働時間を証明する資料が全くなく、残業時間をどこまで立証できるかが争点になると予想される事案でした

【相談後】
依頼者様は、通勤中や残業中に、スーパー等で買い出しに行っており、そのレシート(購入時刻の記載あり)が一部残っていましたので、そのレシート記載の購入時刻から残業時間を逆算して、残業代を訴訟にて請求しました。
会社は、依頼者様が労働者でないなどと主張しましたが、その主張も裁判所はあまり取り合わず、結果的に約100万円の解決金で和解をしました。

【コメント】
今回の依頼者様のように、飲食店の従業員や店長の方の残業代の相談も多い印象です。
飲食店の業務の性質から、週6以上で、長時間労働を強いられている方が多い半面、残業代の未払も多い印象です。
本件のように、タイムカードで時間管理がされていない事例もありますが、店の営業時間から逆算してある程度の残業時間を推計することも可能です。
予め、労働時間をメモに取る、出退勤の際に家族にLINEを送る、出退勤の際に会社の時計の写真を撮るなど、証拠の確保に努められるとなお万全です。
今回の会社が行ったように、「飲食店の店長は労働者ではない」という主張は、簡単には認められないので、ひるむ必要はありません。
飲食店勤務の方は、一度、ご自身の残業代がきちんと出ているか確認された方がよいと思います。

取扱事例9

  • 未払い残業代請求

イベントスタッフの方による残業代請求。いわゆる固定残業代が問題になった事例

依頼者:20代 女性

【相談前】
依頼者様は、元の勤務先で、大きなイベント開場にて、バイトなどに指揮命令し、イベントの運営を取り仕切るスタッフ(正社員)として勤務していました。過労死レベルの長時間労働を強いられていました。しかし、会社の賃金規定では、「基本給の20%」、「職務手当」、「通信手当」等の様々な手当に「残業代である」と書かれており(こうした規定を「固定残業代」と言います。)、依頼者様には、これらの手当とは別に残業代は払われていませんでした。

【相談後】
上記のような賃金規定が無効であるとして、会社を相手取り労働審判を起こしました。
2回目の期日において、会社が260万円を支払う旨の調停が成立しました。

【コメント】
基本給の一部であったり、◯◯手当等を残業代として支給する制度のことを固定残業代と言います。このような固定残業代を採用する会社は非常に多くあります。固定残業代を導入すれば残業代を抑制できるとの誤解の元に、長時間労働体質の会社が残業代抑制の手段として固定残業代を導入していると考えられます(実際には、固定残業代を導入しても残業代が抑制されるわけではないのですが、ここでは詳しく立ち入りません。)。
今回の依頼者様も様々な手当が「残業代」の趣旨で払われているという、会社側の残業代逃れの意図が明らかな固定残業代の導入例でした。
特に、本件の場合、仮に全ての手当(固定残業代)を残業代の支払いとして有効とした場合に、依頼者様の給料を時給換算すると、依頼者様が指揮命令するバイトよりも低い時給になってしまいますので、一連の手当の中に基本給等の残業代ではない性質の賃金が混入していることが明らかな事案です。
このように、固定残業代とされる「◯◯手当」の中に、残業代以外の性質のものが混在しているようなケースでは、その手当は残業代の支払いになりません(固定残業代は「無効」となります)。
本件でも、依頼者様の給料を時給換算したら「低すぎる」ということを強調し、有利な内容での和解をすることができました。

取扱事例10

  • 未払い残業代請求

会社から労働者に対する損害賠償請求に対して,未払残業代をもって相殺した事例

【相談前】
依頼者様が会社に在職中に行った不祥事について、会社側から約500万円の損害賠償請求がなされたということで相談に見えた事案です。

【相談後】
会社の請求する500万円のうち、全額を労働者である依頼者様が負担することは不当であることを指摘しつつ、逆に、依頼者様が在職中に未払になっていた残業代を会社に請求しました。
その後、会社側(会社側にも弁護士が付きました。)と交渉を重ね、お互いに金銭の請求をしないという示談が成立しました。
つまり、会社の依頼者に対する損害賠償請求と、依頼者の会社に対する残業代請求を互いに相殺し、互いに0にするという内容の示談が成立しました。

【コメント】
本件のように、会社が労働者に対して、損害賠償を行うケースもよく見られます。
判例上、労働者への損害賠償が認められるためには、労働者の重大な過失があることが要求されており、また、損害の全額を必ずしも請求できるわけではないとされています。
本件では、そのような判例法理を利用して、依頼者様の賠償額をできるだけ少なくするように努力しました。
また、この会社の賃金体系は、実質的には歩合給でしたが、その歩合給の一部が基本給とされ、その残りが固定残業手当として支給されていました。
このような、「歩合給の一部=残業代」は原則として有効な残業代の支払いとは認められません。
そこで、労働者側から逆に会社に対して残業代の請求を起こし、結果として、会社からの残業代請求と、依頼者様からの残業代請求を相殺し、お互いに0円で解決する形となりました。
会社側から損害賠償請求をされたという方は、泣き寝入りせず、ぜひ弁護士にご相談下さい。
また、本件と同じようなトラックドライバーに対する未払残業代のケースも非常に多いですので、お心当たりの方はお気軽にご相談下さい。

取扱事例11

  • 労災

精神科への通院履歴はないものの長時間労働等が原因で自殺した夫の労災が認定され、会社への損害賠償を行った事例。 同時に、生前の残業代の請求も行った事例。

依頼者:50代 女性

【相談前】
毎日帰りが遅く、土曜も仕事をしていたご主人が、会社内で首を吊って亡くなってしまいました。お亡くなりになったご主人は生前に精神科に通院している履歴はなく、精神疾患を発病していたか、不明でした。会社には、労働時間の管理シートこそあるものの、ご主人の正確な労働時間を反映したものではなく、実態よりも短い労働時間が記録されていました。ご主人は、毎日奥さんに仕事が終わったときにLINEをしていました。相談前の段階でご遺族が労災申請をしていましたが、結果が出る前の段階でした。

【相談後】
ご主人のLINEを基に、実態に即した労働時間を計算し、過労死基準を上回る残業が存在する旨の意見書を作成し、労基署に提出をしました。
また、ご主人には通院の履歴がなかったので、奥様からご主人の様子の変化などを聴き取り、過労自殺の原因となる精神障害に発病していた旨の主張も意見書の中に盛り込みました。
その結果、無事に労災が認定されました。
意見書作成と同時に、会社に対して、生前の残業代の請求をしていましたが、労基署が認定した残業時間を基にした未払残業代を支払う旨の示談が成立しました。
この残業代に関する示談成立を労基署に報告し、遺族補償給付の金額を増額する旨の決定を受けました。
さらに、その後、会社に対して、労働者を過労死させことについての安全配慮義務に基づく損害賠償を請求し、約5400万円の解決金を払う旨の示談が成立しました。
これとは別に、会社が入っていた使用者賠償責任保険から2000万円がご遺族に支給されています。

【コメント】
ご主人が送っていたLINEが長時間労働の立証の決め手になりました。これが労災認定、残業代支給の決め手にもなりました。
生前の残業代の支給を受けた場合には、本件のように、労基署に報告をすることが重要です。
労災認定がされた場合に支給される遺族補償給付の算定基礎となる給付基礎日額には、残業代も含まれるため、増額決定を受けることができるからです。
会社に対する損害賠償については、既に支給されている遺族補償年金や遺族厚生年金等は、賠償額から差し引かれてしまいます(損益相殺といいます。)。
一方、将来支給される未支給分については、賠償額から引かれません。
そのため、会社との間で、賠償額等に大きな争いがないのであれば、できる限り早期の解決を図るべきです。

取扱事例12

  • 未払い残業代請求

〈使用者側〉運送会社のドライバーから335万円の残業代請求を受けた事例にて200万円の解決金にて示談した事例

依頼者:50代 男性

【相談前】
運送会社を経営している依頼者が、退職された従業員から残業代請求を受けているということで依頼を受けました。
既に訴訟に移行している段階での依頼で、従業員から請求されている金額は約335万円でした。

【相談後】
訴訟の中で、①残業代は歩合給の中に含まれているという主張、②当該ドライバーは毎日2時間休憩時間が与えられており、休憩時間は労働時間に当たらないので、その部分については残業代は発生しない、という2点の主張を中心に行いました。
 何回か主張の応酬を続けた上、解決金200万円にて、和解が成立しました。

【コメント】
今回の依頼者様のように、歩合給の中に残業代が含まれているという賃金体系を採用している運送会社は非常に多いです。
 しかし、歩合給=残業代という賃金体系は、多くの裁判例にて否定的に解されており、このような賃金体系は、裁判所によって無効と判断されるリスクが高いと言えます。
 無効と判断されると、これまで歩合給として支払ってきたはずの残業代が、一切支払われていないと見なされることになり、多額の残業代請求が認容されることとなります。
 本件でも、そのようなリスクが十分にあったため、一定の解決金の支払いは避け難いという実情がありました。
 そのような中でも、「歩合給=残業代」を肯定した裁判例(例は少ないですが存在します)を取り上げたり、残業代の発生の土台である実労働時間の部分でも徹底的に争うことにより(上記②)、できる限り、依頼者様に有利な条件での和解を目指しました。
万が一、判決になった場合、請求の大半が認容されるリスクがあるだけでなく、多額の遅延損害金や付加金などの支払いも命じられてしまうため、このような意味でも、和解を目指すことのメリットは大きいと言えます。
 歩合給制を採用している運送会社におかれましては、できる限り、残業代リスクの少ない賃金体系を採用することをお勧めします。
こうした賃金体系の設計方法について詳しく知りたいという方も、お気軽にご相談下さい。

取扱事例13

  • 未払い残業代請求

解散した会社に対する残業代請求を取締役らに請求し回収した事例

依頼者:20代 男性

【相談前】
依頼者は、風俗関係の事務方の仕事をしておりましたが、かなりの長時間労働があるにもかかわらず、残業代が全く支払われていないということで、退職後に相談にお越しになりました。

【相談後】
残業代請求を求める内容証明を送っても、何の反応もないため、訴訟を提起したところ、会社は一切出頭せず、全額認容判決が出ました。しかし、後になって、会社が解散していることが分かりました。
 もっとも、解散後の会社は同じような法人を立ち上げ、従業員もそのまま使って解散した会社と同種の営業をしていました。
 そこで、解散前の会社の取締役全員、新会社、新会社の取締役全員を相手取り、残業代未払いにつき取締役らの責任追及をするとともに、新会社については旧会社と実質的に同一の法人だと主張し(法人格否認の法理と言います)、新たな裁判を起こすことになりました。
 この裁判になって、取締役らにも弁護士がつき、法人の同一性などが中心に争われましたが、結果的に、新会社や取締役らが連帯して250万円の残業代を払うという和解が成立しました。

【コメント】
本件では、残業の実態自体はある程度証拠がそろっていましたが、相手の法人の財産状況が不明であったため、回収に困難がある事例でした。
会社側は、法人を解散させるという強攻策で対応してきました。新しく設立された新会社への責任追及には、法人格否認の法理という高いハードルをクリアしないとならず、簡単にはいかないことが予想されました。
他方、残業代不払いにつき、一定の場合には、不払いにした取締役も責任を負うという裁判例があります。
これらを利用して、新会社だけでなく、旧会社、新会社の取締役全員も相手取って裁判を起こしました。 
取締役自身が被告になったことに焦ったのか、このときになって、会社(取締役)側も弁護士を付けて、逃げずに裁判に対応してきました。
新会社や取締役らの資力が不明であったということから、ある程度、解決金額の譲歩を余儀なくされましたが、結果的に250万円というまとまった金額を回収することができました。
資力に不安があるような会社に対する残業代請求を行う場合、取締役の責任追及も併せて検討すると、交渉が有利に進み得る場合があることがよく分かる事例になったと思います。

取扱事例14

  • 未払い残業代請求

トラックドライバー3名の残業代の請求につき一人180万円の和解が成立した事例

依頼者:40代 男性

【相談前】
運送会社をトラックドライバーをしていた依頼者3名が、退職後に元勤務先に残業代請求をしたいということで依頼を受けました。

【相談後】
タコメーターの記録や給料明細の記録を元に残業代の計算を行い、残業代請求の労働審判を起こし、一人180万円(3名で540万円)での和解が成立しました。

【コメント】
この会社では、実質的に給料の全額が歩合給となっており、その歩合給が、形式的に、基本給や各種手当てに割り振られているという給料体系でした。その中には、「残業代」という項目もあったのですが、実質的には歩合給の一部を残業代として支給しているに過ぎませんでした。
そこで、過去の給料明細などを詳細に分析して、給料明細記載の「残業代」が単なる歩合給の一部であるということを主張立証しました。
このように、実質的にはオール歩合給である賃金体系を、給料明細上は、基本給や各種手当てや残業代に適当に配分するという会社は、トラック業界やタクシー業界によく見られます。
このような賃金体系では残業代の支払いがあったとは見なされないため、残業代の請求が可能となります。
同種の賃金体系の下で働いているというドライバーの方はお気軽にご相談下さい。

取扱事例15

  • 未払い残業代請求

【解決金600万円】トラックドライバーの未払い残業代請求

依頼者:40代男性

【相談前】
トラックドライバーの方が退職後、元の勤務先への未払い残業代の請求を依頼されました。
雇用契約書、タイムカード等の残業代の証明に必要な資料はほとんど持っていませんでした。
【相談後】
会社に内容証明郵便を送り、給料明細やデジタコ等の残業代計算に必要な資料の開示を受け、残業代の計算をしました。
会社側の提出した資料を見ると、一見、きちんと残業代が払われているように見えるのですが、実際は単なる日給2万円制で、その2万円のうちの一部を残業代扱いで支払っているだけでした。
そのような問題点を指摘し、裁判を起こす前の交渉により600万円での示談を勝ち取ることができました。
このように、給料の総額を予め決めておき(本件では1日2万円)、その一部を残業代に割り振っているだけの会社は、特に運送業界に多く存在します。
また、タイムカード等の資料が残っていなくても、会社側からタコグラフ等を開示させることで残業代の立証は可能です。
きちんと残業代が払われているのか不安のある方はお気軽にご相談下さい。
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