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もりや つかさ
守屋 典弁護士
弁護士法人GoDo 静岡合同法律事務所
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相続・遺言の事例紹介 | 守屋 典弁護士 弁護士法人GoDo 静岡合同法律事務所

取扱事例1
  • 遺産分割
依頼者から父親の介護を長年してきたことを理由に寄与分を主張し認められた

依頼者:静岡県中部地域にお住いの50代の男性とその妻

【1. 事案の概要】
御依頼者夫婦は、ご両親(被相続人)と同居しており、他の相続人としては、姉が一人県外にいます。
被相続人は、御依頼者(夫)の父になります。父は85歳で亡くなられました。
その父と同居して生活全般の面倒を見てきたのが、相続人である依頼者(夫)とその妻になります。
日常的な父の介護については、実際には相続人である夫よりも、その妻の方が負担が大きかったと思います。
被相続人である父の相続について、県外に住む御依頼者(夫)の姉が、法定相続分どおりの請求をしてきたことが紛争の発端になりました。
実は、父の面倒を見るに際して、御依頼者である方(夫)とその姉とで、事前に父の相続について話をし、事実上両者の間では、約束がなされていました。
その約束を上回る金額を姉から請求をされてきたため、相続人間で話し合いによる解決が困難となったケースになります。
前述した二人の約束は、父が亡くなった場合、姉には弟である御依頼者から300万円の金銭を支払うことで、他の遺産は全て御依頼者が相続するという内容でした。
しかし姉は、この約束を反故にして、法定相続分である700万円程度の金額を全額弟に請求をしてきました。
そのため弟である御依頼者は、話が違う、約束を姉には守って欲しいという思いが強く、姉がそのような主張をしてくるのであれば、自分は、父の介護を妻とともに長年行ってきたので、介護を理由とした寄与分を主張したいと考えました。
ちなみに寄与分とは、特定の相続人が、自分の労力や財産を使って、被相続人の財産を守ったり、増やしたりするなど特に貢献をした場合に認められるものであり、寄与分が認めれられる場合には、その貢献に応じて、他の相続人よりも相続分を増やしてもらうことができることになります。

【2. ご依頼】
御依頼された方は、姉との遺産分割協議の話がまとまらず、また姉から既に家庭裁判所に対して、遺産分割の調停が申し立てられたので、その対応をして欲しいとの御依頼を受けました。
この調停において、こちらとしては、介護による寄与分の主張を徹底して行いました。

【3. 調停・審判手続について】
調停において、こちら側としては、介護の具体的内容を明らかにするため、(1)被相続人である父の介護に関する資料(介護認定、具体的な介護を要する事項、場面等)に基づき、御依頼者の介護の負担を具体的に主張していきました。(2)また御依頼者の日常生活の中で、どの程度の時間が介護に費やされているのか、その点についても、グラフ化するなどの方法で詳細に主張をしていきました。
調停手続きでは、こちらの介護に基づく寄与分に対して、姉からは父の介護について感謝の言葉も聞けず、またその程度の介護は、寄与分として評価すべきではないという厳しい意見も出されました。そのため寄与分について、話し合いで解決することが難しかったため、裁判所に審判(裁判官の判断を出してもらう手続きです)により結論を出してもらうこととなりました。

【4. 結果】
御依頼者の寄与分については、介護を理由として、約200万円程度の寄与分を認めてもらうことができました。
御依頼者が主張をしていた寄与分の金額は、前述した金額よりも、もっと大きい金額でしたが、少なくとも介護に関する寄与分が認められ、それが評価されたことで、非常に満足したとのご意見でした。
寄与分についての、御依頼者の主張が、一部ですが裁判所に認められた結果になりました。
しかし一部とはいえ、実際に介護して辛い思いをされたきた方にとっては、その点を裁判所に評価されたことは、金額以上に大きなものがあったようです。
取扱事例2
  • 遺産分割
2000万円以上の相続財産が特別縁故者に認められた

依頼者:静岡県中部地域にお住いの40代の男性

【1. 事案の概要】
被相続人は、病気により40代で亡くなられました。同人には両親がいましたが、既に他界し、妻子や兄妹姉妹などの相続人も一切いませんでした。
もともと病気がちで体が弱かった被相続人に代わって、御依頼者が被相続人の両親の面倒やその葬儀なども中心となって執り行ってきました。
被相続人の両親が亡くなられた後、被相続人自身、もともと抱えていた持病の悪化により入退院を繰り返すようになりました。
そのような入通院生活の中で、生活に不安を感じた被相続人に対して、御依頼者は公的な援助を受けられるように各種行政手続きを行ったり、また入通院については、必要な付き添い、看病などを行ってきました。
数年の闘病生活をした後、被相続の体調が急激に悪化したため、被相続人と御依頼者とが相談し、公正証書の作成をすることを決めましたが、その手続きをする時間的な余裕もなく、被相続人が亡くなられました。
ちなみに特別縁故者の制度は、相続人がいなかったり、その存否が不明の場合に、被相続人と生計をともにしていた者、その療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があったと認められるような者などに、家庭裁判所が相当と認める場合に、相続財産から負債などを支払った後、残った相続財産の全部又は一部を与えるという判断をすることを言います。

【2. ご依頼】
御依頼された方は、事実上、被相続人の相続財産を管理していたため、相続人がいない本件で、どのように手続きを進めたら良いのか、全く分からないと不安を抱えて相談に来られました。
御依頼者自身は、特段相続財産を自分が取得するという御意向は強くなかったのですが、話を良く聞いていくと、そもそも被相続人自身が、自分の財産を御依頼者に相続させたいと考えていたことが十分に推測できるケースと思われました。
そのため相続財産を放置したり、国庫に帰属させたりするのではなく、むしろ御依頼者がその相続財産を取得することが、被相続人の御意向に沿うのではないかと考え、手続を進めることとしました。

【3. 相続財産管理人の選任申立手続きについて】
相続人がいなかったり、その存否が明らかでない場合、または相続人がいても、その相続人が相続を望まず、相続人全員が相続放棄をしたため、結果として相続する者がいなくなった場合などには、家庭裁判所は、申立てにより、相続財産の管理人を選任し、相続財産をどのようにするのか、手続きを進めることになります。
相続財産管理人は、被相続人の債権者や負債額等を調べたりして、被相続人の負債を支払うなどします。
このような負債を支払った後でも財産が残るような場合には、その財産は国に帰属させることになります。
また前述したように、特別縁故者に対して、裁判所の判断に基づき相続財産の全部又は一部を与えるという手続をすることもできます。
御依頼者と相談をして、前述したように被相続人の生前の御意向を考え、相続財産管理人の選任を裁判所に申し立てるとともに、前述した特別縁故者に対する財産分与を求めていく手続きを行いました。

【4. 結果】
裁判所は特別縁故者である御依頼者に対する相続財産分与の手続きで、相続財産を全て御依頼者に分与するのが相当であると判断をしてくれました。
その結果、2000万円以上の預貯金等と一部不動産を御依頼者の方が取得する結果となりました。
御依頼者の方は、被相続人の御意向に適うように受け取った預金等を使っていきたいと言われ、御依頼者にとっては満足な結果になったものと考えています。
取扱事例3
  • 相続放棄
被相続人の死亡から7年後であったが相続放棄が認められた

依頼者:静岡県内にお住いの女性

【1. 事案の概要】
御依頼者は、7年前に亡くなった親に多額の借金があることを全く知りませんでした。
その親には、税金や金融機関に対する借金が2000万円以上ありました。
このような借金は、アパート経営をするために金融機関から借り入れを行った御依頼者の兄弟にその原因がありました。
その親は、自らの土地をアパートに提供するとともに、アパート建築の為の金融機関からの借り入れについて、連帯保証人になっていました。
このアパート建築の借り入れや、そのローンの返済、固定資産税などの支払いについては、御依頼者の兄弟が全て行っていました。
アパート経営が順調であれば、前述したようなローンの支払いや、税金の支払いも問題なく行われていたと思いますが、なかなか想定していたような入居者を確保できず、ローンの返済は徐々に滞っていくようになりました。そのような中で、被相続人である親が死亡されました。
それから数年を経過し、前述したローンの返済は、とても返済できるような状況でなくなり、不動産の処分をせざるを得ない状況に追い込まれました。
このような状況を御依頼者が、御兄弟から聞いたのは、被相続人が死亡され、既に7年近く経ってからになります。この時点で初めて御依頼者は、自分の親にも多額の負債があったことを知るに至りました。
それでこの親の負債を自分たちは相続をしているのではないか、相続をした以上、自分も支払いをしなければならないのかと悩まれて相談に来られました。

【2. ご依頼】
相続放棄という言葉自身は、知られていることが多いと思いますが、相続放棄をするには、どうしたら良いのか、その方法をご存知の方は少ないと思います。
相続放棄は、相続の開始があったことを知ったときから(簡単に言えば、例えば親の死亡を知ったときからになります。
そのため親が死亡した時ではなく、あくまでそのことを知った時からになります)、3ヶ月以内に家庭裁判所に手続きを行う必要があります。
単に自分は、相続をしないと他の相続人に宣言するだけではこの相続放棄をしたことにはなりません。
しかし後述するように、相続放棄をする時期が、前述した時期を経過しても、特別の事情が認められるような場合には、裁判所も柔軟に相続放棄を認めてくれるケースがあります。
そこで兎も角、相続放棄の手続きをすることで、私が手続きを受任しました。
多額の負債を相続するという選択を第一に考えることができない以上、相続放棄の手続きをまずはしてみましょうと勧めました。

【3. 結果】
先ほど述べたことからすると、本件では、被相続人が死亡してから、既に7年近く経過しており、また当然御依頼者は、親が死亡されたことも知っていますから、前述した原則からすれば、相続放棄ができないことになります。
しかしこのように死亡から長期間が経過した場合であっても、被相続人にこのような多額の借金があったことを全く知らなかったり、また知らなくてもやむを得ないような事情が認められる場合には、例外的に裁判所が相続放棄を認めてくれる場合があります。
本件においても、このような例外的な事情を裁判所が考慮をしてくれて、相続放棄を認めてくれました。
また本件では、実は被相続人である親が死亡した後、その親の相続財産の全てをアパートを建てた兄弟が相続をするという内容の遺産分割協議書が作成されていました。この遺産分割協議書は、アパートのローンを融資した銀行が作成したものであり、御依頼者は、銀行から言われるままに前記遺産分割協議書に署名をしました。
遺産分割協議を行うということは、相続財産を処分することに該当するため、本来であれば相続放棄とは矛盾する行為になります。
そのため相続放棄をすることは認められない事情になります。
しかし裁判所は、この点も含めて、相続放棄を認めてくれました。
その理由は推測するに①御依頼者は、そもそも前記遺産分割協議によっても何ら相続財産を取得していないこと、②その協議時点においても、被相続人に多額の負債があることを知らなかったこと、③御依頼者が遺産分割協議書に署名押印したのは、金融機関に勧められるままに行ったことであることなどが考慮されたのではないかと思います。
取扱事例4
  • 遺産分割
兄から寄与分を主張されたが主張が認められなかった

依頼者:静岡県中部地域にお住いの40代の女性(妻)

【1. 事案の概要】
御依頼者の兄は、ご両親(被相続人)と同居しており、その兄が、両親の相続において、自分は長年家業の手伝いをしてきたため、その貢献が寄与分として斟酌されるべきであると遺産分割調停・審判において主張されました。
これに対して、依頼者の側から兄の手伝い程度は、自分も行っていたことであり、寄与分として認められるようなものではないと、兄の寄与分を全面的に争ったケースになります。
ちなみに寄与分とは、特定の相続人が、自分の労力や財産を使って、被相続人の財産を守ったり、増やしたりするなど特に貢献をした場合に認められるものであり、寄与分が認めれられる場合には、その貢献に応じて、他の相続人よりも相続分を増やしてもらうことができることになります。

【2. ご依頼】
御依頼された方は、兄との遺産分割協議の話がまとまらず、そのため遺産分割の話を進めるために、調停の申し立てをして欲しいとの御依頼を受けました。
調停外の交渉で、御依頼者の兄と協議をすることも考えましたが、実家を継いできた兄が、相続に関して、過大とも思われる要求をしていることが事前に分かっていましたので、話し合いによる解決は困難であると考え、遺産分割の調停を家庭裁判所に申し立てることといたしました。

【3. 調停・審判手続きについて】
相手方である御依頼者の兄から、冒頭で述べたように、家業に対する貢献を寄与分として認めるべきであり、その金額は少なくとも400万円程度であるという主張がされました。
この兄の主張に対しては、兄が家業を専業として仕事をしているわけではなく、他に常勤で勤務する仕事を有していたこと、そもそも両親が行っていた家業は、その売上規模からして、兄の貢献が特段なくても、仕事の継続が十分に維持できるものであること、兄は家業への貢献がをしたと言いながら、その貢献が具体的にどのようになされたものであるのか、その具体性が極めて乏しいことなどを、御依頼者側としては、資料を交えながら反論をしました。
調停手続きでは、寄与分に対して、双方とも話し合いで解決することが難しかったため、裁判所に審判(裁判官の判断を出してもらう手続きです)により結論を出してもらうこととなりました。

【4. 結果】
相手方である兄の寄与分については、相続分を他の相続人よりも多く認めるだけの貢献があったとは認められず、兄の主張は排斥されました。
寄与分についての、御依頼者の主張が裁判所に全面的に認められた結果になりました。

【5. 担当弁護士からのコメント】
相続で兄妹等の親族間で争いになる場合、時には熾烈を極め、その紛争が長期化することも珍しくありません。
また、そのような感情的な不満から、相手方の被相続人(親など)への対応を非難したり(例えば親の面倒をほとんど見ていなかった、親のお金を当てにして生活をしていた)、自分は生活を犠牲にして、両親の面倒を見てきたという主張がなされることがあります。
しかしそもそも後日紛争になることを予想して、両親の介護や家業の手伝いなど、どのようなことを具体的に行い、その負担がどの程度であったのか、それを裏付ける証拠を残している方はほとんどいません。
寄与分についても、争っている当事者が、それぞれ譲歩してどの程度の寄与分があったのか、またそれに対する金銭的な相続分の上乗せをどの程度にするのか、話し合いにより合意できれば、迅速解決という点からは一番望ましいとは思います。
しかし前述したような事情から、双方が一歩も引かない状況になることは珍しくありません。
その場合、寄与分の有無、そしてその金額的な評価は、裁判官が判断することになります。
裁判官は、やはり寄与分を裏付ける客観的な証拠の有無により判断をせざるを得ませんので、単に自分は家業を手伝い、その家業の維持に貢献をしてきたというような、抽象的な主張では、寄与分を認めてはくれません。
従って寄与分という言葉は、争いのある相続では良く聞かれる言葉ですが、実際にそれを裁判所で認めてもらうには、裁判官を説得させ、納得してもらうだけの資料を裁判所に提出することが不可欠です。
どのような主張や資料が、必要であるのか、そのポイントなどについて、詳しくは当事務所弁護士にご相談下さい。
取扱事例5
  • 相続放棄
生まれて一度も会ったことがない父親の相続を放棄した事件

依頼者:30代の女性

【1. 事案の概要】
他府県のとある市から、御依頼者のもとへ、税金の納付書が届きました。どうやら、御依頼者が生まれる前に母と離婚したという父親が半年程前に亡くなり、その相続人である御依頼者のもとへ納付書が届いたようでした。
御依頼者は、生まれてから一度も父親と会ったことはなく、その行方すら知らない状況でした。

【2. 手続の流れ】
相続が開始されたことを知った日から3ヶ月以内であれば、相続の放棄をすることができます。
この件では、父親が亡くなってからは3ヶ月以上経過していますが、父親が死亡して相続が開始したことを知ってからは3ヶ月経過していないので、その旨を適切に説明すれば、相続を放棄できます。
上記の市町村を管轄する家庭裁判所宛てに放棄の手続を行い、無事に放棄することができました。
取扱事例6
  • 遺産分割
遺産分割手続きに相続分譲渡手続きを利用したケース

依頼者:静岡県中部にお住いの40歳代の女性

【1. 事案の概要】
被相続人には子供や亡くなった子供もいるため、複数(5名)の相続人がいました。御依頼者は、特に相続財産がそれほど高額でないにも関わらず、感情的な対立があって、遺産分割の話が円滑に進まないことに嫌気がさしていました。
また自分としては遺産分割に積極的に関わらなくても、他の相続人から自分達の味方になって欲しいというような働きかけもあり、御依頼者としては、遺産分割の紛争に巻き込まれることは回避したいとの思いもありました。
そこで遺産分割の紛争に巻き込まれないで、自分としてはその関係から離脱をしたい、あまり遺産にも固執していないので、少しの金銭を貰えれば、自分としては、このような争いごとから離れたいというご意向でご相談に来られました。

【2. ご依頼】
御依頼者のお話を聞いて、ご意向も良く理解をできたので、御依頼者が希望する遺産分割の金額を確認しました。
この希望金額は遺産全体の金額を考えた場合、かなり少ない金額であることから、他の相続人の内、誰かに相続分を譲渡して、その方から依頼者が希望する金額の支払いをしてもらえば解決が図れるのではないかと考え、相続分の譲渡を交渉で行うという手続きを私が受任しました。

【3. 相続分譲渡の手続き】
他の4名の中で、比較的冷静に本件遺産分割の手続きに関与されていると思われるAさん(御依頼者の弟さん)にご連絡をして、御依頼者の意向を伝えました。
もともと御依頼者の希望する金額は、相続財産から考えれば、かなり低い金額でしたので、譲渡の希望を伝えたAさんも御依頼者が希望する金額で、その相続分の譲渡に応じてくれることが早期に決まりました。
あとは「相続分譲渡証書」を作成し、それに御依頼者の実印を押印し、印鑑証明書を添えて、Aさんと金銭のやり取りを済ませました。

【4. 結果】
御依頼者の方は、弟であるAさんに200万円で相続分譲渡を行い、その対価を取得して、今回の遺産分割から離脱をすることになりました。

【5. 担当弁護士からのコメント】
遺産分割の手続きは、相続人全員で合意をすることが基本です。しかし前述したように相続人間で熾烈な紛争を繰り広げている場合、その解決までには数年を要することも珍しくありません。
しかし相続人の中には、争ってでも、相続分を絶対にきっちりと取得したいという方と、逆に争いに巻き込まれるくらいであれば、自分としてはできるだけ早く争いの輪から外れたいと考える方もいます。
今回の御依頼者の方は、まさに後者でした。
その場合、相続人全員での合意ができない限り、紛争に関わることになったり、自分としては紛争に関わりたくなくても、他の相続人から自分の味方になるように誘われたりと、その方にとっては非常に苦痛を感じることもあると思います。
このような方には、今回の相続分譲渡などの手続きを利用されて、早期に紛争から離脱することもご検討されてはどうかと思います。但し悩ましいことは、相続分を譲渡するのは通常、相続人の内の特定の一人に対して行うことになります。
その特定の一人に譲渡したことにより、他の相続人から「何であいつに安い金額で譲渡したんだ」などと恨まれる可能性も皆無ではありませんので、そのあたりは慎重にご検討されたらと思います。
遺産分割事件でなかなか話し合いが進まないなどの理由でお困りの場合には、そのための手続きやポイントなどについて、詳しくは当事務所弁護士にご相談ください。
取扱事例7
  • 借金・負債の相続
数十年前に失踪した夫が遠方で死亡したことが発覚し、限定承認をした事件

依頼者:80代 女性

【1. ご依頼】
ご依頼者の夫は、数十年前に妻であるご依頼者やその子を捨て、失踪していました。
もっとも、離婚はしておらず、ご依頼者とその子が相続人となる立場でした。
夫に捨てられて母子生活では大変な苦労をしたので、夫に一定の遺産があるなら相続したいという思いがある一方で、もし借金などがあったら…と考えると相続を放棄すべきではないかと悩んでおられました。

【2. 解決までの流れ】
このようなケースでは、限定承認という手続をとるのがベストでしょう。
比較的珍しい手続ですが、プラスの財産だけではなくマイナスの財産(つまり負債)も残して亡くなってしまい、かつ全体としてプラスかマイナスかがわからない場合に、有用な手続です。
限定承認をすれば、結果的にマイナスの方が大きくても「相続したプラスの財産の範囲内で」責任を負えば済むことになります。
つまり、簡単に言えば、全体としてプラス分が上回るならその分をもらえる、全体としてマイナスだったとしても実質的な自己負担はゼロで済む、というイメージですね。
相続放棄と違って多少手続が煩雑であり、相続人が複数いる場合にはその 一人が家裁から相続財産管理人に選任されるなど、面倒な部分もありますが、イチかバチかで相続放棄するかしないかを決めるより、依頼者にとってメリットのある手続です。
取扱事例8
  • 遺産分割
相手方が主張する特別受益が1000万円から200万円になって遺産分割できた

依頼者:50代男性3人

【1. 事案の概要】
50代のご兄弟三人は、父親の遺産(土地・建物・預貯金等で約7000万円)を法定相続分で適正に分割したいと考えていました。
相手方は、父の後妻(子供はいない)で、遺産である父親の持ち家に父親の死後も住み続けていた。話し合いをして、自宅の明け渡しを求めたが、相手方は当面今の家に住みたいと主張していた。
また、相手は、兄弟にそれぞれ1000万円ずつの特別受益がある旨も主張していた。
(特別受益がみとめられると、その分遺産がもらえなくなります)

【2. ご依頼】
この段階でご依頼をいただき、遺産分割調停を申し立てた。着手金は30万円。


【3. 結果】
調停では、ご兄弟それぞれに一人200万円の生前贈与があるとされたものの、自宅はご兄弟で売却。ご兄弟は金銭に換算すると約1000万円ずつを取得することができました。
これは、ほぼ法定相続分通りです。
弁護士報酬として取得した利益の10%である約300万円をいただきました。
なお、相手方が主張するようにご兄弟それぞれの1000万円ずつの特別受益の主張がそのまま通っていれば、ご兄弟がもらえた額は660万円でした。

【4. コメント】
遺産分割事件では、生前に贈与を受けていたとか、被相続人にお金を提供したなどという人がいますが、借用書、振り込み書、領収書などがない裏付けのない主張はとおりません。まずは、ご相談ください。
取扱事例9
  • 遺産分割
父の遺産分割(子供たちと後妻)のケース

依頼者:60代 女性

【1. 相談前】
亡くなったのは依頼主の兄。相続人は妹である依頼主一人、兄の財産は、兄が住んでいた土地と建物だけでした。
しかし、その建物はゴミであふれ、とても立ち入れるような状況ではなかった。
また、兄には借金があるおそれがあった。

【2. 相談後】
お兄さんが亡くなってすぐに相談に来られ、相続放棄の手続をお願いしたいということでしたが、家屋が良い立地にあることから、売却して手元に残るものがあるのであれば、売却したいということでした。
相続放棄または土地建物の売却でご依頼いただきました。
難しい手続きは全く分からないので、とにかく全部をやってほしいというご要望でした。着手金は15万円。
まず、お兄さんの借金を調べたところ、負債はありませんでした。
相続放棄をする必要はなくなりました。そこで、土地、建物を相続した上で、売却して換金することにしました。
弊所では、連携している不動産業者・司法書士・税理士等がいますので、すべてをワンストップで行うことができます。
不動産業者には土地の買い手を探してもらったところ、すぐに見つかりました。
古い建物は解体するしかないということでしたので、不動産業者の知り合いの業者に建物を解体してもらいました。
相続登記や売買による所有権移転登記は、司法書士に依頼しました。
また不動産を売却すると譲渡所得税等がかかりますので、その手続は税理士にやってもらうことになりました。
このようにしてお兄さんの遺産を売却して、弁護士費用(依頼者が得た利益の10%)、解体費等の全ての費用を清算しても、依頼者の元に300万円以上のお金を残すことができました。

【3. コメント】
弁護士と言うと、訴訟しかしないというイメージがおありかもしれませんが、さまざまな解決手段をご提案できます。
まずはご相談ください。
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