不貞行為の現場(自家用車内)に座らされ続けた精神的苦痛の慰謝料相場は?
夫が不貞行為を認めて、慰謝料は争わないと言っています。
夫は自家用車の後部座席で、不特定多数の女との車内での性行為を繰り返していました。何も知らない私や息子は、家族で出掛ける際に、その自家用車に乗り、不貞行為の現場に座らせられてきたことになり、期間は3年以上にもなります。
不貞行為の現場に座らされ続けた精神的苦痛について慰謝料を請求したいと伝えたところ、夫は了承しています。
以前に弁護士無料相談にて夫の不貞行為の全容を相談したところ、2名の弁護士から慰謝料は200万円程度請求できる見込みと伺いました。※離婚した場合
不貞行為の現場に座らされ続けた慰謝料については、不倫慰謝料の全体に含まれますか?あるいは、別途の請求を追加(または増額)することは可能でしょうか?そのとき、相場はいくら程度になりますでしょうか?
私見を回答させていただきます。
家族で日常的に利用していた車が不貞行為の現場として繰り返し使われていたことを後から知り、強い嫌悪感や精神的苦痛を感じられることは無理もないことだと思います。
もっとも、この点だけを切り離して「車に座らされていたことについて別途○万円」という形で慰謝料が認められるというよりも、夫の不貞行為によって受けた精神的苦痛を評価する際の一事情として考慮されることが一般的です。そのため、「車内で不貞行為が行われていたこと」について個別にいくら請求できるかを示すことは難しいです。
慰謝料は、不貞の期間や回数、態様、婚姻期間、夫婦関係への影響、離婚に至ったかなどを総合して判断されます。3年以上にわたり、不特定多数の女性と家族で使用する自家用車内で性行為を繰り返していたことは、不貞の態様や精神的苦痛の大きさを示す事情として、慰謝料額の判断において考慮され得ると思います。
金額について夫との間で話合いができるのであれば、裁判で認められると見込まれる金額に必ずしも拘束されるわけではありません。そのため、相談者様の希望する金額を提示し、夫との話合いによる解決を目指すことも一つの方法だと思います。
不貞行為の現場となった自家用車を、その後も何も知らない貴方やお子さんが家族で使用していたという事情は、精神的苦痛を大きくする事情として主張してよいと考えられます。もっとも、実務的には、通常の不貞慰謝料とは別に「不貞行為の現場に座らされたこと」について独立した慰謝料請求権が発生する、という整理にはなりにくいでしょう。
不貞慰謝料は、不貞の期間・回数、相手の人数、婚姻期間、夫婦関係への影響、離婚に至ったか、不貞の態様・悪質性などを総合して金額が判断されます。家族が日常的に使用する自家用車の後部座席で、不特定多数の女性との性行為を3年以上繰り返していたという事情は、不貞の態様や精神的苦痛の程度を基礎付ける事情として、慰謝料総額の算定において考慮を求めることが考えられます。請求の組み立てとしては、「車の件について別途いくら」とするよりも、不特定多数との長期間の不貞、家族が使用する自家用車を継続的に不貞の場所として利用していたこと、発覚後に貴方が受けた精神的苦痛等を一体として示し、慰謝料総額を検討する方が自然だと思います。
金額面については、ご記載の事情のみでは回答が難しいところはありますが、期間なども考慮すると、200万円というのも不当に高額とまでは言えないように思われます。