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いえもと まこと
家本 誠弁護士
弁護士法人GoDo 支部藤枝やいづ合同法律事務所
静岡県藤枝市築地838 落合電気ビル2階
対応体制
  • 法テラス利用可
  • 分割払い利用可
  • 後払い利用可
  • 初回面談無料
  • 休日面談可
  • 夜間面談可
  • 電話相談可
  • メール相談可
注意補足

メール相談については、具体的なケースについては回答が不十分なものになるため、制度の概要などの一般的な説明にとどまることが多いと思いますので、その点はご了承ください。

医療・介護問題の事例紹介 | 家本 誠弁護士 弁護士法人GoDo 支部藤枝やいづ合同法律事務所

取扱事例1
  • 説明義務違反
医療事故調査制度をご存知ですか。医療事故について、当該医療機関に対して医療事故調査制度の適用を申し入れたケース。

依頼者:40代(女性)

【相談前】
依頼者は、医療事故で死亡した50代男性の妻です。
医療過誤による賠償請求を前提に、医療機関に対し医療事故調査制度に基づき死亡原因の調査を申し入れました。

1 事案の概要
悪性腫瘍の手術をした結果、多臓器不全により死亡したケースについて、医療事故調査制度の適用事案であることを理由に、その調査をするように当該医療機関に申し入れをしたケースです。

2 ご依頼
亡くなられた方の妻から、夫が手術により何故死亡したのか、医療機関からちゃんとした説明を受けていない、医療機関に責任があれば、その責任を追及したいということで、ご相談を受けました。
まずは妻に医療機関からカルテ等の開示を受け、その資料を収集してもらうことにしました。
カルテ等の開示後、カルテの内容を検討し、前述したようにまずは、医療機関に対して、医療事故調査制度の調査を申し入れることでご依頼を受けました。


【相談後】
当該医療機関に対する内容証明での申し入れについて

1 前記医療事故調査制度は、医療機関の責任追及を目的とする制度ではなく、医療の安全を確保するために医療事故の再発防止を行うことが制度の目的とされています。
しかし医療事故の再発防止の観点から、当該医療事故がどのような原因、機序(しくみ、メカニズム)から生じたものであるのか、その点が調査対象とされることから、結果として、医療事故に対する当該医療機関の医療行為に問題がなかったのか、それを理解する上で前記調査制度が一定の情報提供を行うことも事実であると思います。

2 医療事故調査制度で調査の対象となる医療事故とは、全ての医療行為ではなく、死亡または死産に限定され、重篤な後遺症があっても死亡に至らなければ対象外です。(詳しくは医療法第6条の10、医療法施行規則第1条の10の2に記載されています)。

3 医療事故調査制度で調査の対象となる医療事故であるか否かの判断は、医療機関の管理者が行い、遺族が異議を唱えても調査が義務付けられるわけではありません。
しかし「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について伴う留意事項等について」の通知(平成28年6月24日医政総発 0624 第1号)においては、病院等の管理者は、「遺族等から法第6条の10第1項に規定される医療事故が発生したのではないかという申出があった場合であって、医療事故には該当しないと判断した場合には、遺族等に対してその理由をわかりやすく説明すること。」とされています。
従って当該医療機関の管理者が、医療法6条の10に該当しない医療事故であると判断した場合であっても、当該死亡につき、何故調査の対象とならない医療事故であるのか、遺族等に対して、その理由を分かりやすく説明することが、当該医療機関には求められています。

4 結 果
結果としては、当該医療機関からは、前記医療法6条の10に該当しない医療事故であるとの回答がなされました。
決して満足のできる内容ではありませんでしたが、当該医療機関が、死亡した結果に対して、どのような原因に基づくものであるのか、また死亡結果について、予期されたものであったとの具体的な理由などについて、その点を書面で確認できるという意味はあったものと考えています。

【先生のコメント】
遺族にとっては、医療機関から予期されていた死亡結果であると説明をされても、到底納得ができるものではありません。
多くの遺族は、事前にそんな説明は受けていない、危険性の高い手術であるなどとも医師からは全く聞いていなかったなどと不満を述べられることが多いと思います。
そのため死亡した後、「当該死亡が当初から予期された結果」であると遺族は説明をされれば、医療機関は責任逃れをしているだけではないかと、ますます強い憤りを感じることになると思います。
前記医療事故調査制度については、そもそも医療機関の責任追及を前提とした制度ではないため、遺族の方の思いを十分にくみ取った制度設計にはなっていないと思います。
しかし実際に調査が行われれば、死亡原因などについて明らかにする方向で調査をされる結果、遺族の方にとって、事実を明らかにするという契機にはなると思います。
また実際に調査が行われなくても、前述したように、遺族の方から医療事故調査制度が適用されるべきではないかとの申し入れに対しては、当該医療機関に、その制度を適用しない理由を分かりやすく説明することを求めていますので、その理由を回答させる点においては、意味があると考えています。
医療機関に説明を求めても、納得ができるような説明をしてくれないなど、医療機関の対応に不満を持たれている方も多いと思います。医療機関の対応に不満があれば、弁護士に相談することをお勧めします。
取扱事例2
  • 手術ミス・事故
パイプカット術のミスが認められ、650万円の裁判上の和解が成立したケース

依頼者:男性

【相談前】

事件の特徴
  依頼者さまは、パイプカット術(本件手術と省略します)を受けましたが、本件手術において、医療機関のミスがあり、片方の精巣が壊死したため、その摘出を余儀なくされたケースになります。

事案の概要
 依頼者さまは、ご夫妻でご相談をされた上で、前述したパイプカット術を受けました。しかしその手術において、医療機関のミスにより、片方の精巣を壊死させるという障がいを負い、その精巣を摘出するに至りました。

ご依頼
 当初、調停を申立て、医療機関と交渉を行いましたが、納得できる提案をいただけなかったため、正式に裁判をして、医療機関の責任を追及することとしました。


【相談後】

裁判手続きについて
 まず裁判をする場合、依頼者さまの方に生じた後遺症の程度が問題になります。本件では、片方の精巣を摘出する結果となりましたが、それにより生殖能力に大きな影響が生じることがないこと、また依頼者さまは既にお子さまが数名いて、今後お子さまを産む予定は特にないこと(依頼者さまの妻の年齢を考えても)などから、損害額について被告側から強く争われました。
 また被告側からは、本件手術中に精巣が壊死したのは、精巣捻転が突然起きたためであり、かかる精巣捻転は予測不可能な事態であったため、医療機関には過失はないという点も争われました。
 本件訴訟では、医師の専門委員が選任され、その医師から話を聞くため、医療機関に裁判官や双方の代理人が出張したこともありました。専門委員というのは、簡単に言えば、裁判官などに専門的である医学知識などをアドバイスする立場にある人を言います。医療訴訟では、問題となっている人体の部位の構造、医学用語、医療文献の意味など様々な点において、医学に素人である裁判官や弁護士には、理解できないことが多くあります。その点について、専門委員の医師に分かりやすく説明をしてもらい、裁判官を始めとする当事者が問題点を正確に理解できるようにしてもらうための制度です。
 本来、専門委員は、問題となっている本件手術において、医療機関にミスがあったのか否かなどの点については、言及しないことになっています。あくまでその点についての判断は裁判官が行うものであり、専門委員は、裁判官がそのような判断をするに資する点について、アドバイスを行うというのが建前になっています。
 しかし本件訴訟においては、前述した専門委員の医師に事情を伺った際、やはり医師も専門的な立場から意見を述べるため、本件手術に問題があったのか、それともなかったのか、その点に言及しないで、口を閉ざすことに終始するのは、きっとその専門委員の先生にとっては、難しかったのかもしれません。専門委員の先生が、説明をしていく中で、徐々に本件手術の問題点に言及され、事実上医療機関のミスがあったと十分に思わせる発言になったため、原告である依頼者さまとしては、非常に助かりました。裁判官も事実上、この専門委員の医師の話から、医療機関のミスがあったと判断したと考えています。

結 果
 その後の裁判では、医療機関のミスを前提に賠償額について、双方で主張が交わされました。その上で裁判所から650万円の賠償額の和解案の提示がなされました。
 依頼者さまは、調停段階よりも賠償額の提示額が大幅に上がったことから前記裁判所の和解案を受け入れることを承諾されました。また被告の医療機関としても、既に専門委員から過失があったと指摘されていることから、賠償額についても、裁判所の提案を受け入れました。
 そこで前記650万円を被告の医療機関が、依頼者さまに支払うことで、裁判上の和解が成立しました。


【先生のコメント】
上記裁判では、医師の専門委員が、医療機関にミスがあったと裁判所が判断するような指摘をしたため、本件ではその後早期に解決に至りました。
 しかし逆に医師の専門委員が、医療機関にミスがないというような指摘をするような場合は、その後の訴訟に大きな影響を及ぼすことになります。従って専門委員の先生に訴訟に参加してもらうか否かについては、医療訴訟の場合、慎重に検討すべき問題であると思います。
 医療機関の治療、手術などにミスがあったのではないかと思われたり、またその点について、医療機関に説明を求めても、納得ができるような説明をしてくれないなど、医療機関の対応に不満を持たれている方も多いと思います。それが医療機関のミスと言えるのか、またその点について医療機関に責任追及ができるのか、疑問に思われる方は、どのような手続きを進めれば良いのか、その方向性や重点になどについて、詳しくは弁護士にご相談ください。
取扱事例3
  • 手術ミス・事故
腰椎椎弓切除の手術ミスで1700万円が賠償金として支払われたケース

依頼者:ご高齢の依頼者さま

【相談前】

事件の特徴
依頼者さまには、腰部脊柱管狭窄が認められ、そのために腰椎椎弓切除の手術(以下本件手術と省略します)が行われました。本件手術において、医療機関のミスがあり、膀胱直腸障害の後遺症が発生したケースになります。

事案の概要
 依頼者さまは、腰部脊柱管狭窄の症状を改善するため、前述した腰椎椎弓切除の手術を受けました。しかしその手術において、医療機関のミスにより、膀胱直腸障害の後遺症を負うに至りました。

ご依頼
 当初、医療機関と交渉を行ってきましたが、納得する提案をいただけなかったため、正式に裁判をして、医療機関の責任を追及することとしました。


【相談後】

裁判手続きについて
 まず裁判をする場合、依頼者さまの方に生じた後遺症の程度が問題になります。それは後遺症の程度により、賠償額が変わってくるためです。本件手術により依頼者さまの方が受けた後遺症の程度は、後遺障害別等級表別表第二第9級11号「膀胱の機能の障害により、残尿が100ml以上であるもの」に該当し、また後遺障害別等級表別表第二第9級11号「常時おむつの装着が必要なもの(別表第二第7級5号に該当しないもの)」に該当するものになります。
 この後遺症を前提として、賠償額を計算した上で、裁判所に訴訟を提起しました。
 裁判の中では、どのような手術過程において、前述した後遺症が生じたのか、そして後遺症が生じたことに対して、医療機関の過失(医療機関のミス)があったのか否かが、中心的な問題として争われました。
 前述した後遺症が生じたのは、馬尾という脊髄神経の束を損傷したことが原因になります。後遺症の発症した場所(本件では膀胱直腸障害)などから、どの部分の神経を損傷したのか、その点はおよそ判明します。
 本件手術では、脊柱管狭窄症を改善するため、神経が圧迫されている箇所の椎弓(脊柱を構成する一つ一つの骨の一部ということになります)を除去する際、その器具の使用を誤って、馬尾を損傷したことが前述した後遺症を発症させた原因であり、その損傷について、医療機関のミスが認められました。

結 果
 裁判所は、前記後遺症を前提に賠償額を計算し、依頼者さまと医療機関双方に和解で本件裁判を解決することを勧めました。依頼者さまとしても、裁判所から提示された内容に納得ができたため、最終的には、1700万円を医療機関が、依頼者さまに支払うという内容で裁判上の和解が成立し、解決に至りました。

【先生のコメント】

上記裁判は、書面での紹介では簡潔な内容になってしまいますが、相談から裁判で最終的に解決するまでは、数年の月日がかかっています。その間、本件訴訟に協力して下さった医師に何度もお話を伺いに遠方まで出かけたりもしています。
 医療訴訟は決めて専門性が高い分野であり、医療の専門機関を相手にして裁判所をする以上、その訴訟に協力をしてくれる医師との協調関係は、ある意味不可欠であると思います。そのため弁護士自身も、医療事故が起きた分野の医学文献などを勉強する必要もあります。このようなことから一般的に医療訴訟の場合には、解決まで普通の裁判と違って非常に時間がかかることは珍しくありません。
 また医療ミスをされた被害者からすれば、後遺症と毎日向き合って生活をしていかなければならないという精神的な負担があります。この依頼者さまの思いを受け止めながら裁判などの手続きを進めていくことが大切であると思っています。
 医療機関の治療、手術などにミスがあったのではないかと思われたり、またその点について、医療機関に説明を求めても、納得ができるような説明をしてくれないなど、医療機関の対応に不満を持たれている方も多いと思います。それが医療機関のミスと言えるのか、またその点について医療機関に責任追及ができるのか、疑問に思われる方は、どのような手続きを進めれば良いのか、その方向性や重点になどについて、詳しくは当事務所弁護士にご相談ください。
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