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かわかみ ひろたつ
川上 弘達弁護士
ミチシルベ法律事務所
山口県山口市中央5丁目7番3号 山口センタービル5階
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インタビュー | 川上 弘達弁護士 ミチシルベ法律事務所

大手事務所の支店長を務め、山口で独立。刑事事件や労働問題に強く、類型化できない難事案も解決へ

かつて大手法律事務所に勤務した2人の弁護士が、山口市内にミチシルベ法律事務所を開設しました。
そのひとり、川上 弘達(かわかみ ひろたつ)弁護士は、刑事事件や労働事件を中心に数々の難題をこじ開けてきました。
刑事弁護では窃盗、性犯罪、薬物依存の治療と克服のサポートに重きを置き、再犯防止と社会復帰を後押ししています。
その原点や思いとともに、事件解決へのスタンスや信念を語っていただきました。

01 弁護士としての原点

薬物犯罪者の処遇はどうあるべきか。治療優先のアメリカの裁判制度を研究

ーーなぜ弁護士になろうと決めたのか。その理由や経緯からお聞かせください。

原点は、高校時代の研究にあります。
私が通っていた高校は先進的な教育を行う「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に文部科学省から指定され、独自の「課題探究」という授業があったんです。

私が夢中になって研究したのが、「ドラッグ・コート」と呼ばれるアメリカの裁判制度でした。
薬物犯罪者を罰するのではなく、依存からの回復や社会復帰を目的に治療プログラムを受けてもらう制度のことです。


ーー初めて知りました。なぜその制度に興味を持たれたんですか?

それが、今となってははっきり覚えていないんです。
ただ、それを知ったときに自分でも驚くほど、一気に興味が湧いたんです。
法学部に進学した大学時代もその研究に没頭し、卒業論文のテーマにもしました。

薬物犯罪者の処遇はどうあるべきか。
厳罰を下す前に、治療や通院を優先すべきではないか。
研究するほどそんな思いが募り、それを実現するには弁護士になる必要があると考えたんです。


ーーその後の弁護士としての活動歴もお聞きします。

はじめに、全国規模の大手法律事務所に入りました。
刑事事件とともに労働事件にも関心があり、その両方に取り組める事務所を選びました。

するとほどなくして、開設して間もない山口支店の支店長に抜擢されたんです。
今振り返ると、あのときは本当に大変でした。
弁護士は私ひとりで、業務はほぼワンオペ。
激務の日々でしたが、その分みっちり経験を積めたのは大きかったですね。

その後、それとは別の大手事務所への移籍をはさみ、当時の同僚と現事務所を立ち上げました。

02 得意分野と強み①

窃盗を繰り返すも不起訴へ。自助グループに通い続け、つかんだ希望

ーー今はどんな分野や事件をメインに扱っていらっしゃるんですか?

刑事事件、労働事件、家事事件を中心に、さらに類型化できないような珍しいご相談もお受けしています。

とくに重点的に扱っているのが、刑事事件です。
もっと言えば、私の原点でもある依存症の治療や再犯防止、そこまでつなげられるようなサポートに力を入れています。

それは決して、薬物だけではありません。
窃盗や、盗撮などの性犯罪も依存症との関わりが深く、苦しんでいる方がたくさんいらっしゃいます。

そんな方々に、同じ問題を抱えた人たちが集まる自助グループへの参加、臨床心理士によるカウンセリングなどを勧め、不起訴や執行猶予にするお手伝いをしてきました。


ーーぜひ具体的な事例をご紹介ください。

たとえば、何度も窃盗を繰り返していた方の弁護を担当させていただいたときのことです。

スーパーやドラッグストアで窃盗を繰り返し、しかもそれを転売するなど悪質な事案でした。
それまではなんとか起訴を免れてきたんですが、いよいよ刑罰もあり得るような差し迫った状況だったんです。

実際、依頼者さまはひどく落ち込み、深く反省しておられました。
そこで私は、自助グループに通ってみてはどうかとご提案したんです。


ーー依頼者の反応はどうでしたか?

素直に受け入れてくださり、ご家族と一緒に毎月、熱心に通ってくださいました。
その必死に立ち直ろうとする姿とともに、並行して進めていた示談交渉にもすべての被害者が応じてくださったことから、最終的に不起訴処分へ持ち込むことができたんです。

依頼者さまはホッと一安心された様子で、「これからも(自助グループに)通い続けます」と力強い言葉を口にしてくださいました。

「罪を憎んで、人を憎まず」。
犯した罪は非難すべきですが、罪を犯した人そのものまで憎んではならない、というのが私のモットーです。
刑罰ではなく、治療と更生をーー。
その思いを胸に、今後も依存症や再犯に困っている方々の助けになりたいと思っています。

03 得意分野と強み②

不当解雇で十分な解決金を獲得。類型化できない事件も打開策を見出す

ーー同じく思い入れの強い、労働事件はいかがですか?

未払い残業代、不当解雇、退職強要などのご相談を多くいただいており、労働者側の代理人として数々の事件に携わってきました。
運送や飲食をはじめ、業種・業界も多岐にわたります。

たとえば以前あったのは、宅配関係のお仕事をされていた方の不当解雇事案です。
会社側は強硬姿勢を崩さなかったため、交渉ではまとまらず、舞台は労働審判へ。

その結果、十分満足いただける解決金を受け取り、退職するかたちで決着しました。
依頼者さまには、「これで安心して生活を送れる」と喜んでいただけました。


ーーさらに、類型に当てはまらないような事件も少なくないとおっしゃっていましたね。

よく覚えている事案のひとつに、お金の貸し借りをめぐる契約に関するご相談がありました。

厄介だったのは、依頼者さまいわく「“家”にお金を貸している」ということ。
ただ、法律上は「家に貸す」という概念はありません。
お互いに旧知の間柄だったこともあり、借り手の対象など契約関係が曖昧で、それを整理したいとご相談にいらしたんです。

そのお話を聞いたときは、「正直困ったな」というのが最初の印象でした。


ーーそれでも、なんとか解決の糸口を見つけたんですか?

詳細は伏せますが、その家に属している方全員を債務者にするかたちで、改めて貸借契約を結ぶことにしました。
一人ひとりにお手紙を送り、合意書にサインをしていただいたんです。
それにより、法律上も効力のあるかたちで契約関係を整理することができました。

珍しい事件や厄介な問題にぶち当たっても、どんな解決手段があるか思考をめぐらせ、打開策を見出すーー。
私にとってはそれも刺激的で、性に合っているところがあるように思っています。
高校時代からそうだったように、根底には探究心や好奇心があるのかもしれません。

04 依頼者への思い

喜怒哀楽をともにし、将棋の「金将」のように依頼者を最後まで守り抜く

ーー弁護士として大切にされている心がまえ、信念などはありますか?

依頼者さまと一緒に悩み、解決策を模索するーー。
そんな風に、険しい道でも二人三脚で歩み、解決の道筋をつくっていくのが私のスタンスであり、最も大切にしていることです。

先ほどご紹介した、窃盗罪で何度も捕まった方を弁護したときもそうでした。
依頼者さまはふとしたときに不安に襲われることがあったそうで、その度に電話をいただきましてね。
お話を聞きながら、気持ちを落ち着かせたり、励ましたりと対話を重ねました。

無事に不起訴と決まった瞬間は、涙を流して喜んでくださったんです。
もしこの先も窃盗を繰り返すようなことがあれば、離婚を切り出されかねないとして不安でいっぱいだったそうです。
少しでも克服や再起の後押しをできたことに、私自身も胸が熱くなりました。


ーー喜怒哀楽をともにし、懸命に支える。熱い思いが伝わってきます。

突然ですが、私は小学生の頃から長く将棋を趣味にしています。
弁護士としてのスタンスや姿勢を将棋の駒で表すとしたら、「金将」が近いように思います。
「王将」のそばでどっしりと構え、守り抜く重要な役割を担う駒です。

それと同じように、私も目の前の依頼者さまを全力で守り、力いっぱい支えられるような頼もしい弁護士でありたいですね。
山口県民や市民のみなさんは、温かい方ばかりです。
そんな地域の方々のために、これからも一つひとつの事件に誠心誠意、向き合っていく覚悟です。
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