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わかばやし ゆう
若林 侑弁護士
きみさらず法律事務所
千葉県木更津市清見台東3-18-6
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労働・雇用の事例紹介 | 若林 侑弁護士 きみさらず法律事務所

取扱事例1
  • 不当解雇・雇い止め・更新拒否
大学研究室のパート研究員に対する雇止めについて、雇止めは違法であるということを主張した結果その主張が裁判所に認められ、雇止めの無効を前提とする解決金6か月分を獲得した事例

依頼者:30代(女性)

【相談前】
はじめは、同じ研究室に勤務する上司が夫であり、その夫との離婚についての相談でいらっしゃいました。大学にとっては、依頼者は夫と離婚することになったため、同じ研究室に元夫婦がいれば上司である夫が働きにくくなるからということが雇止めの実質的理由だと思われましたが、形式的には予算都合の雇止めだと説明されていました。当然のことながら、依頼者はそれでは納得がいかないということで地位確認請求の労働審判を申し立てることにしました。

【相談後】
依頼者と大学の労働契約は有期雇用でしたが、著名な判例で形式は有期雇用でも無期雇用と同等に扱ってもいい場合があるというものがあったことから(判例の要約は正確さよりもわかりやすさを重視しています)、本件もその場合にあたるのだということを具体的事情に即して詳しく主張しました。そのうえで、本件が整理解雇の適法性要件4つのいずれも充足せず違法無効なものだということを主張したところ裁判所はそれを認めました。労働審判の典型的な進行としては、第1回に主張の確認と当事者の審問、その結果に基づいた調停案の提示があり、第2回までにその調停案に合意できるか各自検討してくるという宿題がなされ、うまくいく場合には第2回期日で調停成立という流れですが、本件もそのような流れで進行して決着しました。

【先生のコメント】
労働法は専門知識が必要とされる法分野であり、本件の主張の中心は過去の判例との類似性を中心に据えましたが、そのような主張は当然のことながらその判例の結論を知っているだけではできません。その判例は労働法の理論上どのような位置づけで、どういう事実がポイントとなっていてというような、当該判例を詳細に分析して得た深い知見がなければ、実のある法的主張はできないものです。今回はそのような作業が功を奏した事案でした。
取扱事例2
  • 不当解雇・雇い止め・更新拒否
違法な解雇通告をされたため解雇無効の労働審判を申し立てたところ、就業期間が1年半程度だったのに月額賃金5か月相当額の解決金を得た事例

依頼者:20代(女性)

【相談前】
法律上の要件を充足している有給休暇を申請したところ、職場は閑散期だったのに有給休暇を取得させないということを言われ、いつならば有給休暇を取得できるのかと上司に問うたところ解雇通告をされたということで、相談にいらっしゃいました。


【相談後】
どう考えても解雇の適法性要件を充足しない解雇でしたから、示談交渉はすることなく、受任後2週間以内に地位確認の労働審判を申し立てました。申立書が相手方に送達されてから会社には代理人が就任しましたが、その代理人の先生も理解のある先生だったので審判期日前に解決金として5か月分(解雇無効を前提とする解決金相場は4か月分から6か月分であり、勤続期間に比例すると言われていますが、本件は勤続1年半程度だったので5か月分は高額の部類です)を支払っていただき、労働審判は取り下げて解決となりました。


【先生のコメント】
労働問題は解決しないと収入が得られないという点で生活に直結する法律問題ですが、今回は相手方の先生も理解のある先生だったため、(十分な解決金を得られたうえで)かなりのスピード解決をすることができました。
取扱事例3
  • 経営者・会社側
問題従業員の退職にあたって同時になされた未払残業代請求の労働審判について、労働者の労働時間が固定残業代たる勤務手当を超えていないことを主張して、わずかな解決金の支払いのみで済んだ事例【使用者側】

依頼者:企業

【相談前】
問題従業員を抱える中小企業の社長さんからの相談でした。退職を勧奨する段階から私がかかわって退職届は提出してもらいましたが、今度は未払い残業代があるとして労働審判を申し立ててきたので、今度はそれを対応することとしました。


【相談後】
この会社は会社の給与体系からして固定残業代を支払っていたのですが、当方は、その労働者がその固定残業代分さえも労働していない(=労働していないのに固定残業代を全額もらっているのだから労働者が得をしている)ということを主張して、大筋でその主張が認められました。もっとも、それでは労働者が納得できないということで、(法的に理由のないものですが)早期解決のためにその労働者に対して20万円を支払って完全に解決させました。


【先生のコメント】
本ページで紹介している別の事例でも問題となりましたが、残業代請求においては固定残業代の法的性質が争われることが多く、近時の裁判例でもその取扱いについて議論が分かれているところです。私は司法試験受験のときから労働法が得意であり、現在もとりわけ労働法分野には興味をもっているため勉強を怠っていませんから、このような最新の議論も裁判で主張でき裁判所もそれを認めました。本当であれば、法的な理由のない20万円の支払いはしたくなかったのですが、その問題とされる労働者は裁判所の説得にも応じなかったので紛争の長期化が見込まれてしまったことから、依頼者である社長さんが早期解決のためならそれくらいのお金は払いたいということだったのでそれを支払って終わることにしました。
取扱事例4
  • 不当解雇・雇い止め・更新拒否
研修での素行不良を理由に即時解雇されたダンプ運転手について、解雇無効を前提とする地位確認請求の労働審判を申し立てたところ、解雇無効を前提とする解決金の支払いを受けることができた事例

依頼者:20代(女性)

【相談前】
入社2週間で即時解雇を通告されたダンプ運転手の方が相談に来られました。


【相談後】
きいてみると、解雇理由書は出されていないのでそれが理由だという確証はないが、解雇通告の際のやりとりのからすれば数日前に参加した社外研修が原因なのではないかとのことでした。しかしながら、会社の言うそこでのトラブルは依頼者にとって何ら心当たりのないものだったし、会社がそのトラブルを把握したのは(そもそもそのトラブルの場には会社の人はいなかったため)その場にいた人からの伝え聞きで正確性が担保されていないものでした。そんなことで労働者を解雇できることはありえないので、解雇無効を前提とする地位確認請求の労働審判を申し立てました。


【先生のコメント】
労働者を解雇するには、解雇は労働者の生活基盤を奪うということですから、①客観的に合理的な理由が必要で(例えば、就業規則の解雇事由に該当するなど)、②その解雇が社会的に相当だ(他の方法を模索したけど見つからず、解雇が最終手段になっているかということ)といえなくてはなりません。子の事例だと、①の点ではそもそもそのようなトラブルがあったのかということがはっきりしないものでしたし、②の点でも仮に①について会社の言うようなトラブルがあったとしても会社からの指導等は何もなく即時解雇を言い渡されたというものであって解雇が最終手段になっていないので、いずれにしても解雇が適法になることはないという主張をしました。裁判所もこちらの主張を認めました。そのうえで、もらった解決金については、期限の定めなき労働契約の解雇無効を前提とする解決金は月額給料4から6か月分ですが、この事例では勤続2週間だったのでその相場の中では低額になり、4か月分となってしまいました。
取扱事例5
  • 不当解雇・雇い止め・更新拒否
試用期間経過後の本採用拒否が争われたものの、実質は本採用された後の解雇でありその解雇は無効だと主張したところ、裁判所に主張が容れられて解雇無効を前提とする解決金(月額給料6か月分)が獲得できた事例

依頼者:40代(男性)

【相談前】
試用期間が経過しているのに「試用期間経過後の本採用拒否」をされた依頼者から、今回の会社の対応は違法不当な解雇ではないかと相談がありました。


【相談後】
依頼者から話をきいたところ、①試用期間は3か月で終わっている②そうだとすれば今回の会社の対応は試用期間経過後の本採用拒否の枠組みではなく通常の解雇の枠組みで考えられなければならない③解雇だとしてもその適法性要件がないから違法無効であると考え、従業員たる地位確認請求の労働審判を申し立てました。裁判所は当方の主張を全面的に認め、解雇無効を前提とする解決金を獲得することができました。


【先生のコメント】
労働事件をガチで扱うことができる弁護士は、労働事件は「労働法」という専門の知識や経験が必要とされる分野ですから、少なくとも木更津近辺ではかなりかぎられていると思います。本件についても、その知識や経験を正しく生かして主張することができたから、結果を得ることができました。
取扱事例6
  • 未払い残業代請求
トラック運転手の残業代不払いについて、固定残業代の支払方法や基礎賃金の計算方法などの論点が複数存在したもののほぼすべて当方の主張が通り、2年間で遅延損害金含めて540万円もの残業代を獲得した事例

依頼者:50代(男性)

【相談前】
相手方においてトラック運転手をしていた方が、十分な残業代をもらえていないということで相談にいらっしゃられました。


【相談後】
受任後すみやかに相手方に受任通知を発して、運転日報等依頼者の労働時間が記録された資料の提示を求めました。そして、依頼者の残業代を計算してみると2年間で800万円程度、そのうち200万円強しか支払われていないことがわかりました。残額をすみやかに支払うよう求めたところ、相手方は未払残業代はないとの回答であり、金額も大きく悪質性の高い事案だったので(残業代未払いは犯罪です)、労働基準監督署に通告を行いました。すると、相手方は「計算をし直したところ、240万円程度の未払いがあったとのことなので支払いたい」と言い出してきまして、それを受領しました。当然のことながらまだ300万円足りないので、その残額について訴訟を提起したところ、提訴から約3年と時間がかかってしまいましたが300万円の回収をすることができました。


【先生のコメント】
この会社だけかはわかりませんが、この会社のトラック運転手の給与体系は、会社が言うには、(かなり割愛すると)「基本給」と固定残業代を意味する「乗務手当」を他の会社にいう基本給として支払っており、勤務手当に含まれる残業時間を超えて初めて「残業代」が発生するようなのですが、「乗務手当」はあくまで固定残業代として支払っているので残業代の時間単価は「基本給」を基準として計算されるとのことでした。しかしながら、定額残業代が適法とされるには①基本給との区別が明確であって②残業代として支払われていること(対価性)が必要であるところ、②が認められるには通常賃金部分と定額残業代部分が均衡していなくてはいけません。本件では、少なくとも②について、過去の裁判例を引用したうえで、基本給が10万円であるのに対して「乗務手当」が25万円であったので、均衡がないので定額残業代の支払として有効とは認められないという主張をして、裁判所はそれを認めました(その裏返しとして、時間単価は、基本給だけでなく基本給+乗務手当の合計額で算出されることになりました。)。ちなみに、この会社に対して、依頼者の同僚も別の弁護士に依頼して残業代請求をしたようなのですが、就労期間や労働時間などすべてほぼ同条件のもとで、その同僚が獲得できたのは300万円だったそうです。わかりやすい形で弁護士のウデが分かれた事案でした。
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