インタビュー | 森 洋子弁護士 弁護士法人名古屋大光法律事務所

――弁護士を目指したきっかけを教えてください。

私の父が、弁護士なんです。
父はとにかく曲がったことが大嫌いで、どんなご相談にも手を抜かずに全力で向き合っていました。
そんな父が、私の誇りだったんです。
幼い頃からそんな姿を間近で見てきたので、物心付いたときには絶対に弁護士になるぞ！と心に決めていました。


――実際に弁護士になってみて、いかがですか？

弁護士は人の人生を左右する、とても影響力のある仕事です。
勝つか負けるかの結果も大切ですが、それが全てではありません。
依頼者さまと揺るぎない信頼関係を築き、いかに納得のいく未来を導けるのかが重要なんです。
当然責任は重大ですが、依頼者さまの人生の岐路に一緒に立ち、二人三脚で解決していく過程は非常に充実感があります。
依頼者さまの心からの笑顔を見るたびに、弁護士になって良かったなと思いますね。

――これまでのキャリアを教えてください。

弁護士になった当初に所属していた東京の法律事務所では、さまざまな事件に関わらせていただき、弁護士としての基礎を徹底的に叩き込まれました。
6年ほど経験を積んだ後、結婚を機に退所して数年間専業主婦をしていたんです。
その後、夫と共に名古屋大光法律事務所を開業いたしました。


――現在は、どのような事件に対応していますか？

離婚問題が圧倒的に多いです。
男女問わずご依頼を受けていますが、私が女性弁護士ということもあり、やはり女性からの相談が多いですね。

また離婚だけでなく、相続問題にも精力的に取り組んでいます。


――離婚問題で、特に心がけていることは何でしょうか。

財産分与を、漏らさず徹底的に行うことです。
特に女性の場合は、もらえる額によって今後の人生が変わる可能性がありますから。
可能な限り、調査嘱託や23条照会などを駆使して、漏らさず調べるようにしています。

あとは、とにかく誠意を尽くして、依頼者さまに寄り添うことです。
離婚は、日常生活に密接に関わる問題でもあります。
依頼者さまの悲しみや苦しみへ寄り添うためにも、お話を聞くときはじっくり時間をかけて伺います。
「話してよかった」と思っていただけるような対応を心がけています。


――先生はとてもフランクな印象なので、つい何でも話したくなってしまいます。

確かに、私はご覧の通り竹を割ったような性格なので（笑）、依頼者さまからも話しやすいと言っていただけることが多いですね。
また、依頼者さまとの関係性を築くために、メールだけでなく電話や対面での打ち合わせも頻繁に行っています。
オンラインツールは便利ですが、やはり対面で話す威力に勝るものはありません。
直接会ってお話しすることで認識のズレを防げますし、依頼者さまとの信頼関係も強固なものになるはずです。

しかし最近だと、調停期日がオンラインで開催されることも増えています。
遠方の裁判所でも期日に参加しやすいのはメリットですが、状況によっては調停委員や裁判官にこちらの気持ちが上手く伝わらない時もあるんです。
そんな時は、どんなに遠方の裁判所でもすぐ出向くようにしています。
顔を合わせることで伝わる熱量もありますし、依頼者さまの想いを漏れなくきちんと裁判所に伝えることが、後悔のない結果にもつながるんです。


――相続問題における先生の心がけも、教えてください。

できる限り、スピーディーに対応することです。
相続放棄や準確定申告、相続税の納付など、相続問題には常に期限が付いて回ります。
私たちの事務所では、弁護士だけでなく税理士や司法書士などともタッグを組んでいるので、迅速かつ正確に事案を進めることが可能です。
ご依頼から解決まで、ワンストップで対応できるのは、私の事務所の強みでもあります。

また、戸籍収集や財産調査を始めとした相続の事務処理は、非常に複雑で時間がかかります。
だからといって事案に動きがないと「一体今、何をしているのか？」と不安になる依頼者さまもいらっしゃるんです。
私は事務所を開業した当初、これらの事務手続きを一手に担って対応していた経験があります。
事案の正確な進捗状況を依頼者さまにお伝えできるので、きっと安心していただけるはずです。

――印象に残っている解決事例を教えてください。

夫から酷いDVを受けた女性から受けた離婚事件が印象に残っています。
依頼者さまは長年の暴力被害でかなり憔悴しきっており、正常な判断ができない状態だったんです。
見かねたご家族に連れられて、私のもとへご相談にいらっしゃいました。

理不尽な暴力なんて、言語道断です。
お話を聞いただけで、本当に許せないと思いましたね。
なんとしても依頼者さまの力になりたい一心で、お受けすることにしたんです。


――解決に向けて、どのように進めたのでしょうか？

こちらの説得に応じるような相手方ではなく、最終的には高等裁判所まで争いました。
裁判では、とにかく証拠が命です。
しかし本件は、DVを立証できるほどの強い証拠が全く残っていなかったんですよ。
私は、今までにどんな暴力被害を受けたのか、具体的な日時や暴力被害の内容をまとめた記録を作成していただくよう依頼者さまにお願いして、主張を重ねつつ、尋問期日ではこちらに有利な相手の発言を引き出すことに成功しました。


――過去の被害を振り返る、辛い作業です。

はい。依頼者さまは、とても苦しかったはずです。
でも、DVの内容が具体的であればあるほど、証拠として有力になる可能性があります。
今は辛く苦しいけれど、私が支えますから頑張りましょうと依頼者さまにご提案し、作成していただきました。


――裁判官の反応は、いかがでしたか？

依頼者さまが辛い思いをして作成した証拠を、絶対に無駄にはできません。
尋問期日では証拠を元に、過去に何があったのか、依頼者さまの現状なども含め、まるで情景が浮かぶように裁判官に訴えかけました。
相手方本人への尋問でも、ここぞというところでこちらに有利な発言をさせることができました。
すると、最終的には裁判官の納得を得られて、DVの慰謝料として、当時の相場としては最高額の300万円の支払いを命じる判決を獲得できたんです。
こちらの言い分が全て認められる内容の判決でしたので、依頼者さまやご家族には大変喜んでいただけましたね。


――解決のポイントは、何だったのでしょうか？

どんな状況でも、諦めなかったことです。
本件は証拠がかなり乏しく、裁判での立証が難しい事案でした。
でも、DVは事実です。被害に遭った女性を前に、勝ち目がないから諦めましょうなんて、私は絶対に言えません。
可能性が少しでもあるなら、弁護士として全力を尽くすという熱意を持って取り組んだからこそ、得られた結果だと思っています。

――今後の展望を教えてください。

これからも依頼者さまの心を大切にし、誠意をもって弁護活動に取り組んでいきたいです。
残念ながら法律は、万人を救えるものではありません。
どうしても法律から漏れてしまい、悔しい思いをする方もいらっしゃいます。
それでも、多少なりとも利益を得られる解決方法はないのか、法律や判例を探して裁判所に訴えるのが弁護士の役目です。
悲しい思いをする方を少しでも減らすために、今後も視野を広く持ち、依頼者さまの利益を追求していきたいですね。


――最後にメッセージをお願いします。

インターネットの大海原の中から弁護士を探すのは、本当に骨が折れる作業です。
勇気を出して相談に行っても、弁護士と相性が合わなければ振り出しに戻ってしまいます。
法律トラブルに巻き込まれて辛い状況なのに、一体どうしたらいいんだと、途方に暮れている方もいるのではないでしょうか。
そんな時は、ぜひ私にご相談ください。
上手く話せるかわからない、弁護士に冷たい態度を取られたらどうしようなど、そんな心配は不要です。
私は、どんなお悩みにも寄り添う姿勢で、依頼者さまを温かくお迎えします。
一刻も早く笑顔溢れる日常を取り戻すために、私に悩みを話してみませんか？