たんざわ あすみ
丹澤 明主実弁護士
中込博法律事務所
山梨県甲府市丸の内3-32-10 丸統泉ビル
インタビュー | 丹澤 明主実弁護士 中込博法律事務所
「甲府を人生の最終地点にする」。地元の事務所に移籍し、遺産相続などの難事案を解決へ
東京と岡山で経験を積み、地元・甲府で新たなキャリアを歩み出した中込博法律事務所の丹澤 明主実(たんざわ あすみ)弁護士。
遺産相続や不動産問題を中心に、複雑に絡み合った難事案を紐解き、何度も解決へ導いてきました。
難題を突破するための緻密なリサーチと執念の交渉、そして依頼者の心情にとことん寄り添う情熱の弁護活動に迫ります。
遺産相続や不動産問題を中心に、複雑に絡み合った難事案を紐解き、何度も解決へ導いてきました。
難題を突破するための緻密なリサーチと執念の交渉、そして依頼者の心情にとことん寄り添う情熱の弁護活動に迫ります。
01 これまでのキャリア
東京と岡山で経験を積み、地元・甲府に帰郷。難事案も数多く担当
ーー弁護士登録後、各地を転々としながら経験を積まれたようですね。
最初の1年は東京で基礎を叩き込みました。
全国に支店があり、多くの弁護士を抱える法律事務所です。
充実した日々でしたが、同時にある思いを抱くようになりました。
もっと依頼者とじっくり話し合いながら、一つひとつの事件に精魂込めて取り組みたいという思いです。
それを叶えるには地方のほうが望ましく、ロースクール時代を過ごした岡山に戻りました。
ーーそこはどんな事務所だったんですか?
かつて岡山弁護士会の副会長を務めた代表が率いる事務所でした。
ロースクールの授業の一環で、就業体験をさせてもらった場所でもあるんです。
そこに5年半勤め、一般民事から家事事件、企業法務まで幅広い事件に携わりました。
なかでも、私は難しい案件を振られることが多かったんです。
そのおかげでみっちり力をつけることができましたね。
最初の1年は東京で基礎を叩き込みました。
全国に支店があり、多くの弁護士を抱える法律事務所です。
充実した日々でしたが、同時にある思いを抱くようになりました。
もっと依頼者とじっくり話し合いながら、一つひとつの事件に精魂込めて取り組みたいという思いです。
それを叶えるには地方のほうが望ましく、ロースクール時代を過ごした岡山に戻りました。
ーーそこはどんな事務所だったんですか?
かつて岡山弁護士会の副会長を務めた代表が率いる事務所でした。
ロースクールの授業の一環で、就業体験をさせてもらった場所でもあるんです。
そこに5年半勤め、一般民事から家事事件、企業法務まで幅広い事件に携わりました。
なかでも、私は難しい案件を振られることが多かったんです。
そのおかげでみっちり力をつけることができましたね。
02 強みと解決実績①
自治体が誘致した商業施設。倒産危機を経てスーパーに再生させた交渉
ーー今は山梨で活動されています。それはどうしてですか?
私は甲府で生まれ育ったからです。
今度は、お世話になった方々に恩返ししたい。
そんな思いが募り、地元に戻ってきました。
都市と地方を行き来し、多様な視点を養えたこと。
そこが私の強みのひとつだと自負しています。
それを地元のために発揮したかったんです。
現在所属しているのは、長く地域に根付いて活動してきた老舗事務所で、私のほかに女性の弁護士が2人います(2023年10月現在)。
相続から不動産、離婚・男女トラブル、債務整理、交通事故、刑事事件、それに企業法務まで、地域の方々から多くのご相談をいただいている状況です。
ーー先ほど、難しい事案も数多く担当してきたとおっしゃっていましたね。
関係者が多く利害関係が複雑だったり、解決の出口が見えづらかったりするような事件のことです。
とくに以前の事務所では、そんな難題をよく任されていました。
それをクリアするには、複雑に絡み合う問題を1つずつ整理し、分析し、解き明かしていく地力と胆力が必要です。
きっと私にはその力があると、当時の代表が評価してくれていたんだと思いますね。
ーー具体的にどんな事件を解決してきたんですか?
たとえば以前、ある自治体の代理人を務めたときの事案です。
その自治体は巨額の資金を融資して郊外にショッピングセンター(商業施設)を誘致したんですが、運営会社の経営が行き詰まり、廃業の危機に直面。
ただ、その時点で融資の未返済額は何億円にも上り、倒産したらそのお金が一切返ってこない恐れがあったんです。
そのうえ、ショッピングセンターが廃墟となって放置され、周囲の治安悪化を招く懸念もありました。
ーー最悪の場合、1円も回収できずに、廃墟だけが残る事態になりかねないと。
それを回避するために、運営会社とその連帯保証人らと話し合いの席を設けることにしました。
それぞれの財産状況を開示してもらい、それを入念に分析し、「これだけは払ってくださいと」と直談判したんです。
最終的にその提案に納得いただき、自治体への一部返済とともに、ショッピングセンターの解体費用も捻出することができました。
今、その跡地には小さなスーパーマーケットが建ち、地域住民に欠かせない生活インフラに生まれ変わっています。
私は甲府で生まれ育ったからです。
今度は、お世話になった方々に恩返ししたい。
そんな思いが募り、地元に戻ってきました。
都市と地方を行き来し、多様な視点を養えたこと。
そこが私の強みのひとつだと自負しています。
それを地元のために発揮したかったんです。
現在所属しているのは、長く地域に根付いて活動してきた老舗事務所で、私のほかに女性の弁護士が2人います(2023年10月現在)。
相続から不動産、離婚・男女トラブル、債務整理、交通事故、刑事事件、それに企業法務まで、地域の方々から多くのご相談をいただいている状況です。
ーー先ほど、難しい事案も数多く担当してきたとおっしゃっていましたね。
関係者が多く利害関係が複雑だったり、解決の出口が見えづらかったりするような事件のことです。
とくに以前の事務所では、そんな難題をよく任されていました。
それをクリアするには、複雑に絡み合う問題を1つずつ整理し、分析し、解き明かしていく地力と胆力が必要です。
きっと私にはその力があると、当時の代表が評価してくれていたんだと思いますね。
ーー具体的にどんな事件を解決してきたんですか?
たとえば以前、ある自治体の代理人を務めたときの事案です。
その自治体は巨額の資金を融資して郊外にショッピングセンター(商業施設)を誘致したんですが、運営会社の経営が行き詰まり、廃業の危機に直面。
ただ、その時点で融資の未返済額は何億円にも上り、倒産したらそのお金が一切返ってこない恐れがあったんです。
そのうえ、ショッピングセンターが廃墟となって放置され、周囲の治安悪化を招く懸念もありました。
ーー最悪の場合、1円も回収できずに、廃墟だけが残る事態になりかねないと。
それを回避するために、運営会社とその連帯保証人らと話し合いの席を設けることにしました。
それぞれの財産状況を開示してもらい、それを入念に分析し、「これだけは払ってくださいと」と直談判したんです。
最終的にその提案に納得いただき、自治体への一部返済とともに、ショッピングセンターの解体費用も捻出することができました。
今、その跡地には小さなスーパーマーケットが建ち、地域住民に欠かせない生活インフラに生まれ変わっています。
03 強みと解決実績②
使い道のない土地から、数千万円の現金に。遺産額が大幅にアップ
ーーほかにも印象に残っている解決事例があれば教えてください。
遺産分割をめぐる争いで、依頼者さまが受け取る遺産額を大幅に増やした事件もありました。
相続には、亡くなった方と近しい関係にある相続人が主導権を握りやすい側面があります。
そんななか、本件では依頼者さまはやや遠い親族だったため、微々たる遺産しか相続できないと伝えられたんです。
それも、使い道のないような土地だけだったそうです。
以前耳にしていた故人の財産からすると信じがたい内容で、到底納得できないと。
それで事務所にSOSを届けてくださったんです。
ーーただ、遠い関係だと手がかりが限られるのではないですか?
亡くなった方の財産が、他の相続人に不当に使い込まれていないか。
いわゆる使途不明金を徹底的に洗い出しました。
過去何年分もの預金口座の出金履歴から、金額や日時、ATMの場所などを紐付けて怪しい出金を1つずつ拾い上げていったんです。
それをもとに交渉に臨んだ結果、数千万円もの遺産を受け取ることで最終決着しました。
ーー最初の提示内容を考えると雲泥の差です。しかも、交渉で解決したんですね。
遺産相続は決定的な証拠がない場合、裁判までもつれて何年も争うケースは珍しくありません。
難しい交渉を結実させるには、主張や数字の根拠をはっきり示し、丁寧に説明を尽くすことが重要です。
決して強引に、力づくで押し通してはいけません。
地道な調査と分析、それをもとにした粘り強い説得。
それを徹底できれば、相手に理解してもらえる可能性は十分あります。
どちらも、そんな執念の交渉が実った事件でしたね。
ーーなかには当然、裁判で争うケースもあるはずです。
同じ相続の事案ですと、遺言無効確認訴訟での勝訴が記憶に残っています。
その遺言は、ある特定の相続人にほぼすべての財産を託すと書かれたものでした。
その相続人が、私の依頼者さまだったんです。
ただ、ほかの相続人から「それは納得できない」と遺言が無効だとする裁判を起こされたんですよ。
ーーそれを退け、有効だとする勝訴判決が出たと。
なぜ依頼者さまが遺産を託されたのか。
そこには、遺言の文面からは見えない経緯や故人の思いがあったんです。
亡くなった方が生前書き記していた日記や、依頼者さまからお聞きした故人とのエピソード。
裁判では、そこから浮かび上がる背景やお二人の関係性を伝え、遺言に信憑性があると訴えました。
それが認められ、遺言通りに依頼者さまが手にする財産を守ることができたんです。
亡くなった方が思いを込めて、託してくれた遺言と財産。
依頼者さまにとって、それを否定されるのは大変つらいことだったはずです。
なんとか力になれて、本当によかったですよ。
遺産分割をめぐる争いで、依頼者さまが受け取る遺産額を大幅に増やした事件もありました。
相続には、亡くなった方と近しい関係にある相続人が主導権を握りやすい側面があります。
そんななか、本件では依頼者さまはやや遠い親族だったため、微々たる遺産しか相続できないと伝えられたんです。
それも、使い道のないような土地だけだったそうです。
以前耳にしていた故人の財産からすると信じがたい内容で、到底納得できないと。
それで事務所にSOSを届けてくださったんです。
ーーただ、遠い関係だと手がかりが限られるのではないですか?
亡くなった方の財産が、他の相続人に不当に使い込まれていないか。
いわゆる使途不明金を徹底的に洗い出しました。
過去何年分もの預金口座の出金履歴から、金額や日時、ATMの場所などを紐付けて怪しい出金を1つずつ拾い上げていったんです。
それをもとに交渉に臨んだ結果、数千万円もの遺産を受け取ることで最終決着しました。
ーー最初の提示内容を考えると雲泥の差です。しかも、交渉で解決したんですね。
遺産相続は決定的な証拠がない場合、裁判までもつれて何年も争うケースは珍しくありません。
難しい交渉を結実させるには、主張や数字の根拠をはっきり示し、丁寧に説明を尽くすことが重要です。
決して強引に、力づくで押し通してはいけません。
地道な調査と分析、それをもとにした粘り強い説得。
それを徹底できれば、相手に理解してもらえる可能性は十分あります。
どちらも、そんな執念の交渉が実った事件でしたね。
ーーなかには当然、裁判で争うケースもあるはずです。
同じ相続の事案ですと、遺言無効確認訴訟での勝訴が記憶に残っています。
その遺言は、ある特定の相続人にほぼすべての財産を託すと書かれたものでした。
その相続人が、私の依頼者さまだったんです。
ただ、ほかの相続人から「それは納得できない」と遺言が無効だとする裁判を起こされたんですよ。
ーーそれを退け、有効だとする勝訴判決が出たと。
なぜ依頼者さまが遺産を託されたのか。
そこには、遺言の文面からは見えない経緯や故人の思いがあったんです。
亡くなった方が生前書き記していた日記や、依頼者さまからお聞きした故人とのエピソード。
裁判では、そこから浮かび上がる背景やお二人の関係性を伝え、遺言に信憑性があると訴えました。
それが認められ、遺言通りに依頼者さまが手にする財産を守ることができたんです。
亡くなった方が思いを込めて、託してくれた遺言と財産。
依頼者さまにとって、それを否定されるのは大変つらいことだったはずです。
なんとか力になれて、本当によかったですよ。
04 依頼者への思い
どんなときも、味方になって支える。甲府を人生の最終地点に
ーー依頼者とはどんな思いで向き合っていらっしゃいますか?
私たちは、どんなときも依頼者さまの味方でなければなりません。
ただでさえ相手から攻撃を受け、つらい思いをされていらっしゃるわけです。
それを弁護士が突き放すなんてあり得ないですよ。
不安や悩みをしっかり受け止め、常に寄り添うべきです。
法律上、現実にはどうしてもご希望を叶えられないこともあります。
それでも、一緒に考え、話し合い、解決策を模索しようという気概は絶対に失ってはいけません。
ーー熱い思いが伝わってきます。
ありがたいことに、依頼者さまからは時折、感謝の言葉がつづられたお手紙をいただくことがあります。
鮮明に思い出すのは、弁護士になって初めていただいた手紙です。
遺産分割が難航し、ひどく落ち込んでいた方でした。
ただ、事件を終えて「気持ちが晴れた」と前向きに一歩踏み出す様子がつづられていたんです。
その手紙は今もデスクの引き出しに大切にしまっていて、ふとした瞬間に読み返しているんですよ。
私は大学生の頃から長く県外で暮らしてきましたが、今いる甲府を人生の最終地点にしようと思っています。
地域の方々と二人三脚で、顔と顔が見える関係を大切にしながら、これからも力の限りを尽くしていきます。
私たちは、どんなときも依頼者さまの味方でなければなりません。
ただでさえ相手から攻撃を受け、つらい思いをされていらっしゃるわけです。
それを弁護士が突き放すなんてあり得ないですよ。
不安や悩みをしっかり受け止め、常に寄り添うべきです。
法律上、現実にはどうしてもご希望を叶えられないこともあります。
それでも、一緒に考え、話し合い、解決策を模索しようという気概は絶対に失ってはいけません。
ーー熱い思いが伝わってきます。
ありがたいことに、依頼者さまからは時折、感謝の言葉がつづられたお手紙をいただくことがあります。
鮮明に思い出すのは、弁護士になって初めていただいた手紙です。
遺産分割が難航し、ひどく落ち込んでいた方でした。
ただ、事件を終えて「気持ちが晴れた」と前向きに一歩踏み出す様子がつづられていたんです。
その手紙は今もデスクの引き出しに大切にしまっていて、ふとした瞬間に読み返しているんですよ。
私は大学生の頃から長く県外で暮らしてきましたが、今いる甲府を人生の最終地点にしようと思っています。
地域の方々と二人三脚で、顔と顔が見える関係を大切にしながら、これからも力の限りを尽くしていきます。