髙木 紀子弁護士のアイコン画像
たかぎ のりこ

髙木 紀子弁護士

弁護士法人ときわ法律事務所

花畑町駅

熊本県熊本市中央区花畑町1-7 MY熊本ビル3階

対応体制

  • 分割払い利用可
  • 後払い利用可
  • 休日面談可
  • 電話相談可
  • WEB面談可

注意補足

※「分割払い・後払い」は事案の内容によります。休日面談は土曜日のみ要予約。

離婚・男女問題

取扱事例1

  • 調停

「絶対に離婚はしない」と拒んでいた妻との間で和解ができ、財産分与についても折り合いがついた事例(離婚調停)

依頼者:50代男性

【背景】
Yさんは、就職後に妻と結婚し、3人の子供をもうけました。
Yさんは、家事も育児も「自分のこと、自分たちの子供のことなのだから、やって当然」と自然に考えており、職場の理解を得るための努力もしながら、できる限り家事も育児も行っていました。
妻はYさんの行動には細かくダメ出しをし、しまいには必ず人格や能力の否定に行きつきます。
Yさんが妻の意に反する言動をとると、妻は妻なりの理屈を並べてYさんを攻撃します。
Yさんは、初めのうちは反論していましたが、妻が折れることは絶対にありません。
喧嘩が続くと家庭内の雰囲気も悪くなるので、Yさんは子供たちに申し訳なく、「家庭を平穏に保つには、自分が妻に逆らわず、なんでも妻の思う通りにするのが一番」と考えて、その通りに行動するようになりました。
しかし、こういった生活が20年以上続いたある日、Yさんの気持ちは限界に達し、家に帰ることができなくなってしまいました。
こうして、妻との別居が始まりました。
別居後も変わらず妻がYさんの給与を管理しており、Yさんには「お小遣い」しか渡されないため、このままでは生活ができません。そこで「どうしたらいいだろう」と相談にいらっしゃいました。

【相談内容と弁護士対応】
まずは、Yさんと妻の収入額を確認し、Yさんが妻に支払うべき婚姻費用の金額を計算しました。
そして、①妻と子供たちが住む自宅の住宅ローンは引き続きYさんが返済する、②妻には適正額の婚姻費用を支払う(ただし、住宅ローン返済をYさんが行うことを考慮した金額)ことはきちんと段取り、弁護士から妻にも伝えた上で、Yさんのお給料はYさん自身が管理できるようにしました。
妻も働いていますし、婚姻後の貯金も全て妻が管理しているので、「生活ができなくなる」ことはないはずです。
その後、離婚調停を申し立てました。
妻は当初「絶対に離婚はしない」と言っていましたが、時間が経つにつれて、条件付きで離婚に応じてもよいかもしれない…という変化が見えてきました。
最終的には、持ち家は妻に譲ること、まだ少し残っている住宅ローンは今後もYさんが返済を続けて完済すること、妻はYさんの退職金や保険については財産分与を求めないことなどを合意して、離婚に至ることができました。

【結果】
「モラハラ」と言うと、加害者は男性(夫)、被害者は女性(妻)という事例が多いように見えますが、夫がモラルハラスメント被害に遭っているケースも勿論あります。
Yさんの場合、「家を出る」、そして「弁護士に相談する」という行動に出られたことが、とても大きな一歩だったと言えます。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています

取扱事例2

  • 子の認知

「独身」と騙されて交際し、妊娠した女性が、認知・養育費・慰謝料を求めた件(認知調停・認知訴訟・養育費調停・養育費審判・慰謝料請求訴訟)

依頼者:20代女性

【背景】
Xさん(女性)は、婚活をする中である男性(Y)と出会いました。
XさんはYに好意を抱くようになりましたが、「結婚を見据えた真剣なお付き合い」を望んでいたため、Yにその気持ちを伝え、Yが「自分も同じ気持ちだし、勿論未婚だ」と答えたため、安心して交際を始めました。
Yは一人暮らしで、部屋に女性の痕跡は全くなく、夜や週末、長期の休みなどもXさんと一緒に過ごしていました。
交際からしばらくして、Xさんは妊娠したのですが、これを伝えるとYの様子がおかしくなり、実は既婚者(単身赴任中)であることが初めてわかりました。
Xさんは、お子さんを無事出産された後、当事務所にお越しになり、Yに認知・養育費・慰謝料を求めたいと依頼をされました。

【相談内容と弁護士対応】
Yの対応は非常に不誠実なものでしたが、Xさんの「子供のために、できる限りのことをする」というお気持ちはとても強かったです。
Yから理不尽な主張が出る度に傷つき、動揺されたと思いますが、諦めることなく対応されました。
こうして、まずは認知の判決が出ました。
判決が出るとすぐに養育費調停の申立を行いました。
将来の養育費だけでなく、お子さんが生まれた月まで遡って養育費を支払うよう求めたところ、こちらが求めたとおりの内容で養育費を支払いなさいという審判が出ました。
これと並行して、「自分は独身で、結婚の意思がある」と騙してXさんと交際したことについて、慰謝料請求訴訟も行いました。
Yは勿論争いましたが、裁判所からYに「あなたの主張は認められませんよ」と強い説得があり、最終的にはYがXさんに150万円を支払う内容の和解が成立しました。

【結果】
既婚者には配偶者がおり、配偶者以外の異性と結婚することはできません。
そのため、原則として、既婚者と結婚の約束をしても、法律はその約束(婚約)を保護することができません。
しかし、Xさんには「既婚者と交際する」つもりなど全くなく、Yが既婚者だとわからなかったのも「無理はない」という状況でもありました。
そのため、「既婚者だと知っていたら絶対に交際しなかったのに、Yは『自分は独身で結婚の意思もある』と嘘をついてXさんと交際し、関係をもった」ことが不法行為であるとして慰謝料を請求し、裁判所もこの主張を支持しました。
認知は、調停をしても訴訟をしてもYからの反応がなく、DNA鑑定を行うことはできませんでしたが、Xさんが妊娠した当時のYとの交際の状況について陳述書を提出し、尋問が行われた後、認知の判決が出ました。
養育費についても、Yは(調停には応じたものの)収入に関する資料は出そうとしなかったため、Yの勤務先への調査嘱託を行いました。
これによって、Yの収入を明らかにすることができました。
かなり時間がかかりましたし、裁判所でもいくつもの事件を経ることになりましたが、Xさんの主張は全て認められました。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています

取扱事例3

  • 婚姻費用(別居中の生活費など)

婚姻費用分担調停を申し立てた途端に「経営する会社の業績が悪化して収入が激減した」との主張を受けた案件(婚姻費用分担調停・交渉)

依頼者:20代女性

【背景】
Xさん(女性)は、夫(会社経営者)との生活に耐え兼ね、子供を連れて実家に戻りました。
Xさんは、これまでの経緯から「私が夫と直接話そうとしても、話し合いにはならないし、離婚を求めてもうやむやにされてしまう」と考え、当事務所に相談されました。

【相談内容と弁護士対応】
Xさんからは、離婚と婚姻費用について「交渉」を行う依頼を受けました。
しかし、夫の反応はどちらについても芳しいものではなかったため、Xさんと協議の上で、まずは婚姻費用分担調停を申し立てることにしました。
Xさんは夫の収入を把握しておらず、手がかりとなるような資料もお持ちではありませんでした。
そのため、この調停で「源泉徴収票や確定申告書(控)を出して欲しい」と求めたところ、「先月ころから会社の業績が悪化したので、役員報酬を大幅に切り下げた。今の収入はこれしかない」として、最新の給与明細書が提出されました。
しかし、あまりにタイミングが良すぎます。
また、Xさんが収集した情報によると、会社の業績は順調そうですし、夫もこれまでと変わらない生活ぶりのようです。
そのため、夫の収入や会社の業績の裏付けとなりそうな事実関係、夫の収入を推測する手がかりとなりそうな資料などをあれこれ提出し、「業績悪化や収入減が事実とは認められない。
前年度までの収入額に基づいて、婚姻費用の金額を計算すべき」と主張しました。
そうするうちに会社の決算期も到来したため、「会社の決算報告書を提出して欲しい」と求めたところ、裁判所からも強い後押しが得られました。
夫は「会社関係の資料は絶対に出したくない・出せない」という姿勢で、結局、会社関係の資料としてはっきりしたものは何も出ませんでしたが、最終的には、相当額の婚姻費用を支払う内容で調停が成立し、離婚についても合意に至って、養育費やその他お金の問題については公正証書を作成し、協議離婚が成立しました。

【結果】
相手方が自営業者や会社経営者の場合、婚姻費用や養育費を請求すると「収入が激減した」と言われることがあります。
また、「収入に関する資料を何も出してもらえない」こともあります。
婚姻費用や養育費は、請求する側・支払う側の収入によって変わりますから、当事者それぞれの収入額を把握することがどうしても必要です。
そのため、相手方が収入に関する資料を出さない場合や、資料は出したが「本当かどうか疑わしい」という場合、裁判所は相手方に資料を出すよう働きかけたり、説明を求めたりしてくれます。
それでも資料が提出されなかったり、疑いが払拭されないような場合、「収入額を確認できないので、婚姻費用や養育費は0円」というわけにはいきませんから、「平均賃金程度の収入は得ているものとして、婚姻費用や養育費の金額を計算する」といった方法をとることもあり得ます。
現在の制度上はまだまだ限界がありますが、「収入がない」、「これしか払えない」と言うだけで、簡単にその言い分が通るわけではありません。
こういった場合は、諦める前に一度、弁護士に相談だけでもしてみることをお勧めします。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています

取扱事例4

  • 調停

モラハラ配偶者と早期に離婚ができた事例(離婚調停→離婚訴訟)

依頼者:20代女性

【背景】
Xさん(女性)は、いつも「あなたはどうしたい?」と気持ちや意見を聞いてくれ、心遣いをしてくれる優しい男性(後の夫)と知り合い、結婚しました。
しかし、入籍した途端、夫からモラルハラスメントを受けまくる生活が始まりました。
詳細はここには書けませんが、これまで20年近く依頼者の方々からあれこれ伺ってきた私でもびっくりするくらい、疑いの余地のないモラハラでした。
Xさんは「夫は、私の悪いところ、至らない点を指摘してくれている」と捉え、日々努力していましたが、夫のダメ出しに終わりはありません。
Xさんは、仕事中でもいつの間にか涙をこぼしてしまうくらい追い詰められました。

【相談内容と弁護士対応】
Xさんは、当事務所に依頼後、お子さんを連れてご実家に戻り、私はその日のうちに、xさんの代理人として離婚調停と婚姻費用分担調停の申立を行いました。
調停で夫は、「僕は暴力も振るっていないし浮気もしていない。離婚を求められるような落ち度はない」と主張し、モラハラも否定し、「妻と子供をとても大切に思っている。家族一緒に暮らしたい」と涙ながらに語ったそうです。
しかし、生活費は1円も払ってくれませんでした。
妻は離婚、夫は復縁を希望し、どちらも折れることはなかったため、調停はすぐに不成立となりました。
そのため、すぐに離婚訴訟を提起しました。
同居中にあったモラハラエピソードのうち、私が「特にひどい」と感じたものを取り上げ、縷々10ページにわたり綴りました。
モラハラ事例では、こういった文書を出しても「ここが違う」と細かな事実関係に拘った反論を受けたり、「自分もこういうことをされた」と主張を受けることが多いのですが、Yさんには効果があったようで、代理人を通じて「離婚に応じる」と連絡がありました。
こうして、「お子さんの親権者はXさんとして離婚する」という訴訟上の和解が成立しました。

【結果】
モラハラにさらされ続けると、「自分は価値のない人間だ」と思わされてしまいます。
「配偶者からひどいことを言われるのも、そもそもは私が悪いせいなのに、辛いと思ったり離婚を求めたりするのは図々しい、間違ったことだ」としか思えなくなってしまい、「離婚してもいいんでしょうか?家を出てもいいでしょうか?」と聞かれることもよくあります。
「私が悪い」、「こんな考えは間違っている」と思ってもなお、家を出たい、離婚したいと考えて法律相談をされるくらいならば、その方が「辛い」のだということは、絶対にたしかでしょう。
そこまで辛いのであれば、すぐに離婚は無理だとしても(相手が応じてくれない、自分自身としてもそこまでは踏み切れないなど)、その辛さの原因からいったん距離を置いてみるという選択は、間違いではないと思います。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています

取扱事例5

  • 裁判

父親が親権者と認められた事例(離婚調停→離婚訴訟)

依頼者:40代男性

【背景】
Yさんは、20年ほど前に妻と結婚し、2人の子供が生まれました。
妻は以前から精神疾患を抱えていましたが、結婚後にその症状が重くなり、入院が続きました。
Yさんは、ご実家の助けも得ながら、仕事と育児の両立に励みました。
一番下のお子さんが高校に入学したことを機に、Yさんは妻に離婚を求めましたが、妻は「今後の生活が不安」といった気持ちもあったようで、離婚に応じることはありませんでした。

【相談内容と弁護士対応】
まず離婚調停を申し立てましたが、妻はやはり離婚を拒んだため、離婚訴訟を提起しました。
こちらからは、調停でも訴訟でも、「離婚に応じてもらえる場合、金銭的なことについてはできるだけ配慮するつもりです」と折に触れて伝えました。
訴訟提起から1年半ほどかかりましたが、最終的には、子供たちの親権者はいずれもYさん、Yさんから妻に解決金としてある程度まとまったお金を支払う内容で和解が成立し、離婚に至ることができました。

【結果】
家庭裁判所で子供の親権や監護を争う場合、「これまで主に子供をみていたのはどちらの親か?」はかなり重視されます。
「主に子供をみていたのは母(妻)」という家庭が多いので、お父さんが親権者になることは「難しい」ケースが多いと言えます。
しかしこの件では、子供たちが小さいころからYさんが主たる監護者であった(主に子供をみていた)ため、親権についてはあまり問題になりませんでした。
子供が15歳以上である場合、「親権者は父親と母親のどちらがよいか」を直接確認する必要がありますが、お子さん方もみな「お父さんと一緒に暮らしたい」と希望しました。
このケースでは、妻が離婚を拒む理由の一つが「今後の生活不安」だったため、こちらから「離婚を受け入れてもらえるならば、ある程度のお金を支払う」と提案しました。
双方の代理人間で細かな調整をしながら解決金の額を探り、折り合いをつけることができました。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています

取扱事例6

  • 20年以上の婚姻期間

離婚には応じるが身一つで出ていけ!と言われたが、財産を調べ、財産分与と年金分割をしっかり行えた事例(離婚調停)

依頼者:50代男性

【背景】
Xさん(女性)は、30年ほど前に夫と結婚し、2人の子供が生まれました。
結婚当初から、夫実家で夫両親と同居です。
Xさんは、夫の暴言や酒癖の悪さ、夫の姉妹が頻繁にやって来て義母と一緒にXさんの悪口を言うことに悩まされてきました。
いつもXさんの味方をしてくれた義父が亡くなったこと、子供たちもそれぞれ独り立ちしたことで、Xさんは離婚を決意しました。
しかし、夫に「離婚したい」と言うと、夫は「離婚は構わないが、身一つで出て行け」と言いました。
Xさんには持病もあり、ご自身の収入だけでは、生活していくことが困難です。
「きちんと財産分与と年金分割をしてもらいたい」、「子供たちには迷惑をかけたくない」という思いから、ご相談に至りました。

【相談内容と弁護士対応】
離婚調停の申立を行いました。
夫には退職金があるはずですが、調停では「退職金はない」と言い張ったり、預金を隠そうとしたり、年金分割についても「0.5の割合では応じられない。0.3であれば行ってもいい」と主張するなどしたため、調停は長引きました。
しかし、最終的には、退職金や預金を半分に分け、年金分割も0.5の割合で行う内容で、調停を成立させることができました。

【結果】
年金分割は、離婚係争の中でも最も「争いようのない」争点であり、「半分ずつの割合で分けるのは嫌だ」と主張しても、この主張が通ることはまずないと言ってよいでしょう。
そのため、夫が「年金分割の割合は0.3。それ以上は絶対に受け入れない」と言い出した時は、「では訴訟にしましょう」と返しました。
ただ、Xさんは、病気を抱えていたこともあって、「裁判所で調停をする」だけでも精神的な負担が大きく、かなり参っていました。
「訴訟はできる限りしたくない」というご希望だったため、その後も調停を打ち切ることはせず、話し合いを進めました。
幸い、Xさんの手元にあった手がかりから、夫の隠していた財産を発見することもできましたし、夫も年金分割については折れて(裁判所から「争っても最終的には0.5になりますよ」という説得があったものと思われます)、満足できる財産分与を受け、年金分割も行って、離婚調停を成立させることができました。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています

取扱事例7

  • 裁判

離婚を求められたが、「有責配偶者からの離婚請求は認められない」として勝訴した事例(離婚&円満調停→離婚訴訟)

依頼者:20代女性

【背景】
Xさん(女性)と夫との間にはまだ2歳のお子さんがいましたが、夫はある日突然、家を出て行きました。
Xさんは、これまでの結婚生活を振り返り、「私があの時こう言ったのが夫は嫌だったのかもしれない」等と「悪かったところ探し」をしては自分を責めていたのですが、あるきっかけから偶然、夫が以前から(家を出る前から)浮気をしていたことがわかりました。
それでも、Xさんは夫を嫌いになれず、「私にも悪いところがあった。今回のことで色々と振り返り反省もしている。子供のためにも、浮気相手とは別れて戻ってきて欲しい」と伝えたのですが、夫は調停を申し立てて離婚を求めてきました。

【相談内容と弁護士対応】
Xさんから依頼を受けた後、こちらからは「円満調停」の申立を行いました。
調停では、Xさんは「夫として、子供の父親として今も愛している。家族3人で暮らしたい。そのためにできることは何でもしたい」とご自身の心情を伝え、私からは代理人として「夫の不貞については明らかな証拠があり、時期的にも、別居の原因が夫の不貞にあることは明らか。
したがって、もし夫があくまで離婚を求め、離婚訴訟を提起したとしても、『有責配偶者からの離婚請求』であるから離婚は認められない」と主張をし、その内容の主張書面や裏付けとなる資料を提出しました。
このまま引き続き離婚訴訟となれば、精神的に既に疲弊しているXさんがさらに参ってしまうと思われたため、「しばらくの間、別居する」という提案も行いました。
しかし、夫は「とにかく離婚したい」と譲らなかったため、離婚調停も円満調停も不成立となり、その後すぐに離婚訴訟の提起がありました。
この訴訟で夫は、「たしかに別の女性と交際はしているが、その前から夫婦の関係は壊れていたので、不貞ではない」、「女性との関係が原因で家を出たわけではない」と主張しました。
しかし、裁判所は「夫の不貞」を認定し、「Xさんと夫が再び夫婦としてやり直せる見込みはないだろうが、夫婦関係が壊れてしまった主な原因は夫の不貞にあるので、夫からの離婚請求は認められない」という判決が出ました。


【結果】
「有責配偶者からの離婚請求は認められない」という判例があります。
浮気や暴力など「悪いこと」、「配偶者を傷つけるようなこと」をした側から離婚を求めても、配偶者が「離婚したくない」と拒む場合には、離婚は認めませんというものです。
なお、「有責」である配偶者からの離婚請求が100%認められないわけではなく、以下の三つの事情を考慮の上で「離婚を認める」判決が出る可能性はあります。
①同居期間と比較して別居期間が相当長い
②夫婦の間に未成熟子がいない
③離婚によって配偶者がひどい苦境に陥ることがない

このケースでは、「夫の不貞」についてはっきりした証拠があったため、「夫が有責配偶者であること」は明らかでした。
加えて、別居期間はまだ短く、幼いお子さんもいました。
また、夫が浮気をし、家を出て離婚を強く求めてきたことに対し、Xさんはずっと苦しみ、それでもなお「夫に戻ってきて欲しい」と望んでいました。
そのため、離婚を認める判決が出ることは「まずない」ケースだったと言えますが、ご家族の支えがなければ、Xさんとしても訴訟を戦い抜くことは難しく、どの時点かで気持ちが折れて、「離婚を受け入れる」内容での和解に至っていた可能性もあります。
夫側は、その点に賭けていたのかもしれません。

配偶者の態度が突然変わり、家を出て離婚を求められた…という場合、その裏に「不貞」があるケースは多いです。
「家を出る前」ではなく「直後」のものでも証拠になるので、不貞の疑いが濃い場合は、あきらめずに調査をしてみてもよいかと思います。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています
電話でお問い合わせ
050-7587-2989
時間外

※お電話の際は「ココナラ法律相談を見た」とお伝えいただくとスムーズです。