おか てつや
岡 徹哉弁護士
東京SAI法律事務所
溜池山王駅
東京都港区赤坂1-3-18 コカドビル8階
インタビュー | 岡 徹哉弁護士 東京SAI法律事務所
システム開発の取引トラブル、業界事情を知る元システムエンジニアの弁護士が交渉で円満解決
システムエンジニア(SE)として8年働いた後、法曹界に飛び込んだ東京SAI法律事務所の岡 徹哉(おか てつや)弁護士。
IT業界事情に詳しく、中小のシステム開発会社やフリーのエンジニアらから数多くのSOSを受け取っています。
取引に関するさまざまなトラブルを、交渉で何度も円満解決させてきました。
交通事故や相続、不動産問題などにも明るい、キャリア約15年の経験豊富な弁護士です。
IT業界事情に詳しく、中小のシステム開発会社やフリーのエンジニアらから数多くのSOSを受け取っています。
取引に関するさまざまなトラブルを、交渉で何度も円満解決させてきました。
交通事故や相続、不動産問題などにも明るい、キャリア約15年の経験豊富な弁護士です。
01 弁護士を志した理由
宇宙飛行士を夢見た過去。そして、システムエンジニアから法曹へ
ーー大学では天文学を専攻されていたようですね。ユニークな学歴が光ります。
小さい頃から、漠然と宇宙飛行士に憧れていたんです。
日本で数少ない天文学を学べる大学に進学し、宇宙物理の勉強に明け暮れました。
弁護士を目指すことにしたのは、もう少し先のことです。
社会人としてはその前に、別の仕事をしていました。
それが、システムエンジニアです。
実は、高校生の頃からコンピュータに触れることも好きだったんです。
大学時代も研究の一環でプログラムを自作したりしていました。
そして、業界では名の知れた独立系のシステム開発会社に就職します。
当時は、ITシステムが社会に加速度的に広がっていく真っ只中。
鉄道の制御システムや航空機の座席予約、銀行決済のシステムなど、基幹インフラも含めていろんな開発に携わりました。
濃厚な8年間でしたね。
ーーそれから弁護士への転身を決断されたわけですね。
いろんな企業のシステム開発をお手伝いするなかで、今度は社会の仕組みや世の中の動向そのものに目がいくようになったんです。
とは言っても、当時は合格率が非常に低かった旧司法試験の時代でした。
職を失えば収入は途絶え、試験に失敗したら路頭に迷いかねません。
妻も不安そうでしたが、2年間の猶予をもらってチャレンジさせてもらい、なんとか切符を手にすることができたんです。
02 弁護士としてのキャリアと得意分野
システム会社やエンジニアの取引トラブル。裁判せずに交渉で解決
ーーそして、弁護士になってからもう15年ほどのキャリアになります。
現在が、4つ目の事務所になります。
これまで相続や交通事故、不動産、離婚問題、企業法務など、約15年のキャリアを通じていろんな事件を経験させてもらいました。
とくに得意意識が強く、よくご相談いただく分野のひとつが、システム開発絡みの事件です。
中小のシステム開発会社やフリーランスのエンジニアを中心に、各種取引の交渉や契約書のチェックなどの事案を数多く抱えています。
ーーそこはやはり、業界事情に精通していることが強みになるんでしょうか?
業界の商慣習を熟知していることは大きいはずです。
どの業界にも、特有の慣行のようなものがあると思うんです。
システム業界も同じです。
法律や契約書に書いてあるわけではない、でも大事な暗黙のルールや微妙なニュアンスが存在します。
そして、そのちょっとした無知や認識のズレが、思わぬトラブルを招いてしまうことが少なくありません。
コンピュータプログラムと言えども、あくまで人がつくるものです。
ですから、どうしても運用の過程で何かしらバグや不具合が生じてしまうんですよ。
開発者からすれば、一定の不具合はやむを得ないこと、修正対応すれば済む、という認識なんです。
ただ、発注者がそう判断するとは限りません。
納品後にバグが生じた際に、「完成していないじゃないか」と報酬の支払いを拒否することもあるんです。
ーー受注サイドは、お金を払ってもらえないと死活問題になりますよね?
訴訟を提起すれば、裁判所から報酬の支払いを命じる判決を手にすることもできます。
ただ、できることなら裁判には持ち込みたくないんです。
開発側は仕事をもらう立場です。
発注者とは今後も一緒に仕事をする可能性がありますし、とことん争うことで関係がこじれ、その後の取引に悪影響が及ぶような事態は避けたいですよ。
そんなときには、ぜひ私を頼っていただきたいですね。
システムエンジニア時代は、発注サイドの業務経験も積んできました。
双方の事情がわかるので、裁判の手前でうまく落とし所を見つけることができます。
ーーフリーのエンジニアは増えていると聞きますし、今後もトラブルの増加が予想されます。
トラブル発生後の交渉はもちろん、それを未然に防ぐこともとても重要で、そこは車の両輪です。
例えば、契約書です。
私の感覚では、システム開発絡みの契約書は細かくつくり込まれていないものが多いように思います。
契約書の雛形はネットに転がっていますが、それでは不十分です。
業界特有の事情を踏まえた契約書が必要になってきます。
それに加え、当事務所はAI審査のプラットフォームを導入しており、スピーディーで細やかなレビューが可能です。
企業法務に関してはIT業界全般に明るく、ほかにも不動産や飲食、人材派遣、アパレルなど幅広い業界をカバーしています。
M&Aや上場、海外進出支援などの特殊な案件にも対応可能です。
ーーほかの分野でのご経験も簡単に教えていただけますか?
8年ほど在籍した以前の事務所で経験を積んだのが、交通事故です。
当時は、保険会社の代理人も務めていました。
賠償金や休業損害などについて、保険会社の立場を踏まえて交渉を有利に進めることができます。
相続にも長く取り組んできましたね。
遺産分割の交渉や不動産が絡む相続のほか、経営者の事業承継の解決例もあります。
それと、不動産問題ではとくにオーナー側のご相談が多く、建物明け渡しなどを何度も手がけてきました。
03 事件解決のスタンス
キャリア15年、磨き上げた交渉力。粘り強く関係修復の道探る
ーー分野を問わず、事件と向き合う際に大事にしていることは何でしょうか?
どんな事件も、最後まで粘り強く取り組むことです。
ときには解決までに何年も時間を要したり、段ボール箱にびっしりつまった膨大な資料を読み込んだりする事件も少なくありません。
それでも、依頼者さまの気持ちが折れそうになったら何度でも励まし、背中を押し続けること。
膨大な資料も一字一句見逃さず、重要な手がかりを必死に探し出すこと。
これは弁護士にとって欠かせない仕事です。
同時に、安易に最後のカードを切らないことも心がけていますね。
最終手段の訴訟までもつれると、双方の関係が悪化し、修復が難しくなってしまいます。
それなら、裁判の手前で粘り強く交渉し、落とし所を探った方がいいはずです。
ただ、依頼者さまの意思に反することは絶対にしてはいけません。
そこはしっかりとコミュニケーションを取りながら、依頼者さまが納得できる範囲内で相手を説得し、妥協点を見出すようにしています。
ーー交渉にはマニュアルがないと思いますが、どんなことを心がけているのでしょう?
依頼者さまの立場を尊重しつつ、相手の言い分にもしっかり耳を傾けるべきです。
相手が重んじているポイントを正確に見極めない限り、交渉の焦点は定まりませんからね。
そこを慎重に汲んだうえで、依頼者さまと一緒に解決方法を考えていくことが重要です。
そのあたりは、経験や場数の多さがモノを言うはずです。
その点、私は約15年のキャリアを通じて、地道に交渉力を磨いてきた自負があります。
04 悩みを抱えている人たちへ
依頼者の次の一歩を後押しする
ーーシステムエンジニアの倍近い年月を弁護士として過ごしています。やりがいを感じていらしゃるんですね。
社会にとって必要不可欠なものーー。
その点で、システムと法律はよく似ています。
同時に、システムの構築と法律論の組み立て方、これもロジックが肝心であるという共通点があります。
大きく異なるのは、弁護士は一筋縄ではいかない依頼者さまの人生を背負うこと。
大きな責任を伴いますが、その分感謝の言葉をいただいたときの感慨はひとしおです。
一人ひとりの笑顔や喜びが、最大のモチベーションになっています。
ーー今、そんな依頼者に伝えたいのはどんなことでしょう?
「失敗したことがないというのは、新しいことにトライしたことがないということだ」という、物理学者・アインシュタインの言葉があります。
私自身について言えば、あのとき司法試験に挑戦していなかったら、今の人生はありません。
悩みや不安を抱えている依頼者さまにも、勇気を振り絞って事件に向き合うことで、新しい人生の一歩を踏み出していただきたいんです。
そのために、私がすべてをかけてサポートさせていただきます。