おおぎし ゆうすけ
大岸 裕介弁護士
アロウズ法律事務所
水道町駅
熊本県熊本市中央区安政町8-16 村瀬海運ビル802
インタビュー | 大岸 裕介弁護士 アロウズ法律事務所
罪を犯した人はすべて悪い人なのか?依頼者のビハインドを見極め適切な判断を仰ぐ弁護士
「起訴状を読むだけなら、被告人は悪い人に見えるかもしれません。でも、その背景を見るのが弁護士の仕事だと思うんです」。
これは刑事事件を数多く扱う、アロウズ法律事務所に所属する大岸 裕介(おおぎし ゆうすけ)弁護士の言葉です。
大岸先生はある刑事事件をきっかけとして、社会人になってから弁護士を目指しました。
あらゆる時間を仕事と司法試験の勉強に費やし、見事合格を勝ち取ったのです。
その陰には、ある友人の姿があったといいます。
弁護士になる以前の話も含めた、大岸先生のご活躍ぶりをお聞きしました。
これは刑事事件を数多く扱う、アロウズ法律事務所に所属する大岸 裕介(おおぎし ゆうすけ)弁護士の言葉です。
大岸先生はある刑事事件をきっかけとして、社会人になってから弁護士を目指しました。
あらゆる時間を仕事と司法試験の勉強に費やし、見事合格を勝ち取ったのです。
その陰には、ある友人の姿があったといいます。
弁護士になる以前の話も含めた、大岸先生のご活躍ぶりをお聞きしました。
01 弁護士になったきっかけ
身柄拘束は本当に必要?弁護士になる前、保釈請求をした経験
――なぜ、弁護士になろうと思ったのですか?
あるとき、私の友人が警察に逮捕されてしまいました。
友人は罪を認めて反省しており、証拠を隠滅したり逃亡したりすることはない状態でした。
しかし、身柄を拘束されたままで自宅に帰ることができなかったのです。
彼は会社員だったので、会社に行けないと社会生活に影響が出ます。
そこで私が中心となり、彼のお兄さんの協力も得ながら、保釈請求の手続きを行ったのです。
当時、事件の種類によっては、国選弁護士が必ずしもつかないという制度でした。
友人は無事釈放されましたが、このとき「法律知識があれば、もっと早く友人の身柄を解放できたのに」と思ったことが弁護士を目指したきっかけです。
――弁護士を目指そうと思った当時の様子を教えてください。
私はもともと、高校を卒業して働いていました。
しかし、先ほど紹介した事件をきっかけに弁護士を目指すようになりました。
ただ、私は大学を卒業していなかったので、そのままではロースクールに入学できません。
そのため、まずは働きながら大学の法学部に通い、卒業を目指しました。
しかし、途中から勉強が大変になり、正社員からアルバイトに切り替えたりしました。
そうやって苦労に苦労を重ねて、ようやく弁護士になれたのです。
冒頭の友人は、司法試験に合格すべく必死に努力する私の姿を見てきました。
彼に合格を伝えると「君が弁護士になれたのは、俺のおかげだからね」と言われてしまいました(笑)。
あるとき、私の友人が警察に逮捕されてしまいました。
友人は罪を認めて反省しており、証拠を隠滅したり逃亡したりすることはない状態でした。
しかし、身柄を拘束されたままで自宅に帰ることができなかったのです。
彼は会社員だったので、会社に行けないと社会生活に影響が出ます。
そこで私が中心となり、彼のお兄さんの協力も得ながら、保釈請求の手続きを行ったのです。
当時、事件の種類によっては、国選弁護士が必ずしもつかないという制度でした。
友人は無事釈放されましたが、このとき「法律知識があれば、もっと早く友人の身柄を解放できたのに」と思ったことが弁護士を目指したきっかけです。
――弁護士を目指そうと思った当時の様子を教えてください。
私はもともと、高校を卒業して働いていました。
しかし、先ほど紹介した事件をきっかけに弁護士を目指すようになりました。
ただ、私は大学を卒業していなかったので、そのままではロースクールに入学できません。
そのため、まずは働きながら大学の法学部に通い、卒業を目指しました。
しかし、途中から勉強が大変になり、正社員からアルバイトに切り替えたりしました。
そうやって苦労に苦労を重ねて、ようやく弁護士になれたのです。
冒頭の友人は、司法試験に合格すべく必死に努力する私の姿を見てきました。
彼に合格を伝えると「君が弁護士になれたのは、俺のおかげだからね」と言われてしまいました(笑)。
02 弁護士としてのキャリア
依頼者を信じる刑事弁護のスタンス。一方で冷静な視点も
――これまでどのような事件を扱ってきましたか?
弁護士になってはじめて所属したのが今の事務所です。
事務所の方針もあり、これまでは刑事事件と相続を中心に扱ってきました。
刑事事件は私選・国選問わず特に多く扱っています。
私が弁護士になったのは保釈請求を通して感じたことがきっかけでした。
現在は当時と制度が変わり、勾留手続で身体拘束され、私選で弁護士をつけられない場合は、全件に国選弁護士がつくようになっています。
制度の変遷も含めてですが、当時私が思ったことは弁護士になった今、達成できていると思っています。
――刑事事件の弁護をするなかで、特に大切にしていることはありますか?
事件の内容をよく知ることを大切にしています。
まずは被疑者・被告人(依頼者さま)からの聞き取りですね。
私は基本的に依頼者さまの話を信用して聞くようにしています。
ただ、話を聞く中で矛盾する内容や、社会通念上許容されない内容が出てくることもあるのです。
そういったとき「あなたの言っていることは嘘でないと思っている。ただ、検察官や裁判官はそう考えないかもしれない」と伝えるようにしています。
私はあくまでも依頼者さまの味方ですが、同時に客観的に依頼者さまの発言がどう見られるのかということも、一緒に考えています。
弁護士になってはじめて所属したのが今の事務所です。
事務所の方針もあり、これまでは刑事事件と相続を中心に扱ってきました。
刑事事件は私選・国選問わず特に多く扱っています。
私が弁護士になったのは保釈請求を通して感じたことがきっかけでした。
現在は当時と制度が変わり、勾留手続で身体拘束され、私選で弁護士をつけられない場合は、全件に国選弁護士がつくようになっています。
制度の変遷も含めてですが、当時私が思ったことは弁護士になった今、達成できていると思っています。
――刑事事件の弁護をするなかで、特に大切にしていることはありますか?
事件の内容をよく知ることを大切にしています。
まずは被疑者・被告人(依頼者さま)からの聞き取りですね。
私は基本的に依頼者さまの話を信用して聞くようにしています。
ただ、話を聞く中で矛盾する内容や、社会通念上許容されない内容が出てくることもあるのです。
そういったとき「あなたの言っていることは嘘でないと思っている。ただ、検察官や裁判官はそう考えないかもしれない」と伝えるようにしています。
私はあくまでも依頼者さまの味方ですが、同時に客観的に依頼者さまの発言がどう見られるのかということも、一緒に考えています。
03 解決事例①
障害をもつ依頼者の刑事弁護。犯した罪の重さとその背景
――印象に残っている事件を教えてください。
ある障害をもつ方の刑事弁護を担当したときの話です。
その方の罪は重く、実刑判決になってもおかしくないような状況でした。
ただし、依頼者さまには共犯者がおり、健常者である共犯者に支配されるような形で罪を犯してしまったのです。
また、障害によって能力に制限があり、依頼者さまが負える適切な責任範囲の議論も必要でした。
――難しい事件ですね。共犯者との関係性や負うべき責任の範囲の話は、どのように立証したのですか?
まずは依頼者さま本人の話をよく聞きました。
そして、それを裏付ける証拠を探したのです。
依頼者さまと共犯者の主従関係は、LINEのやりとりを見るとよく分かりました。
関係性についてはそのやりとりが証拠になったのです。
依頼者さまの障害の程度については、医師に意見を仰いで証言をもらったりしました。
最終的にはなんとか執行猶予がついたため、実刑判決は免れることができました。
――障害をもつ方の弁護をするとき、難しいと感じることはありますか?
障害の種類や程度にもよりますが、たとえば精神的な障害をもつ方の場合、必要な事実を聞き出すのが大変な場合もあります。
もちろん、罪を犯したならそれを認めて償うことは必要です。
しかし、そもそも社会的に弱い立場にある方なので、事件の背景や本人の責任能力をきちんと把握する必要もあります。
起訴状を読むだけなら、被告人は悪い人に見えるかもしれません。
でも、その背景を見るのが弁護士の仕事だと思うんです
弁護士がきちんと把握して議論のテーブルに乗せないと、詳細な事情について裁判官や検察官が考えることもないでしょう。
ある障害をもつ方の刑事弁護を担当したときの話です。
その方の罪は重く、実刑判決になってもおかしくないような状況でした。
ただし、依頼者さまには共犯者がおり、健常者である共犯者に支配されるような形で罪を犯してしまったのです。
また、障害によって能力に制限があり、依頼者さまが負える適切な責任範囲の議論も必要でした。
――難しい事件ですね。共犯者との関係性や負うべき責任の範囲の話は、どのように立証したのですか?
まずは依頼者さま本人の話をよく聞きました。
そして、それを裏付ける証拠を探したのです。
依頼者さまと共犯者の主従関係は、LINEのやりとりを見るとよく分かりました。
関係性についてはそのやりとりが証拠になったのです。
依頼者さまの障害の程度については、医師に意見を仰いで証言をもらったりしました。
最終的にはなんとか執行猶予がついたため、実刑判決は免れることができました。
――障害をもつ方の弁護をするとき、難しいと感じることはありますか?
障害の種類や程度にもよりますが、たとえば精神的な障害をもつ方の場合、必要な事実を聞き出すのが大変な場合もあります。
もちろん、罪を犯したならそれを認めて償うことは必要です。
しかし、そもそも社会的に弱い立場にある方なので、事件の背景や本人の責任能力をきちんと把握する必要もあります。
起訴状を読むだけなら、被告人は悪い人に見えるかもしれません。
でも、その背景を見るのが弁護士の仕事だと思うんです
弁護士がきちんと把握して議論のテーブルに乗せないと、詳細な事情について裁判官や検察官が考えることもないでしょう。
04 解決事例②
逮捕され衰弱する依頼者。裁判官の判断が誤っていることを主張し勾留決定に対する不服申立てへ
――ほかの解決事例も聞かせてください。
今度は精神的な疾患を抱えておられる方の刑事弁護の話です。
依頼者さまは、被害者のいない比較的軽微な罪を犯してしまい、逮捕・勾留されてしまいました。
急いで接見に行くと、罪を認めているものの、まともに会話することができない状態だったのです。
事件前から依頼者さまは精神的に不安定な状態にあったものの、回復傾向にあるなかでの逮捕だったのです。
依頼者さまからすると、身柄を拘束されることは精神的なストレスが大きかったのだと思います。
このままだと、明らかによくない状態になるのが目に見えています。
依頼者さまやご家族からの聞き取りから、勾留という身体拘束手続が必要のないケースだと考えました。
そのため、直ちに、既に決定された勾留に対して、準抗告という不服申立て手続をしました。
――勾留決定に対する準抗告が認められるにはどのような条件が必要なのですか?
そもそも、裁判官が被疑者の勾留を認めるのは、大きく次の三つのうちのいずれかを満たすときです。
まずは住所不定であること、そして証拠隠滅の恐れがあること、最後に逃亡の恐れがあることです。
そのため、勾留決定に対する準抗告では、依頼者さまはどの要件にも当てはまらないということを的確に論証する必要があります。
準抗告の判断は、勾留決定をした裁判官とは異なる裁判官3名により行われます。
依頼者さまは家族と同居し、普段から家業を手伝っており、家族との関係も良好で、適切な監督者がいる生活環境で、逃亡は考えられませんでした。
自らの罪を認めており、本件事案で考えうる証拠構造から、証拠隠滅のおそれが極めて乏しいなど、先程述べた要件にすべてあてはまらないため、それらを、裁判所に主張して誤った勾留の決定を取り消すよう求めましました。
最終的には一度決定された勾留は、すぐに取り消されて、依頼者さまは、元の環境での生活に戻ることができ、社会復帰に向けてふたたび頑張れるようになりました。
今度は精神的な疾患を抱えておられる方の刑事弁護の話です。
依頼者さまは、被害者のいない比較的軽微な罪を犯してしまい、逮捕・勾留されてしまいました。
急いで接見に行くと、罪を認めているものの、まともに会話することができない状態だったのです。
事件前から依頼者さまは精神的に不安定な状態にあったものの、回復傾向にあるなかでの逮捕だったのです。
依頼者さまからすると、身柄を拘束されることは精神的なストレスが大きかったのだと思います。
このままだと、明らかによくない状態になるのが目に見えています。
依頼者さまやご家族からの聞き取りから、勾留という身体拘束手続が必要のないケースだと考えました。
そのため、直ちに、既に決定された勾留に対して、準抗告という不服申立て手続をしました。
――勾留決定に対する準抗告が認められるにはどのような条件が必要なのですか?
そもそも、裁判官が被疑者の勾留を認めるのは、大きく次の三つのうちのいずれかを満たすときです。
まずは住所不定であること、そして証拠隠滅の恐れがあること、最後に逃亡の恐れがあることです。
そのため、勾留決定に対する準抗告では、依頼者さまはどの要件にも当てはまらないということを的確に論証する必要があります。
準抗告の判断は、勾留決定をした裁判官とは異なる裁判官3名により行われます。
依頼者さまは家族と同居し、普段から家業を手伝っており、家族との関係も良好で、適切な監督者がいる生活環境で、逃亡は考えられませんでした。
自らの罪を認めており、本件事案で考えうる証拠構造から、証拠隠滅のおそれが極めて乏しいなど、先程述べた要件にすべてあてはまらないため、それらを、裁判所に主張して誤った勾留の決定を取り消すよう求めましました。
最終的には一度決定された勾留は、すぐに取り消されて、依頼者さまは、元の環境での生活に戻ることができ、社会復帰に向けてふたたび頑張れるようになりました。
05 弁護士として心がけること
困難の先にある未来。依頼者のために一緒に解決する姿勢
――弁護士として大切なことを教えてください。
まずは依頼者さまに寄り添うこと、そして依頼者さまの利益になることを考えるようにしています。
相続もそうですが、刑事事件においても依頼者さまが感情的になって冷静に判断できないことがあります。
たとえば、依頼者さまの言い分として、相手にも非があったとします。
しかし、いくらその相手の非を主張したところで、依頼者さまが犯した罪に向き合わないと立場がますます悪くなってしまうことがあります。
その場合、依頼者さまがその主張にこだわってしまうことによるデメリットが大きいといえます。
そういったことを冷静に判断してアドバイスするのが弁護士の役割だと思っています。
――今後、どのような弁護士になりたいと思っていますか?
今は特に力を入れている事件の分野がありますが、自分にとって大切な人を救いたいというのが弁護士になった原点ですので、町弁としてあらゆる事件に対応できるゼネラリストを目指していきたいです。
そのためには日々研鑽したり、積極的にいろいろな分野の事件を扱っていければと思っています。
――最後に大岸先生から困っている方へ、メッセージをお願いします。
今、トラブルを抱えていると、それがすごく大きなものに感じるかもしれません。
しかし、それを乗り越えた先に、手に入れたい未来があると思うんです。
一緒に困難を乗り越えましょう。
まずは依頼者さまに寄り添うこと、そして依頼者さまの利益になることを考えるようにしています。
相続もそうですが、刑事事件においても依頼者さまが感情的になって冷静に判断できないことがあります。
たとえば、依頼者さまの言い分として、相手にも非があったとします。
しかし、いくらその相手の非を主張したところで、依頼者さまが犯した罪に向き合わないと立場がますます悪くなってしまうことがあります。
その場合、依頼者さまがその主張にこだわってしまうことによるデメリットが大きいといえます。
そういったことを冷静に判断してアドバイスするのが弁護士の役割だと思っています。
――今後、どのような弁護士になりたいと思っていますか?
今は特に力を入れている事件の分野がありますが、自分にとって大切な人を救いたいというのが弁護士になった原点ですので、町弁としてあらゆる事件に対応できるゼネラリストを目指していきたいです。
そのためには日々研鑽したり、積極的にいろいろな分野の事件を扱っていければと思っています。
――最後に大岸先生から困っている方へ、メッセージをお願いします。
今、トラブルを抱えていると、それがすごく大きなものに感じるかもしれません。
しかし、それを乗り越えた先に、手に入れたい未来があると思うんです。
一緒に困難を乗り越えましょう。